この作品はいかがでしたか?
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皆さんは動物お好きですか?
動物と言ってもかなり多くの種類がいますよね
しかしだいたい皆さんの頭の中に最初に浮かび上がるのは身近な生き物たちだと思います
猫や犬あるいはインコなんて方もいると思います
今あげた例はペットとして飼われる動物達ですよね
あの子達はとても可愛く愛らしく思えます
でも生き物を飼うということは当然別れることも承知の上で飼うのです
皮肉な事に私達人間とペットとして飼われる犬や猫インコなどの寿命は私達よりも
遥かに短いです…それ故に我々人間はその子達に多くの愛情を捧げると思います
その愛情は人と動物という種族間を超えてきっと伝わるでしょう
愛情が沢山注がれた生き物はきっと注いでくれた者に対して恩返しがしたいはずです
もし、今みなさんの中に飼っている動物が居るのならば感じて欲しい
彼らがいる生活の楽しさを…
それが失われた時の哀しみと感謝の念を…
僕の実家には1匹の犬がいた
その子の名前は【ジン】
僕が慎太郎(しんたろう)という名前なのでそれに近しいものにしたと話していた
ジンが我が家に来たのは僕が9歳の頃だ
当時の僕は体が弱く外にあまり出れなくて退屈な日々を送っていたのだが
ジンが来てくれてその退屈な日々とはおさらばできた
僕にとってジンは最高の友達だったんだ
それから少したち僕の体調は歳を重ねる事に良くなっていき
15歳の時には他の子と同じくらいにまで、体調が良くなり何不自由なく暮らせるようになった
そして念願であった数多くの友達に囲まれ僕はとても幸せだった
でもやっぱり1番の友達はジンだった
それから少し時は過ぎ僕は22歳になった
一人暮らしをして初めて気付いた人の温かさや誰かがいる安心さ
一人暮らしは楽しい反面全て自分がやらないといけないので大変でもあった
そこに仕事が入ってきて家に帰っても安らぎがあるかと言われれば無いと答えるしか無かった
それほど一人暮らしは大変だったのだ
そこで僕は生き物を飼う事にした
もちろん飼うのは犬である
無理を言って親友のジンを僕の家に引っ越させてもらった
この時ジンは13歳だ
人間で言えば70〜80くらいの歳だろう
前ほど元気に走り回ったりは出来ないが僕が仕事から帰ると必ず出迎えてくれる
身体のことを考えるとしんどいと思うのにジンはしっぽを振り嬉しそうに迎える
少し心配だったがジンが元気そうなので、それはそれで良かったのかなと思う
しかし時と現実は残酷なのだ
ジンの様子がおかしいのだ
いつもの寝床から動かない
表情もどこか苦しそうで見てる方にまでその苦しさが伝わってきた
僕はとても心配になりジンを連れ動物病院までやってきた
その後先生に診てもらうと病気ではなく寿命だと言うことだった
そればかりは先生にもどうしようがない…僕はその事を聞き悲しみの淵に立っていた
病弱な時からずっと一緒で彼との思い出は昨日のように思い出せる
だから僕は彼の最期をしっかり見届けてあげようと思った
身体は弱ってるのにジンは変わらず僕に接してくれる
その行動自体が僕の心を痛めつける
そしてついにその時がきた…
ジンはこの時を持って旅立ったのだ
僕の腕の中で彼は眠りその表情はどこか安心しているようなものだった
いつか来ることは分かっていた……でも、それでもやはり別れは辛いのだ
僕はその場で泣き崩れた…
そしてただ単純に何度も何度もジンに感謝の言葉を送っていた
ありがとう…ありがとう……
そう何度も声に出し彼の最期を迎えたのだ
ジンの遺体は我が家の庭に埋めて僕なりに豪勢なお墓を立ててあげた
忘れる事ないように実家に埋めてあげた
もちろん僕は彼の事を忘れるなんて事はできないけれども…
そして彼の死からまた数年経った
慎太郎
美勇
今の僕には彼女が居る
正直とても幸せである…
だが、彼女にも言えない僕の悩みが一つだけあるのだ
それを言えば彼女を怖がらせてしまうから
だから打ち明けることがなかなか出来ない
それを話せば幸せが崩れると思ってたから
