コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
流星side
母
大吾
母
大吾
両親は結婚記念日ということでこれから旅行に行く。
中3になって僕は無事に受験に合格した。 兄ちゃんは僕が合格するより前に大学に合格していたし、 兄ちゃんは昔からなんでも出来て頼れるからお母さん達も 安心して僕を任せて行ったんや。
この扉が閉まったらここはもう2人だけの時間。
目が合って吸い寄せられるようにキスをした。
流星
大吾
流星
ガチャッ
母
流星
大吾
この日僕たちの関係はバレて離れ離れになってしまった。
両親は台風の影響で飛行機が飛ばず引き返して来たんだとか。 台風なんか来なければ僕は今でも兄ちゃんと一緒にいられたのに。
兄ちゃんは勘当されて家を追い出された。受かってた大学も 進学することを許されず、この代わりに大学の入学金に なるはずだったお金でアパートだけ両親が用意してくれて それを最後に縁を切られた。
僕は中学生で経済力もないので変わらず両親の元で暮らしている。 両親のことは死ぬほど憎いがどうすることも出来ないのが現実。
僕も受かってた高校には進学せず、自分で決めた 通信制の高校に入った。両親と顔を合わせたくなくて あれから3年経った今も必要最低限部屋から出ず 引きこもっている。
コンコン
母
流星
何を言ってんだか。思わず笑ってしまった。
流星
家中に取り付けられたカメラ。
僕が何をしてるかなんてこっちが言わなくたって分かるくせに。
母
母は言い返すことも無く家を出て行った。
前に1度、深夜にコンビニに出かけたことがあって、その時に 僕が居なくなったって母が大騒ぎして警察沙汰にまで なってしまったことがある。
僕が兄ちゃんのとこへ行ったと思ったのか知らないけど ホンマにいい迷惑やし、そのせいでスマホにGPSまで付けられた。
なんか思い返してたらフツフツと怒りが込み上がってきた。
ふと窓の外を見ると雪が降っていた。 ほとんど雪なんて降らない地域の珍しい積雪。
この時の自分が何を考えていたかは分からない。 厚着してスマホは持たずに1000円札だけ握りしめて外へ出た。