君になりたくて

ー3日目 昼ー

バアンッ…

凌のスパイクが月葉のコートに突き刺さる。

3日目はお昼から練習試合をやっています！

昨日の夜の幸せな余韻がまだ残って＿＿

すると凌がタオルを首にかけ、ドリンクを飲みながら明里の元へやってきた。

明里は顔を赤くさせた。

凌の声のトーンは低くなり、顔は曇った。

明里は頬を緩ませて微笑んだ。

バンッ……

その時、勢いよく陸の頭にバレーボールが衝突した。

光がニコニコと笑いながらこちらへとやってくる。

すると光の眉がぴくりと反応した。

3人はコート内で試合をしている優成に目を向けた。

バアンッ……

またもや凌のスパイクの音が体育館に鳴り響く。

明里は凌の姿を見つめてぽつりと声を漏らす。

その時陸は腕を組んで低く唸った。

明里はハッとし陽真の方に目を向ける。

明里は空のドリンクタンクを2つ両手に持った。

休憩中の陸は慌てて明里の方へ来る。

明里はぼーっとしながら陸をみつめる。

ズキンッ…ズキンッ…

2人は水道でドリンクタンクにスポーツドリンクを作っていた。

陸はドリンクタンクの蓋を閉めた。

明里は赤い顔でこくりと頷く。

明里はフラフラと歩き出す。

その時、

フラッ……

と、明里がバランスを崩してしまう。

陸は慌てて明里の肩を持った。

陸は明里に背を向け、屈んだ。

明里は陸の上に乗る。

陸は明里のことをおんぶして走り出した。