海荷
今日も始まったコイツらのいじめ。
七海
もっと遊ぼーよ!!
朱里
そうよー!こんな貧乏人ここには必要ないわ!
海荷
こちらの気持ちを考えろ。
海荷
私は瀬戸海荷。テラー小学校6年生半ば。
海荷
いじめのターゲットです。
海荷
助けてくれる人なんていない...
朱里
何泣きそうになってんのよ 笑
七海
まじうける 笑 あっ!インスタあげよ 笑笑
海荷
何なのこいつら...
海荷
地味にこの学校は金持ちが多くて有名。私の家は...貧乏だけど。
海荷
親が事故って6年で1人暮らし。金はおばあちゃんに払ってもらっている。
海荷
なんたって金がない。
朱里
おい貧乏BBA!何突っ立ってんの?
七海
あ!校舎裏がいいのね!分かったわ!
海荷
うぅ...
七海
何?私に逆らうのかしら?
朱里
学校イチのお嬢様に口ごたえかしら?
海荷
お前らは呑気でいいなぁ!
クラス一同
は?
海荷
こっちの気持ちも知らないで!無視しやがって!
海荷
少しくらい助けようと思えや!人権があるだろ!
海荷
人 権 !
クラス一同
何こいつ 笑
クラス一同
ちょー生意気じゃん!
七海
あら、私に口答えしたわね。
朱里
お仕置きしましょう!
海荷
やれるもんならやってみな!
祐飛
待て!海荷!
海荷
容易く呼ぶな!
祐飛
目を覚ませ!
七海
オラァ!
祐飛
お前バカじゃねぇの?
海荷
...は?
祐飛
1番のお偉いとか言えるレベルのやつによく口答えしたわ。勇姿だけは認めてやる
祐飛
だが、何故お前はターゲットなのにあんなことした。
海荷
知ってもらいたかった
祐飛
は?なんて?
海荷
みんなに私の事!知ってもらいたかったの!
海荷
私のつらさを知らないくせに!私がどんなこと思ってるか知らないくせに!
祐飛
生意気なんだよ!
海荷
何よ!こんなとこ、出てやる!
海荷
...
祐飛
お前、骨折。
祐飛
アバラと、足の骨折
海荷
...え?
祐飛
もう足は動かないかもだってさ
海荷
...そ、そ...
海荷
バカ言わないで!
祐飛
嘘じゃねぇよ!
海荷
なんで...
海荷
なんで私がこんなことにならなきゃ行けないの!
海荷
悪いの全部あいつらじゃん!
祐飛
...
海荷
祐飛!さっさとどっかいって!
祐飛
行き場なんてねぇよ。
海荷
...え?
祐飛
行き場なんて無いんだよ!
祐飛
退学してきた
海荷
...なんで?
祐飛
お前のために。
海荷
バッカじゃないの!
海荷
なんにも助けてくれなかったくせに!今更遅せぇよ!
祐飛
...俺も、親、居ねぇんだ。
祐飛
お前と、一緒。
海荷
...お金は...?
祐飛
それは、親の遺産でなんとかしてる。
海荷
...
海荷
一緒...だったんだ...
祐飛
...あぁ。
海荷
当たっちゃってごめん。
祐飛
ううん。いいんだ。
祐飛
俺も起きていきなり馬鹿じゃねぇのは悪かった。すまん。
祐飛
これから俺が看病する。
海荷
えっ...そんなのお医者さんの方が...
祐飛
俺と医者でお前を助ける
海荷
...ありがとう
クラスメイト
海荷さ、足死んだらしいよ笑
クラスメイト
まぁ、ざまぁってとこだな笑
七海
海荷...
朱里
どうしましたか?七海さん。
七海
...
朱里
遊び相手居なくなって暇ですね〜
七海
...
七海
七海
行かなきゃ!
朱里
ちょっと!七海さん!
七海
海荷!
海荷
...
海荷
七海?
七海
その...えっと...お前が交通遺児って知らなくて...ずっと貧乏人扱いして...すまなかった。
海荷
何よ今更。もう治らないのよ。諦めるしかないじゃない。
七海
私、看病する。
海荷
私には祐飛がいるの。
七海
毎日、病室くる。だから、
海荷
私には祐飛がいるの!
七海
全部、私が悪いんだもの。私もくる。
海荷
...
海荷
どうせ邪魔くさいとか思ってるくせに。見え見えだよ。
海荷
そんなの今更されても困る
七海
海荷の気持ち、なんもわかってなかった。金が全てみたいだった。馬鹿だね。私。
海荷
七海...
七海
インスタも消す。全部。私、すんごい悪い人だ...
朱里
七海さん!何してるんですか!帰りますよ!
七海
朱里、関わり切ろ。
朱里
えっ!いきなり何を...
七海
私の目の前から消えて。
海荷
七海...
