この作品はいかがでしたか?
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どちらの視点で見るかによって感動・ホラーになるように作ってみました 至らぬ点がある場合があるのでそこは大目に見てくださいm(_ _)m
なんか……何とも言い難い感じのお話でした……(´;ω;`)
私には一人想い人がいる
その人は優しくて面白くて
クラスの中心的人物でそして格好いい人だ
私なんかではその人の隣にはいることはできない
それ程までに彼は高嶺の花というものなのだ
だからせめて私は彼のその姿を遠くから見ていたい
1枚の紙にその姿を写していたい
幸運なことに私の席の前に彼が座っている
まずは後ろ姿から描き始めて…
そして徐々に色んな角度から彼を描いていったのだ
先にも話した通り私と彼では差がありすぎる
だから色んな角度から描くことは困難だった
私のようなそこら辺にいるモブのような女なんて彼の目には映らないに等しい
それにモブと同等なら彼に話すことさえないだろう
そうなると彼を色んな角度から描くことは困難であったが
私は考えたのだ。話す機会がないならこっそり彼に気づかれないように描けばいいと
この策にでて私は彼のその姿を様々な視点から描くことに成功した
そしてあろうことか私のようなモブ娘は彼と一緒にいたいと願うようになる
彼のその笑顔をずっと見ていたいと思ってしまったからだ
幾つも彼の姿を描いてきたが1番欲しい視点から描くことは出来なかった
それは正面からの彼の顔だ
私は日数を掛けてキメ細やかに描いていった…
あと少しという所で私に不幸が訪れる
最初は本当の幸運だと思った
だって私のようなモブ娘に彼は声をかけて屋上前の階段に来いと言われたのだ
この展開は私の中ではひとつしか無かった
私はその言葉を聞きウキウキで彼の元に行った
そこに行ったが故にこうなる運命になる事になった……
奏
佳奈
奏
佳奈
奏
佳奈
奏
奏
佳奈
奏
佳奈
佳奈
奏
佳奈
佳奈
奏
奏
無理やりスケッチブックを奪おうとする彼に負けないと私も抵抗する
そしてその抵抗が私の命運を分けたのだ
彼に奪われまいと自分の出せる精一杯の力を使い死守する事に成功した
だが勢いよく彼の手を振りほどた事により私はその場でバランスを崩し
脆くなっていた柵に当たりその柵と共に私は下にと落ちていった
3階…2階…1階……
そして体全体に言葉にできない程の痛みが走り出した
腰はおろか腕も足元折れてそして不運なことに私は頭からいったようだった
私の中で何か切れるような感じがした
全身が熱くなりその後急激に冷え意識が遠くなる
その意識を手放しまいと必死でその意識を保とうとするも愚か…
すぐにそれは無と化してしまい私は意識を手放してしまった…
生前の中の後悔で私は幽霊という形で現世にとどまっている
私が死んで数日後私のお葬式が執り行われた
そこにはクラスメイトの姿も見受けられた
その中に彼が座っているのを私は見た
彼は私の写真を見るなり蹲り震えていた
きっと泣いてくれてるのだろう
後悔してるのだろう
彼は自分が私を殺したと思ってしまっているのだ
あれは不慮の事故なのだ…
だから彼が気に病むことは無い……
それより私は生前の悔いである彼の似顔絵を描けなかった
だが今なら彼の顔を正面から見ても何も言われないし見放題なのだ
私が旅立つ前にこの悔いを晴らすのだ
ずっと手放さなかったあのスケッチブックに彼の似顔絵を描いていく
あと少しのところだったから…
私が絵を描いていると彼が私の遺体の前に立ったのだ
最期に私の顔を見てあげてくださいと私の母は彼にそう告げた
これはチャンスだと思った!
