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虚言ノ彼方【終?】

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虚言ノ彼方【終?】

3 - Episode three 【奇形なモノ】

♥

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2020年03月21日

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ミシロ

この斧であのおっきな木を切れるかな…

手に入れた斧をあの巨木を切るために 持っていく… 少女にはその斧は少しばかり重たいようで ふらつきながらも巨木の前まで来た

ミシロ

切れるかな…

少女の精一杯の力をその木にぶつける しかし木はそんな簡単には倒れない

ミシロ

やっぱりダメだ…

ミシロ

この斧はここに刺して他の場所を探索しよう

ミシロ

もしかするとまた使えそうな道具が手に入るかもしれない

ミシロ

今度は右に行ってみようかな…

右に進むと扉が現れた 看板などもないのでただの通路だろう 気にせずその扉を開ける

ミシロ

広いなここ…

ミシロ

この辺は特に何も無いのかな……

ミシロ

あっ…扉だ

ミシロ

何処かの部屋に繋がってないかな……

扉を開けるとその先は 部屋になっていた

ミシロ

ここなら何かあるかもしれない…

ミシロ

用具部屋とは違ってちゃんと人が住める部屋だ

ミシロ

でもとてもじゃないけど人が住んでたとは言えない部屋の荒れようだな…

ミシロ

タンスの中は……

ミシロ

……虫でいっぱい

ミシロ

戸棚とかに何か入ってないかな

ミシロ

これは…マッチ?

ミシロ

こんなの使えるのか分からないけど一応持っておこうかな

ミシロ

あとこの部屋で使えそうなものはないね

そう思い部屋を出る

ミシロ

このマッチ使えるならあの木燃やせるかもしれない…

ミシロ

一応小枝とか集めながら戻ろうかな

そんな考え事をして巨木の場所まで 戻ろうとした時…

ミシロ

なに…あれ

ミシロの視界には奇形な姿のなにかがいた

それは蜘蛛のように手足が幾つもあり ケルベロスのように顔が3つ その顔と手足は人間のものだ

暗くてよくは見えないが 何かを食べているようだ クチャ…クチャ…と気味の悪い 音がミシロの耳に入る

ミシロ

……

ミシロ

どうしよう…

ミシロ

帰るにはこの道しかないのに…

ミシロ

1回さっきの部屋まで戻ろうかな…

気づかれないようゆっくり後ろに下がり 扉の方にと近づく

ジャリ…… ジャリ………

パキッ…………

ミシロ

あっ…枝が……

その音に反応したのか 蜘蛛のようななにかは食べるのをやめて 音のした方にと寄ってくる

ミシロ

に、逃げなきゃ…

ミシロ

見つかればきっと私は…………

最悪のケースを考えてミシロは 後ろの扉まで全速力で走る

逃げるミシロを見た蜘蛛のようななにかは ミシロを獲物と判断して追いかけてくる

身の毛のよだつ気味の悪い声を上げ 逃げるミシロを追いかける

ミシロ

はぁ…はぁ…はぁ……

ミシロ

早く扉まで行かなきゃ…

ミシロ

なのにどうして……

ミシロ

扉までの道が伸びてる気がする…

後ろからはペタペタと音を立て 迫ってくるなにか…

なんとか扉までたどり着きすぐに扉を開け 別の部屋に移動する

扉を閉める時に後ろを振り向くと ソレはすぐそこまで来ていた

そしてその瞬間にそれの姿がはっきり 分かるようになった

皮膚は薄黒くその皮膚はただれていて 目は焦点があっていないようだ

3つの顔は全てそんな感じになっており 違うところといえば顔のパーツだ

左の顔は目がない 真ん中は焦点があっていない 右は片目がずり落ちてる なんとか神経が繋がっているようで 走る度にその目は横に揺れる

手足はやはり人間であった 腐っているのか走る度に皮のようなものが 剥がれ落ちる

そして胴体は肉塊でできている それも幾多の人の身体で…

人の嫌悪感を逆撫でする そんな見た目の奴だった

扉が完全に締め切るその瞬間まで その化け物は私を見ていた

ミシロ

はぁ……

ミシロ

ほんとに……なんなんだろうあれ

ミシロ

うっ……

ミシロ

気持ち悪い……

ミシロ

まだ扉の前に居るみたい…

ミシロ

扉を叩いてるけどあの身体じゃここには来れない

ミシロ

ここはほんとになんて言う場所なんだ……

ミシロ

人魂さんは無の世界と言ってたけど

ミシロ

無の世界ってあんな化け物がいるの……

ミシロ

考えれば考えるほど分からなくなる…

しばらくして音はしなくなった…

ミシロ

もう外に出ても大丈夫…かな?

恐る恐る扉を開ける そこには何も無かった

いや無かったというのは語弊かもしれない 一つだけ先程まで無かったものが今ここに 新たに増えたのだ

ミシロ

し、死体……

先程まで狂ったように扉を叩いていた あの化け物の死体がそこにある

不思議なことにでかい身体は消えており あるのは頭と数本の腕

ミシロ

気、気持ち悪い……

ミシロ

早く行こう……

死体を踏まないように進もうとすると 足になにか絡まった

ミシロ

な、なに…

それはちぎれた腕だった

絡まったでは無く捕まったのだ

ミシロ

いや!

ミシロ

離して!!

抵抗するもその手は離れない むしろ徐々に力が入っていき より足から離れないようになっていく

ミシロ

痛い!!