七海
全部、海荷のためだよ
海荷
...
海荷
この人に感謝の言葉を伝える日が来るなんて...
七海
ううん。朱里は別れたから、これから
七海
仲良くしてもらえる?お金の面は任せてね!
海荷
...ありがとう
祐飛
おーい。海荷ー。本買ってき...
祐飛
お前!何しに来た!
海荷
祐飛、七海に何もしないで!
祐飛
なんでだよ!お前をこうさせたのはコイツ...
七海
祐飛。海荷のためなら言うこと聞いたら?
祐飛
うっせー!
七海
お金は、出す。慰謝料ってとこだね
祐飛
...
海荷
祐飛...
祐飛
海荷が認めたなら、俺はそれでいい。
祐飛
ただし、
祐飛
海荷を1ミリでも傷つけたらお前を追い出す。
七海
ん。契約ね。
海荷
...ごめんね。私なんか...
七海
バカ言わないでよ。
七海
私が1番謝らなきゃ...
祐飛
...
海荷
済んだことだよ。泣くことないよ。七海が悪いんじゃないんだからさ。
七海
海荷...ありがとな。
七海から、私への謝罪の気持ちと、助けるという信念があった。
クラスメイト
七海馬鹿だねwなんにも出来ない奴を助けるなんてw
朱里
あら?七海さんの愚痴?
クラスメイト
朱...朱里...
朱里
私が七海さんに嫌われようが、私は七海さんの味方です!私は七海さんのことを悪く言った奴は成敗致します!
クラスメイト
に、逃げよ
七海に嫌われても、自分が七海を嫌うことは無かった。
祐飛
なぁ。
祐飛
七海。
七海
ん?
祐飛
お前、不登校児になる必要は無いと思うんだが
海荷
確かに
七海
いや、
七海
足が動かなくなるよりもまだまだマシなことさ。成績なんて、自主学習とかでなんとかするし。
直美希
あの...七海さん、海荷ちゃん。
海荷
あっ。直美希ちゃん...
直美希
これ!私のノートです!連休の間はお貸しします!
祐飛
おいおい。俺は?
直美希
お前退学しただろーが
海荷
直美希ちゃんってそんなキャラ?
直美希
あっ!ごめんなさい。男子になるとつい...
七海
直美希
直美希
はっ、はい!
七海
ありがとよ
直美希
い、いえいえ!
直美希
私ができることなんてこれくらいで...
医者 犬澤
海荷さん、沢山お友達がいますね
海荷
犬澤先生!
七海
先生!海荷の足の状況は!
医者 犬澤
...
医者 犬澤
治りそうにはありません。
医者 犬澤
不便ながら、車椅子生活ですね。
海荷
覚悟していたことです。
直美希
海荷ちゃん...
祐飛
海荷。無理すんなよ。
海荷
うん。ありがと
医者 犬澤
あの...ご提案があります
直美希
?
祐飛
?
七海
?
海荷
?
医者 犬澤
皆さんで、お散歩なんてどうでしょうか!
海荷
あっ!行きたい行きたい!
七海
いい提案してくれるじゃない!医者って悪くないわね
祐飛
誰目線だよ七海w
直美希
さ、賛成です!
医者 犬澤
では、車椅子を手配しますね!
医者 犬澤
これどうですか?
医者 犬澤
海荷
先生、私がピンク好きなの知ってるんですか...?
医者 犬澤
女の子はピンク、好きですからね!
祐飛
俺が押すから行くか!
七海
乗るのに、お姫様抱っこするねー
海荷
痛っ
七海
ごめん!アバラ折れてるんだった!
海荷
大丈夫...
直美希
私も同行します!
七海
行こーいこー!
祐飛
どこ行く?
海荷
うーん。学校行きたいなぁ...
七海
真面目だなぁ...
海荷
連れてって!
海荷
着いた。
祐飛
意外と近いw
海荷
七海、直美希ちゃんはここで待っててもいいよ
七海
じゃあお言葉に甘えて
直美希
私も...
海荷
ん。じゃ、行こっか
祐飛
職員室か?
海荷
うん!
先生
あっ!海荷さん!
先生
退学した祐飛さんまで!
海荷
ど、どうも...
祐飛
ご無沙汰してます
先生
みんなでお見舞い行こうか迷ってました
海荷
それは照れくさいです...
先生
元気そうでなによりです(^-^)
海荷
ところで、勉強教えて貰えませんか?
先生
海荷さんは真面目ですね。そういう所は皆さんに見習って欲しいですねー
海荷
えへへ...
祐飛
俺は...
海荷
祐飛も!
海荷
先生、私はそろそろ病院に戻りますね
先生
お疲れ様でした。いつでも来てくださいね
祐飛
じゃあ、帰ろか
海荷
うん。祐飛、よろしくね!
