北高ー!!
県代取るぞーー!
ダンッ
オォーーーー!!!!
(残り8分…)
(これで私の青春は終わりを告げるかもしれない)
(中学生時代から続けてきたこの6年間…)
(今まさに終止符がうたれようとしている)
(県代表を取れなかったら私は…)
ナレーションの人
私達北高校吹奏楽部は部員が少ない中、1音入魂という目標をかかげ日々努力してきました。
ナレーションの人
42番北高校吹奏楽部
ナレーションの人
演奏しますは_________です
(ううん。)
(考えるのはよそう)
(今を精一杯私は頑張るだけだ)
(8分はあっという間に終わってしまった)
(吹き終え泣いている人や自分を責めている人…)
(この子を運び終えればもう吹けなくなる…)
終わりたくないな…
重くて大変なはずなのに…
《最後》
と言う言葉だけで名残惜しくなった
運んでいる時には気づかなかったけど
暗くなった空はとても綺麗だった
いよいよ結果発表となった
次々と《ゴールド金賞》と聞こえてくる
審査委員長
42番北高校銀賞
ぁあ…
私の青春には終止符がうたれた
(銀か…)
(絶対にとれると思ってたんだけどな…)
(ダメ金でもよかったからほしかった…)
ゴールド金賞の人達のことがうらめしく思えてきて
こんな私が嫌になった
バスまでの道のりがやけに遠く感じて
見上げても見えてしまう夜空はやけに綺麗で
知らないうちに私も泣き出していた
今思い出しても泣けてくる…
でも、私は強くなれた
悔しさをばねに頑張れるようになった
もう悔しくて泣くのは嫌だから