繋がる記憶

コネシマさんに助けられてから一ヶ月が経った あれから暇なときだけ生徒会室に行っている 生徒会役員とは仲良くなり、愛称で呼ばせてもらっている

ゾムさん、コネさん、シャオさんは内ゲバ中のようだ それに気付いたトントンさんが三人を静粛する

皆が「久し振り」と言っているのは 前回私が此処に来たのが4週間程前だったからだ 今まで勉強や部活で行けていなかったのだ

トントンさんの書類を手伝いながら ぴくとと雑談をする 目的の量は達したので家に帰った

トントンさんの書類を手伝っていたら もう既に夜になっていた 早足になりながら急いで家に帰る

急いで家に向かおうとすれば 右手側に眩しい光が見えた 好奇心が勝ってしまい、その光に近づいたとき もう意識はなかった

ぴくとはうすside

トントンさんに声を掛け、家に向かう

いつもの帰り道に少し違和感を覚える しかし家で葵が待っているので気にせず家に向かった

いつも聞こえる声が聞こえない 声だけじゃない 物音さえも聞こえない 聞こえるのは猫の鳴き声だけ

靴もない 一応家の中を探し回るが見つからない LINEは既読が着かないし 電話は一向に出てこない 不安になって家を飛び出し辺りの捜索に向かった

かれこれ一時間以上探している 葵の声すら聞こえない

電話が掛かってきたので急いで電話に出る

コネシマside

先程帰ったはずの兄貴から電話が掛かってきた 俺はゾム達と内ゲバしよって気付かんかったけど トントンが気付いて教えてくれた

急いで兄貴に電話を掛け直す

俺が思っていた以上に大問題のようだ すぐに電話に出れなくて申し訳無く思う

電話を切り、トントン達に先程の内容を教え 葵の捜索を手伝ってもらうよう頼んだ トントン達は2つ返事で答えてくれたため すぐに捜索に向かった

ぴくとはうすside

葵を捜索し始めてから３時間近く経った もう12時は過ぎ、深夜に突入している 今はコネシマさん達と合流してい情報共有をしている

歯を食いしばって返事をする 今はもう深夜だ 流石にもう付き合ってもらう訳にはいかない

踵を返し、その場を走って去る 後ろでコネシマさん達が何か言っていたが 今の俺にそんなのに構う余裕はなかった

もう少しだけでも余裕を持てば良かったのだろうか？ 目の前の赤信号に気付かなかった 気付いた時にはもう遅く、トラックに轢かれる寸前だった

キキー！っという音がやけに大きく聞こえた 体に強い衝撃が走る 今までの葵や皆との記憶が走馬灯のように流れてきた 今夜はいつも以上に満月が綺麗だ

最期ぐらい笑いたかったけど今までの謝罪を込めて… 光り輝く満月に手を伸ばし コネシマさん達の声をBGMに俺は意識を手放した

天落記を見給え