海荷
そういや、殴られた後の記憶無いなぁ。
海荷
七海達先帰ったから教えてよ
祐飛の足と、私のピンクの車椅子が、ザッという音と共に止まった。
祐飛
忘れたい。
海荷
そんな酷いことなの?
祐飛
考えてみろ。ただ顔面殴っただけでアバラが折れるわけないだろ。
祐飛
お前は、気を失った後...
祐飛
みんなが周りに集まってきて!
祐飛
お前を蹴りまくってたんだ!
祐飛
踏みまくってたんだ!
祐飛
俺と!直美希以外!
祐飛
みんなが!
祐飛
先生は無視!
祐飛
目の前で生徒がいじめられてるところを無視!
祐飛
教師として終わってる!
祐飛
クラスのみんなだけじゃねぇ!
祐飛
実は隣のクラスのやつも集まってきて、お前を踏み潰してたんだ!
海荷
......
祐飛
...忘れたかった
祐飛
逃げたかった
祐飛
お前が救急車に運ばれた午前10時50分
祐飛
お前が殴られていた時間は
祐飛
10時...30分だ!
祐飛
先生が教室に来たのは
祐飛
9時40分!そこから次の授業までずっといてた!
海荷
...うう...
海荷
うわぁぁぁぁぁん!!!!
祐飛
これが真相だ。警察にでも言ってやりたい
海荷
祐飛は...何があっても私を助けてくれるの?
祐飛
あぁ。その為に退学した。
祐飛
お前が
祐飛
好き...だから。
海荷
...ひぇ?
祐飛
そのまんまだよ。好き。
海荷
こんな...足が動かなくなった私が...?
祐飛
好き
海荷
ただ、車椅子に乗ってなんにもできない私が?
祐飛
好き。
海荷
こんなに不細工なのに?
祐飛
好き。
海荷
...こんな私でいいんですか?
祐飛
うん。一生ついていく。
海荷
あっ、ありがとう
海荷
ところで、ここって、特別室?
祐飛
うん。車椅子の人が使いやすいようにされてる
海荷
へぇ。
祐飛
お前の足は俺だと思っておいてくれ
海荷
...うん。
海荷
これから頑張ろうね!
祐飛
おう!
七海
やっほー。帰っちゃってごめーん。親がうるさくてさ...
海荷
あっうん。大丈夫
七海
それの続きとジュース買ってくるわー
医者 犬澤
海荷さん。
海荷
犬澤先生!どうですか?
医者 犬澤
足はどうにもならなくても、肋は治りそうです。良い方向に向かってますよ
海荷
良かった...
医者 犬澤
それと、いつでも外出可能なように、車椅子と札をあげます
海荷
この札...外出中とかの時にドアノブとかにかければいいですか?
医者 犬澤
いえ、フックをつけておきました!
海荷
おー!
海荷
ありがとうございます!
医者 犬澤
明日から楽しんでくださいね
海荷
はい!
海荷
もう学校は行かない。
祐飛
...そうだよな。
七海
学校、嫌いになったんだ。
海荷
七海!
七海
あれ、祐飛、言っちゃったんだ
祐飛
知るべき事実
朱里
そうだね
七海
そうだねー、って!朱里!私と関わり切るって言ったじゃん!
朱里
元気そうだね。もっとやってやりたいわァ...
海荷
ふふふ...そうはさせないわよー
祐飛
お前はもう、海荷の目の前に、俺の目の前に現れるな。
医者 犬澤
レントゲンの時間ですー
海荷
はーい。祐飛ー
祐飛
あいよっ
医者 犬澤
えっ...
海荷
どうしました?
医者 犬澤
新たな骨折部分を見つけました。
医者 犬澤
腕です。
海荷
あっ、そういえばずっと痛かった...
医者 犬澤
それに左腕です。
海荷
だから教えて貰ってる時大丈夫だったんだ...
医者 犬澤
いえ。最近できてますね。
海荷
...えっ。
海荷
心当たりは...ありませんね...
祐飛
考えられるのは、
祐飛
寝ている間に誰かがやった。
医者 犬澤
その確率が高いですね
海荷
...犯人探しはいりません。検討がついてます。
祐飛
俺も
七海
私も
七海
LINEしてみる
七海
朱里
朱里
なんですか?関わりきるんじゃないですか?
七海
あんた、海荷の腕折った?
朱里
あら、バレました?
七海
お前...!!
朱里
当たり前の刑ですよw
海荷
やっぱりか...
朱里
えっ!何故海荷がLINEしている!
祐飛
ここ、グループLINEだよ。既読のところよく見て
直美希
バッチリノートに書きました!
朱里
そっ、そんな...
海荷
ドンマイって感じ。通知オンにしてることをいいことにしたんだね
七海
まぁねー
祐飛
nice!