コメント
1件
おお、感動しました!
ここは砂漠のど真ん中
泉を目指した男は暑さのせいか、 道を大きく外れて道に迷ってしまった
男
男の愛犬
その男の愛犬も腹には骨が浮き出るほど痩せ細っている
どちらも食事、水分を一切とっていないようだ
男
バタ
男の愛犬
男の愛犬
男の愛犬は男が死んだということが 分かってないらしい 食べ物を採ってくればいいのかと 思い、走り出した そしてかろうじて見つけたブドウを持って、自分でつけたしるしを頼りに 男の元まで戻った
男の愛犬も死ぬほど腹が減っていたが、男のためにブドウをくわえて走った
男のところまでついて、ブドウを渡そうと起こしたが、死んでいるので勿論反応はない
男の愛犬はブドウを男の手に置くと、 男の隣で永遠の眠りについた
しばらくすると男の意識が戻った
男
真っ暗な空間に1人ポツンと立っていた。
男
そのとき
男の愛犬
男
男は涙をながし犬と抱き合った
この空間の遠くのほうにビジョンがあることに気づいた
ビジョンを見ると、現世界で男とその愛犬が砂漠の真ん中で横たわっている映像が無慈悲にも流れ続けている
そして男は自分の手のひらにブドウがのっていることに気づく
男
男はすぐに愛犬のやったことだと分かった
男
男の愛犬
愛犬は嬉しそうにひとつ返事をした
男
男
男
男
男は空間を愛犬と歩いてると
ひときわ周りより目立つ 大きな街のようなものがあった そこの人々は笑顔が絶えず、 大きな金の井戸からは美味しそうな 水がくみあげられている
男
男が黄金でできた立派な門に近づくと これまた立派な身なりの門番がいた その門番は美しい顔に穏やかな笑みを浮かべていた
男はおそるおそる聞いた
男
やわらかな心地よい声で門番は言った
立派な門番
男
立派な門番
男
立派な門番
奥では美女達が歌を歌い 豪華な料理に とてもキレイな飲料水が 滝のごとく流れている
男
男はとてつもなく喜んで 愛犬とともに足を踏み入れた
立派な門番
男
門番は申し訳なさそうに言った
立派な門番
男
立派な門番
男はしばらく極楽しかないような天国をしばし見つめたあと、当たり前のように言った
男
男
男の愛犬
男と愛犬はその天国をあとにして歩きだした
また暗い空間が続く
そうすると次はみすぼらしい木の井戸が男と愛犬の前に現れた その向こうは暗い森になっている
木の井戸の前で、1人の男が本を読んでいた
男
やる気のない門番
男
男と愛犬はゴクゴクと水を飲んだ
そして全身に水をかけてもらった愛犬は嬉しそうに吠えた
男も笑った
男は清々しい気分になって その門番と話す余裕ができた
男
その門番は本を見ながら答えた
やる気のない門番
男
やる気のない門番
男
驚いた男は更に聞いた
男
その門番、いや真の天国の門番はこう続けた
真の天国の門番
男はあそこの門番の人間しか入れないという言葉を思い出した
男
真の天国の門番
男
真の天国の門番
真の天国の門番は初めて本から目を離して男を見つめた
真の天国の門番
そう言うと、先ほどまで暗かった森が本で見るような天国へと変わった
真の天国の門番
真の天国の門番はそう言うと 片目をつぶって静かに笑った