TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

市川慶一郎

……

目が覚めると、病室のような部屋のベッドに寝ていた。

市川慶一郎

…ん…

起き上がろうとしたが、重力の重みで起き上がれなかった。

ぼやぼやとした視界で辺りを見渡したが、誰もいなかった。

再び、俺は眠りについた。

次に目が覚めた頃には、先程より寝心地の良いベッドに横になっていた。

市川慶一郎

あれ…

辺りを見渡すと、俺の部屋だった。

視界も鮮明に見えてきた。

そこには、見慣れた身体が座っていた。

双葉小太郎

……

市川慶一郎

小太郎…?

先程より軽くなった身体を起こし、小太郎らしき人物に声を掛けた。

暗くてよく見えないが、多分そうだ。

双葉小太郎

……

返事がない。

市川慶一郎

おーい

市川慶一郎

…?

もう少し近づけて見てみると、小太郎はすやすやと眠りについていた。

市川慶一郎

…ねてる

座っているように見えたが、俺のベッドに横たわっていた。

市川慶一郎

…はぁ

まだくらくらする。

きっと酸欠だな。

部屋まで運んできてくれた人は誰だろう?

マネージャーとかかな。

双葉小太郎

……

双葉小太郎

あ、おきたあ?

少しすると、小太郎が目を覚ました。

眠そうな声。

双葉小太郎

ごめん、俺も寝てたわ

市川慶一郎

ごめん、俺の方こそ

市川慶一郎

多分酸欠かな…

市川慶一郎

…ほんと何やってんだろ

双葉小太郎

…みんな心配してたよ?

市川慶一郎

…うん、そうだよね

市川慶一郎

はあ…

双葉小太郎

でも、一生懸命やってるからいいんじゃん?

市川慶一郎

……

市川慶一郎

ありがとう

この前風邪引いたばっかりなのに、また身体壊して、迷惑かけてばっかだ。

メンバーからもきっと迷惑がられてるだろうな…

双葉小太郎

あのさ

市川慶一郎

ん?

双葉小太郎

俺が何でここに居るかっていうと

双葉小太郎

昨日のこと…

双葉小太郎

やっぱり聞きたくて

市川慶一郎

あ…それは

双葉小太郎

もちろん、どうしても無理なら言わなくていい

双葉小太郎

だけど、なんで…ハグ…したのかだけ教えてくれる?

市川慶一郎

……

確かに今考えたら何でだろう。

小太郎への気持ちが強くなってしまって

ついやってしまったという感じだった。

やっぱり好きだからなのかな。

もう少しだけ我慢しようと思ってたけど、やっぱり言ってしまおうか。

市川慶一郎

俺は…

でも、

やっぱり言えないよ。

俺は清春みたいにはっきり気持ちを伝えることなんて出来ない。

頭では今言わないと後悔すると言っているのに、声に出すことが出来ない。

だけど…

市川慶一郎

……

今言わなかったら絶対後悔する。

せめて俺の気持ちだけでも伝えよう。

よし、そうしよう。

よく考えた結果、やっぱり伝えることにした。

双葉小太郎

俺は…?

市川慶一郎

俺は

市川慶一郎

小太郎の事が好き

双葉小太郎

……

暗くてよく分からないけど、小太郎は多分驚いた顔をしている。

市川慶一郎

結構前から好きで

市川慶一郎

……

市川慶一郎

大好きで…

市川慶一郎

清春のこと、嫌いになりかけてる自分もいたりして…

いつの間にか、目から涙が出ていた。

市川慶一郎

清春は何も悪くないのにイラついちゃったりして…

市川慶一郎

もうどうしたらいいのか分からなくて…

市川慶一郎

小太郎に対する気持ちが強くなっちゃって…

市川慶一郎

ハグ…した…っ

変な言葉使いになったかもしれないけど、自分の言える思いは伝えた。

何故か手が震えた。

メンバーにこんなに想いを寄せることなんてないと思っていた。

なのに、こんなに一生懸命になっている自分がいることに、震えていた。

双葉小太郎

……

双葉小太郎

市川君?

市川慶一郎

…っ?

双葉小太郎

泣いてるの?

市川慶一郎

…泣いてない…っよ?

双葉小太郎

嘘だ

市川慶一郎

…うん

市川慶一郎

泣いてる

双葉小太郎

…それは、俺が原因…だよね?

市川慶一郎

…うん、まあ

小太郎の事を好きと言ったことに、最初は驚いていたが、

今はいつもの小太郎に戻っている。

きっと、ハグをした日から、なんとなく予想はしていたのだろう。

双葉小太郎

そっか…

双葉小太郎

……どうしよっか笑

市川慶一郎

うん…

微妙な空気が流れた。

やっぱ、言わない方が良かったかな。

市川慶一郎

……

双葉小太郎

……

市川慶一郎

嘘だよ!

双葉小太郎

え?

市川慶一郎

小太郎のことなんか好きになんねーよ!!笑

双葉小太郎

え、ドッキリってこと?!

市川慶一郎

うん!ドッキリ!笑

後悔した俺は、プライベートドッキリをしたことにした。

双葉小太郎

よかったあ笑

双葉小太郎

安心したわ

双葉小太郎

まじでどうしよって思ったし笑

市川慶一郎

……

良かった、安心したって…

やっぱり俺に好かれても困るよな…

小太郎は俺の事、ただのメンバーの1人としか思ってないんだもんな。

俺がプライベートドッキリと言わなかったら、きっと良くない関係になっただろう。

小太郎の安心した反応を見て…。

だから、良かったよ。

でも、小太郎の反応は今の俺には辛かった。

素直な気持ち【9bic】

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

12

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