目を覚ますと、そこは見慣れた自分の部屋だった。
すべてが現実だった。夢のような旅は終わり
現実が静かに戻ってきていた
悠馬
悠馬
悠馬
馬はベッドから起き上がり、ゆっくりとリビングへ向かう
テレビをつけると、画面には穏やかな島の映像
船に乗って島に向かっているアナウンサーが語る
リポーター
リポーター
悠馬
悠馬
しかしノイズは流れない
アナウンサーが島に到着し、住人たちと挨拶を交わす
リポーター
リポーター
画面には、老人と住人、動物たちが映し出される
その顔どこかで見たことがある気がした。
悠馬
悠馬
悠馬
だが、映像の中の島には噴火も化石もなかった
悠馬
悠馬
悠馬
悠馬
あの島で見たすべての出来事。それは
これから起こる未来の記憶
あの災害に巻きまれた人々が悠馬に助けを求めたのだった。
悠馬
悠馬
悠馬
悠馬は立ち上がり、テレビの画面に向かって呟いた
悠馬
悠馬
悠馬
悠馬
悠馬
玄関の扉を開けると、外の空気が頬を撫でた
悠馬は走り出す
あの島へ、あの人々へ
そしてあの犬へ。約束を果たすために
七つの鍵は、ただの記憶ではない
未来を変えるための道しるべ
走りながら、悠馬は思い出す
森の鍵を見つけたときの静けさ
孤独の鍵を手にした岩の上の夜
時間の鍵が現れた日食の神秘
命の鍵が眠っていた洞窟の奥
記憶の鍵を託してくれた少年の笑顔
祈りの鍵が現れた丘の風
絆の鍵を導いてくれた犬の遠吠え
過去の記憶ではなく、未来の約束として。祈りは届いた
だからこそ、今度は悠馬が動く番だった
悠馬
悠馬
悠馬
悠馬
悠馬
その言葉は、空へと響き渡り、未来へと続いていく
テレビの画面の中で、島の住人たちは笑っていた
その風景は、悠馬が守りたい未来そのものだった
あの島に訪れる災害を止めるために
あの人々の命を守るために
あの犬の祈りに応えるために
夢と現実が交差した旅は、終わったわけではなかった。
ここからが本当の始まりだった
――完――