ミシロ

………

ミシロ

離さないなら……

最初に手に入れた小ぶりなナイフで 掴んできたその腕を引き裂く

ミシロ

離さないのがいけないんだから……

やがて掴んでいた手は離れ力なく落ちた

ミシロ

………

ミシロ

もう行こう……

巨木前に来るまでに小枝を集めて 戻ってきた

ミシロ

これだけあれば燃えるよね

ミシロ

念の為この斧取って

ミシロ

帰りに見かけた朽ちた木を切ってこよう

斧を巨木から引き抜き枯れ木を伐採して 倒した木を持てる分だけ持って帰ってきた

ミシロ

まさかあの斧すぐ壊れちゃうなんて……

ミシロ

でも木は手に入ったからあとはこれを巨木の前に置いて燃やせば…

集めた木々を巨木の前に置いて 火をつける

するとすぐに火は燃え上がり 巨木を燃やしていく

ミシロ

よく燃えるな……

少しして大きなその木は 燃えてなくなり炭と化した

ミシロ

これでこの先に進めるよ…

その先は扉はなく地下へと続く階段が あるだけであった

ミシロ

この先に鏡があるのかな……

〜植物園【地下】〜

ミシロ

特に何も無い…

ミシロ

ただ道が続いてるだけだ

その道を辿るとやはり鏡があった

ミシロ

映るのは私

ミシロ

あとはこれをじっと見れば…

眩い光がミシロを包む

生きてるとは辛いものだ

弱者は辛いものだ……

人は何故集団でしか生きれないのだろう…

人は何故集団になると強気になるのだろう

何故弱者には味方しないのだろう

私はそんな事を日々考えていた

理由は明白この世界に飽きたのだ

集団で痛ぶる奴ら…

それを見て笑うヤツら

見て見ぬふりをする奴もいる

私は何度救いの手を求めてもその声は 届かない…届くことは無い

弱者には味方がいないようだ

だから私は消える事にした…

私に味方する奴がいないなら

私が消えても大丈夫……

だから私はそうした………

鏡芽湖(きょうめこ) ここは私の家の近くにある公園

そこはこの鏡芽湖がめだまらしい

有名な湖らしい…

自殺の名所として……

この前もここで死体が出たとニュースが やっていた

何故ここでみんな死ぬのかは分からない

私は近場だからここにしただけである

こんなふうに考えていても仕方ない

そろそろ私もいくとしよう…

男子高校生

ねぇ君?

ミシロ

男子高校生

そんな湖の方に近いと危ないよ

男子高校生

それとも君もここで死のうとか考えてたりしたの?

ミシロ

……別に

男子高校生

ならさこの辺で僕絵を描いてもいいかな?

ミシロ

私に許可を取る必要はなくない?

男子高校生

いや君もここで死のうとか思ってるなら場所変えようかと考えてただけ

ミシロ

止めるとかはしないんだ…

男子高校生

もちろん止めるけどそれでもそう思うのなら止めても無駄だし

ミシロ

考え方が常人とは違うんだね

男子高校生

よく言われる

男子高校生

君は変わってるねって

男子高校生

別に気にしてないけどね

ミシロ

……私もそうであったならな

男子高校生

どうしたの?

ミシロ

なんでもない…

男子高校生

とにかくここで描いていんだよね?

ミシロ

勝手にして…

男子高校生

ありがとう

男子高校生

1人で描くのは寂しくてね

男子高校生

君が良ければ話し相手になってくれないかな?

ミシロ

新手のナンパのつもり?

男子高校生

そんなつもりは一切ないよ

男子高校生

まぁそうやって捉えられたなら仕方ないか

男子高校生

一応名前は言っとくよ

男子高校生

僕は【色森 彩葉】(しきもり いろは)

ミシロ

女の子みたいな名前なんだね

男子高校生

僕は気に入ってるんだ

ミシロ

へぇ〜

男子高校生

君の名前は?

ミシロ

教えるわけないでしょ…

男子高校生

ははっ!だよね〜

ミシロ

やっぱりナンパなんでしょ?

男子高校生

ほんとに違うって

ミシロ

ふ〜ん…

ミシロ

ちなみに今何書いてるの?

男子高校生

風景画だよ

男子高校生

この湖とそこに立ってる君を描いてる

ミシロ

許可なく人を描くなんてね

ミシロ

デリカシーってものがないのね

男子高校生

芸術家はみんなそうだよ

男子高校生

少なくとも僕はそう思ってる

男子高校生

芸術家はみんな他の人とは考え方が違うみたいでね

男子高校生

だから芸術ってあんまり理解されないんだと思う

ミシロ

あっそ…

男子高校生

まぁ勝手に描いたことは謝るよ

ミシロ

出来上がったら見してよね

男子高校生

出来上がったらね

ミシロ

…………

ミシロ

後は死ぬだけ…

ミシロ

この記憶は一体なんなんだろう

ミシロ

死ねばしっかり思い出すかな……

ミシロ

彩葉は集中してるし今なら…

ミシロ

ここから少し離れたところであの湖に入れば…

ミシロはさりげなく離れて 湖の近くまで行きそこで身投げした

苦しい………暗い………

息ができない……

こうやってじわじわ痛ぶるのか……

苦しみだけが頭を支配してる……

気が付くとミシロは鏡の前に立っていた

鏡は音を立て砕けた

ミシロ

私はあの時死のうとした

ミシロ

でもそれを止めたのはあの人

ミシロ

彩葉って人だ…

ミシロ

あの人の事忘れちゃ行けない気がする

ミシロ

なにか私にとって大切な人だったような…

ミシロ

とりあえず大広間に戻ってみよう

虚言ノ彼方【終?】

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