テラーノベル
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中也
足を止める。
屋台の明かりが、少し先に揺れている。
焼き物の匂い。腹は、正直に反応する。
中也
中也
一瞬、昔の自分が顔を出す。
――“問題ねぇだろ”“これくらい余裕だ”。
中也
小さく、首を振る。
中也
中也
通信機を取り出し、軽く確認。
異常なし。
周囲の気配も、静かだ。
中也
屋台の前に立つ。
帽子を少し深く被り直して。
屋台の親父
中也
紙袋を受け取ると、端に寄って腰掛ける。
一口。
中也
思わず、息が抜ける。
中也
視線を落とし、足を見る。
まだ、違和感はある。
でも——立てている。歩けている。
中也
中也
胸の奥が、じんわりと静かに満ちる。
中也
ふと、太宰の声が頭に浮かぶ。
『無事に生還して戻ってくる事』
中也
紙袋を畳み、立ち上がる。
中也
中也
歩き出す背中は、前より少しだけ落ち着いていた。
コンコン
中也
太宰
中也
太宰
中也
ブワッ!と顔が一気に赤くなる。
中也
慌てて口元を拭こうとして、逆に手が空振りする。
太宰
指先で自分の頬を軽く叩く。
中也
ごしごし、と乱暴に拭く。
中也
声が小さくなる。
太宰
一拍、間。
いつもの軽口も、皮肉もない。
中也
太宰は視線を戻し、書類に目を落とす。
太宰
中也
中也
太宰
中也
一瞬、沈黙。
中也
太宰はペンを置く。
カツ、と静かな音。
太宰
中也
喉が鳴る。
太宰
中也
一瞬だけ、迷ってから。
中也
太宰
また、沈黙。
中也
太宰はゆっくり立ち上がり、中也の前に来る。
距離が、近い。
中也
無意識に、息を詰める。
太宰
中也
太宰
中也
太宰
中也の胸が、どくん、と鳴る。
中也
太宰
中也
太宰は、少しだけ目を伏せる。
太宰
中也
耳まで赤くなる。
中也
太宰
小さく、確かに、笑った。
太宰
中也
胸の奥が、じん、と熱くなる。
中也
短く、でもはっきり。
中也
太宰
机に戻る背中は、いつも通りなのに。
その声だけが、いつもより少し、優しかった。
ー中也の家ー
ガチャ
中也
誰もいない部屋。
電気もつけず、靴を脱いでそのままソファに腰を落とす。
中也
天井を見上げる。
中也
ぽつり、と呟いた言葉が、部屋に落ちる。
中也
脳内で、ゆっくり再生される。
『ちゃんと判断できてたね』
『命令を守った。期待も、裏切ってない』
『——合格だよ、中也』
中也
瞬き一回。
中也
もう一回。
中也
次の瞬間。
中也
バッ!!と起き上がる。
中也
中也
胸に手を当てる。
ドクドクドクドク、うるさいくらいに心臓が鳴っている。
中也
一歩、前に出る。
中也
声が震える。
中也
ぐしゃ、と髪を掴む。
中也
中也
膝が抜けるみたいに、床に座り込む。
中也
喉が、詰まる。
中也
中也
笑いが漏れる。
中也
中也
目頭が熱い。
中也
中也
拳を、床に軽く打ち付ける。
中也
肩が、小さく震え始める。
中也
中也
答える人はいない。
でも、胸の奥が、確かにあったかい。
中也
深く息を吸って、吐く。
中也
立ち上がり、鏡の前に立つ。
中也
中也
鏡の中の自分を見る。
中也
ぎゅっと、拳を握る。
中也
ふっと、口元が緩む。
中也
小さく、でもはっきり。
中也
照明をつける。
中也
腹が鳴る。
中也
さっきの屋台を思い出す。
中也
顔が一気に赤くなる。
中也
バタン!とベッドに倒れ込む。
中也
中也
天井に向かって、ぼそっと。
中也
胸を押さえたまま、しばらく動けなかった。
主
主
主
主
主
中也
太宰
中也
主
主
主
主
太宰
主
コメント
2件
あけおめでーす!!!これからもじゃんじゃんコメントしてじゃんじゃん応援しますね!めっちゃ風邪ひきそうですけどまぁ頑張ります!