土曜日
今日はとうとう、 僕が髪を染めに行く日
だけど……
真夏
真冬.
真夏
真冬.
うちの玄関で、姉さんとの プチ争いをしていた
真冬.
それに、ここから外に出たら、 もう後戻りできない気がして……!
相川母
相川母
真冬.
真夏
真冬.
相川母
うぅ……さよなら、黒髪の僕……
……そして、月曜日の朝
僕の髪は姉さんと同じ真っ白に なってて、なぜか、この休日で コンタクトも作らされた
姉さん曰く、
「高校デビューするなら、もっと 思いっきりやらなきゃ!」
……とのこと
真冬
あ、それと、コンタクトを作る前に、 こんなことも言われた
「メガネもいいけど、真冬はやっぱり かっこいいし、顔を隠すのは もったいないよ!」
これについてはちょっとよく 分からないけど、姉の権限が 発動して、結果作ることに
昨日試しにつけてちょっと慣れは したけど、やっぱりまだ少し怖い……
真夏
真冬
学校に行く準備をしてると、 姉さんが部屋に入ってきた
真冬
……あと一応、今まで使ってた 青縁のメガネも、ケースに 仕舞って鞄に入れた
これ、気に入ってたんだけどなぁ……
真冬
真夏
ガチャッ
翔太
棗
真夏
僕らが家を出たタイミングで、 天ちゃんと96ちゃんも出てくる
真冬
僕も、恐る恐る挨拶を返す
……と、こちらを向いた天ちゃんと 96ちゃんが、揃って目を丸くした
翔太
天ちゃん、それ合ってるけど、 なんかちょっと違う……!
棗
真夏
自信満々に、2人に自慢した姉さん
棗
真冬
翔太
正解、なのかな……?
真夏
翔太
棗
真冬
棗
真冬
分かるような、分からない ような……いや、やっぱり その理論分からない……
真夏
みんなで学校へ向かい始めて、 少し歩いたところで、見覚えのある 後ろ姿を見つけた
棗
学校の外だからか、 96ちゃんが伸び伸びと呼んだ
彼方
すると、こちらを振り返って 真っ先にそう言った彼方先輩
彼方
その直後、僕の方に気づいて、 眠たそうな目を少し見開いたまま、 固まってしまった
真冬
彼方
そのまま、無言の時間が少し続く
真冬
どうにか空気を変えようと思って、 こんな質問をしてみる
彼方
真冬
ボソリと言われたせいで、 上手く聞き取れない
彼方
真冬
そのまま、早足で先に 行ってしまった先輩
ど、どうしよう、 朝から怒らせちゃった?
真冬
真冬
段々と、顔に熱が 集まってくるのを感じる
真夏
真冬
もっと、いつものノリで茶化されたり するんじゃないかと思ってたけど……
真冬
姉さん達にも言われたけど、好きな人 に言われるのは、やっぱり1番嬉しい
ちょっとだけ、やって よかったって思えたかも