私の隠していた想いを彼に伝える最期のチャンスだと…
急いで彼の似顔絵を描き終え彼が私の顔を覗き込むその時に見せるのだ
つかの間その時はすぐに来た
彼は涙で歪んだ顔で私の顔を覗き込んでいる
彼に私が見えるのか定かではないが
私は自分の描いた彼の似顔絵を見えるようにして
絵の右下に私の想いを一言書いておいた
【好きだよ奏くん】と
スケッチブックを持ち彼の前で私はとびきりの笑顔を彼にみせたのだった
俺はこのクラス…いや、学年でかなりの人気者となっていた
元の性格であるこの明るさと友人を作るスキルを持ち
そして気にしたことは無かったがどうやら俺はイケメンと言われる部類に入るらしい
男女共に人気があるが女子からの人気度は男子の比にならないほどだ
別にモテることに関しては悪い気はしてなかったし俺はただ純粋に
多くの友達に囲まれてるこの現状がとても幸せと感じていた
あんなことが起きるまでは……
女子の中に一人気になる子がいた
それは恋愛対象としてでは無く純粋に気になる子がいたのだ
他の子より1歩引いた距離にいてその手にはスケッチブックを持ち
何かをずっと描いてるのだ
最初は気にしてなかったが時間が経てば経つほど彼女が気になっていった
正確に言えば気になると言うより不気味というのが正しいだろう
彼女の行動はもはやストーカーに位置する
影でコソコソと何かを描き続けて彼女の方を見るとイソイソと隠れる
この事を1人の友人に話すと直接呼び出しその事について聞き出せばいいとの事
回りくどいやり方は俺も嫌いなのでその案を俺は快く受けて
すぐに行動に移した
彼女を屋上前の階段に呼びスケッチブックのことを聞く
奏
佳奈
奏
佳奈
奏
佳奈
奏
奏
佳奈
奏
本当はもっと優しく出るつもりだったが
付けられていた事と自分を見てスケッチブックに何か描かれていたことに対する苛立ちが
ことを荒立ててしまっていた
奏
佳奈
佳奈
奏
佳奈
佳奈
奏
奏
頭で分かっていてもどこからか湧いてくる苛立ちを抑えられず
強硬手段の無理やりスケッチブックを奪うという行動をとってしまう
そしてそれが最悪の自体を招いた
取られまいと彼女は全力で奏から死守した
だが勢いあまりそのまま彼女は脆くなった柵に当たりその柵と共に落ちてしまった
落ちると分かって助けようとしたが間に合う訳もなくそのまま彼女は落ちていく
グチャリ
バギィ…ボキィ…
そんな音を立て彼女は床に叩きつけられた
上からでもわかる……彼女は即死だ
腕足は完全に折れてるか砕けている
証拠として通常ではありえない方向に曲がっているからだ
そして強く打ち付けられたことにより臓器も飛び出していた
彼女の周りは血の池ができて見るも無残なものと化していた
その事態にか奏は俺は悪くない…と自己暗示させていた
この事は事故として扱われこの事件は幕を下ろした
だがこの日から奏は耳元で何かを書く音が聞こえて止まなかったという
そんな状態が数日続き彼女の葬式にと自分達は呼ばれたのだ
式場に来てからは前以上に何かを書く音が大きくなっている
かなり近くで何かを書いているのだろうか
その音が怖くて奏は蹲り小刻みに震える
自分は彼女に呪われたのだ…
無理やり取ろうとしてそのせいで死んでしまったのだ
恨まれるには十分すぎる動議だろう
だとしても…怖かった……
この場にいたくなかった…
いつもより大きく聞こえる何かを書く音…
そんな恐怖してる奏をよそに彼女の母親らしき人から最期に一言娘に…と言われその遺体の前まで案内される
身体は形としては崩れていないのかそれなりの形をとって保たれていた
顔は布を被せられ見ることは出来なかった
どうにかして彼女の顔を見ようと身を乗り出した時
見てはいけないものが彼の眼に映ったのだ
顔の右半分は肉がただれ眼球がギョロりと自分を見つめて
骨がむき出しになった口元がニカァと笑っており
顔の左はそれなりに綺麗ではあったが所々が傷であったり
肉が見えてたりで気持ちの悪いものだった
そんなものが彼女の遺体横からヌッと突如現れたのだ
よく見るとその霊と思わしき何かの手にはあのスケッチブックがあった
そのスケッチブックには自分の正面からの笑顔と下に小さく
【好きだよ奏くん】と……
俺はこの時呪われてる事を悟ったのだった