覚えているのは、
「危ない」と言ってくれた彼と、
私を轢いた赤い車だけ…。
杏里
杏里
…ここは、どこ…?
彼
あっ、杏里(あんり)…!
杏里
…?
杏里
あなた、誰…?
彼
…?!
彼
お、覚えてない?
彼
俺だよ
杏里
…誰?
杏里
(この人には申し訳ないけど、ホントに覚えてないや)
彼
…売店(カフェ)、行く…?
杏里
…うん
病院内のカフェ…にて
杏里
彼
あ、ココア飲むの…?
杏里
うん、
杏里
なんか、安心感があるんだ…。 フフッ
彼
…っ
彼
(杏里…)
彼
ガタッ
杏里
杏里
…ん?
彼
ギュッ
杏里
…っ?!///
杏里
ここ、カフェ、だよ…?
彼
いいんだ…
彼
…なぁ、
杏里
…ん?
彼
杏里は俺のこと、好き?
杏里
大好きだよ!
彼
!
杏里
友達としてねっ!
そう言うと、杏里は手でVサインを作り、“彼”の前へ突き出した。
杏里
(✌🏻 ブイッ)
彼
…ハハッ
彼
…杏里…
彼
“記憶がなくなっても…”
“好きだよ。”
『あたしは記憶喪失。』
杏里
(あんたの恋愛に、記憶喪失なんだよ…)
完
作者