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流星side

とにかく遠くへ行きたかった。

今持っている1000円札で行ける1番遠い駅の切符を買って 電車に乗った。

別に兄ちゃんに会いに行こうとかそういうこと考えてる 訳ではない。そもそも会いに行けないし。

両親が兄ちゃんに与えたアパートは1年も経たないうちに 解約されていたらしい。連絡先も分からないし 唯一の手掛かりだった住所も今は使い物にならない。 兄ちゃんには会いたくてももう会えないんや。

ただ少しでもあの家から逃げたかった。

終点に到着した電車を降りて宛もなく歩き、たまたま通りかかった 公園に目をやると屋根のあるところにベンチのような 椅子があった。

あそこなら雪を凌ぎながら雪を眺められると思い、 切符を買った時に残った僅かなお釣りで暖かい飲み物を買い、 そこに座った。

肌を刺すような寒さが今の僕にはちょうど良かった。

「兄ちゃん早く!」

「そんな走ったら転ぶでー?」

「雪ー!ふわふわだあ!」

小学生くらいの子供とその兄。 多分僕の兄ちゃんと同い年くらいかな...

楽しそうに遊ぶ2人をただ何もせずに見つめていた。

「うわっ!」

「謙杜!」

弟が転けてお兄さんの方が慌てて助けに来た。 こちらに向かって走ってきた兄の顔を見て脳みそに稲妻が 落ちてきたような衝撃を受けた。

流星

大ちゃん...?

なんで大ちゃんがこんなとこおるん?

「だから走るなって言うたやんか」

「でも雪ふわふわだから痛くなかった! 兄ちゃんも飛び込んでみて!」

「やだよ、寒いし」

兄ちゃんって何?大ちゃんの弟は僕だけや。

動揺しながらも身体は勝手に彼の方へと動いていた。

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