美勇
慎太郎
美勇
慎太郎
美勇
美勇
慎太郎
美勇
美勇
慎太郎
慎太郎
美勇
慎太郎
慎太郎
美勇
美勇と軽く話お風呂に向かう
衣類を洗濯しお風呂場に入り身体を流す
身体を流しながら慎太郎は考える
この事を正直に話した方がいいのか
それともこのまま隠し通せばいいのか
でもいずれ隠してたものはバレると思う…
そう考えたらバレた時の方がきっと彼女は心配してしまうだろう
それなら正直に打ち明けた方がいいだろう
僕はそう考えて頭を洗い流し体を拭き部屋着に着替えて彼女のいる部屋に向かう
美勇
慎太郎
美勇
美勇
慎太郎
美勇
慎太郎
美勇
慎太郎
美勇
慎太郎
美勇
慎太郎
美勇
慎太郎
慎太郎
慎太郎
慎太郎
慎太郎
美勇
美勇
慎太郎
慎太郎
慎太郎
美勇
慎太郎
慎太郎
美勇
美勇
美勇
慎太郎
美勇
慎太郎
そんな話をして美勇の作ったご飯をペロリと平らげてその日は眠った
AM 3:00
どこかから聞える物音により慎太郎は目を覚ます
慎太郎
慎太郎
カチャカチャ……
カチャカチャ……
その音は玄関の方から聞こえてくる
玄関から聞こえてくると分かると慎太郎は恐怖した…
この時間に誰か来ること自体おかしい
美勇は少し前から同棲を始めているので今は僕の隣で寝ている
そしてこのカチャカチャという音
明らかに玄関の鍵を開けようとしている音である事が分かった
だからこそ慎太郎は恐怖したのだ
慎太郎
慎太郎
鍵を開ける音がだんだん激しくなり遂にはカチャリ……と音をたてたのだ
慎太郎
慎太郎
開けようとした扉はそのチェーンにより入る事が出来なくなっていた
だが、そのチェーンを切ろうとする音も聞こえてくる
慎太郎
慎太郎
相手がどんな人かは分からない
だが言えることは何かしら凶器は持っているということだ
この時間にやってくるということはそういう事なのだから
そしてその犯人も分かる
十中八九例のストーカーだろう
今の慎太郎に対抗手段はない
ただ襲われるその時を待つしかないのだ…
恐怖するその時間を耐え続けなければならない
耐え抜いた先はきっと死だろう
恐らく問答無用で慎太郎は殺されるだろうと自分でそう判断していた
チェーンが徐々に削られているのが分かる程その部屋は静けさがあった
他の住民が起きる時間は早くても5時なので後二時間は耐えないといけない
しかしチェーンが二時間も耐えられるはずはない…
刻一刻と死へのタイムリミットは近づいていた
絶望し諦めかけていたその時何処からか犬の鳴き声が聞こえてきた
ワンワン!!
その声にビックリしたのかストーカーと思われる人はチェーンを切るのをやめ
逃亡を測ったのだ僕は急いで玄関に向かいストーカーの正体を暴こうとした
だが既にストーカーの姿は見えなくなっていた
何名かの住人も起きており玄関にいた
なんでも犬の鳴き声で目が覚めその声が家から聞こえたということだった
しかし我が家には犬は飼っていないのでそれを否定した
その後起きてきた何名かの住人に話を聞くと走り去る人の姿を見た人が居て
それを元に警察に連絡をしてどうにかストーカーによる被害を抑えることに成功した
あの時の犬の鳴き声はなんだったのだろうか…
今の僕には知る由もないが、僕の家から犬の鳴き声が聞こえたというならば
それはもしかするとジンのことかもしれない
僕はそう思いその日彼女と共に僕の実家に帰ることにした
慎太郎
美勇
慎太郎
慎太郎
慎太郎
美勇
慎太郎
慎太郎
慎太郎
慎太郎
美勇
美勇
慎太郎
そういい来る途中に買った花をジンの眠る墓の前に添えて2人は家にと入る
添えられた花はベルフラワー…春の暖かな風がベルフラワーを撫でる
そのベルフラワーから1滴…たった一滴雫がこぼれる
それはジンの眠る土に染み渡っていく…
直後何処からか犬の鳴き声が聞こえた気がした…
それはとても柔らかでまるでお礼を告げてるような
そんな声が庭に響いたのだ……
コメント
1件
サムネの花はベルフラワーです 花言葉は【感謝】ですね 物にも動物にも愛は伝わります 居てくれることに感謝してみてください。そうすればきっとよりその子を愛せるはずです