なんの音か理解するのは割と早かった
隣の部屋から聞こえた焦りが入り交じった声。
こさめの目の先にあったのは
紛れもない緑髪の彼の姿だった。
s.
だけどいつも一緒にいる彼らがいない。
s.
おそらく彼はパニックを起こしている。腕の他にたくさんの切り傷が増えていた
床に薬が大量に落ちていた
s.
そういい先生方を払い除ける彼
その瞬間彼はおもむろにカッターを取り出した
s.
k.
s.
身体が動くのははやかった。
とにかく勢いよく抱きしめた。 あのまま見てると誰も動かない。いや動けない気がしたから
k.
k.
ただ背中をさする。 こさめは床にへたりこんで彼を抱きしめるだけだった
カシャンッ゙
カッターが彼の手から滑り落ちた。
静かな病室にこさめの途切れる単語と。彼の嗚咽が響いた
s.
k.
s.
k.
だんだん視界が途切れてきて
s.
すちくんの言葉を最後に意識が途絶えた
k.
最初飛び出してきた時は目を疑った。
自分から自死行為をした彼が今こうして一人の命を救いに来たことに
r.
おぼつかない足元。焦点が合わない瞳。点滴を抜いた跡が着いている腕。 掠れる声で紡がれる単語。
それは約一ヶ月間植物状態だった彼がしたこととは思えなかった。
s.
すちくんの手からカッターが滑り落ちた。
今まで俺らがなんと言おうと聞かなかった彼が。こさめくんのいったことひとつで変わった?
k.
s.
その瞬間彼は床に崩れるようにして意識をうしなった。
すちが暴れた日からもう何日も寝たのにかえってこない、
m.
i.
m.
i.
m.
i.
m.
すちのべっとにはすちの首輪っかがのっかってる。なにかあったのかな
m.
i.
i.
いろんなとこを練り歩く
たいしたすることなんてなく、淡々とすちくんの点滴を変えるだけ
けど、そういう作業の方が何も考えなくて済むからいいのかもしれない
r.
さぁ、この前と豹変してしまった彼のお世話をするか。なんて軽く意気込む。
s.
r.
s.
r.
彼は会話はしてくれるものの、目線の先はずっと鬱陶しい程の青空の方だ。
r.
s.
s.
すちくんの声は震えていた
n.
k.
n.
そんなふうに話しかけたとしても彼は返してくれない。どんなに触れたって話しかけたって結果は変わらないだろう。
n.
つい、そんな言葉が出てしまう。俺らが出会ったのはいつだっけ
俺がこさめを気にしだしたのはまだ医療大学生の時。
俺がはじめて担当したのがこさめみたいなおとこだった。
?
n.
?
俺の顔、声。ですぐ感情を読み取ったそんな少年に俺は素直に感心した。
?
こいつが放つ雰囲気は本当にただの無邪気な男の子。
どうして精神病院なんかに入院してんだろ。と思うくらい
?
?
そう無邪気に言った。その後に彼は逝ったんだ。
その後に出会ったこさめ。
k.
n.
おどおどしくこちらに視線を向ける彼。
n.
k.
n.
俺の名前をなつくんって訳すのは彼しかいなかったから少し動揺してしまった
k.
n.
k.
耳を疑った。彼と同じことをこさめは言い放ったから。
それからのこさめは彼がしてたこと。彼が纏う空気に酷似してくるようになった
k.
k.
k.
k.
あぁ。彼が逝く前に言った言葉。聞きたくない。これ以上しんでほしくない。
n.
k.
k.
そうだ。俺にとってこさめはかけがえのない人。死んだりしないって言ってくれた人。
r.
s.
らんらんが出ていった。こさめちゃん。起きなかったらどうしよう。
もうこさめちゃんのお話聞けなくなったらどうしよう。
じわじわと目に涙が浮かんできて。
こさめちゃんが俺にはじめてあった日に話してくれたまた眠る日まで。っていう病院のお話。
また眠る日まで。はこさめちゃんが書いたお話。 だけど完成してないんだって。
全部完成させるまでが人生のゴールっ!っていってた。
俺のせいで人生ゴールできなかったらどうしよう。
頬を伝うのは涙だけだった
s.
「そんな事ないよ」
……To be continued
コメント
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めっちゃ楽しみにしてたー! 🍍くんと🦈ちゃんのとこであったかい気持ちになった( この話ほんとにすき
このシリーズほんとにすき!!
楽しみにしておりました … (