これが
「絶望」
というものなんだろうか…
何もできない自分に怒り、状況に悲しみ、彼を憎み
そして、過ぎていく時間に虚無感を感じる。
ドン、トン、ドンッ…トン…
もはや痛みさえも感じず、壊れた玩具の様にひたすらにうち続けていた。
そして涙も枯れ果てた頃…
ガチャ
朔
…何してるの?
彼の帰ってきた音にも気付かなかった…
朔
大人しくしていてねって言ったのに…
彼は私を椅子ごと抱え起こし、口元のタオルを外した。
そして見えない顔を確かめるように私の顔を覗きこむ
朔
あれ…泣いていたの?
とあの冷たい手で私の涙の跡を辿った。
彼はとても心配そうな顔をしていた。
朔
可哀想そうに…
私
……っ!!
私はその他人事のような言葉にふと我に返る。
(あなたのせいでこんな事になってるんだよ!)
(あなたが私の可愛いあの子を殺し、私から自由も何もかも奪いとったんじゃない!!)
朔
あのね、これから長い時間を君と過ごし行くと思うんだ…
(お母さんはどうなったの!長い時間なにをしてたの!?)
朔
だから君に少しでもくつろげる環境にしたいと思っている。
(これから私はどうなっていくの!!殺すの?殺さないの!!!)
怒りと共に今までのことが一気に頭の中を巡った。
朔
僕は君に僕を受けいれ…
私
お母さんはどうしたの!!!
恐怖を一掃し、私は怒りのままに言葉を放つ。
私
なんでこんな事するの!!
私
私を離して!出して!!解放して!!
私
あの子を返してよ!!この殺人鬼!!
私
お母さんはどうしたの!
私
答えなさいよ!!!!
朔
……
朔
…っる…ぃ
朔
うっるさいなぁぁぁあー!!!!!
彼は力のままに私を椅子ごと蹴り飛ばした。
ドンッッ!!
椅子が思い切り倒れこみ、私は壁に激しく頭を打つ。
朔
どうして文句ばっかり言うんだ!!
朔
どいつもこいつも!!
朔
頭の弱い虫ケラばかり!!!
彼は私に覆い被さり激しく殴りつけた。
朔
君が僕のいう事を聞けば殺さずにいてあげるっていうのに!
朔
なんでどいつもこいつも話を聞こうとしない!?
朔
黙れ黙れ!!!しね!しね!!しね!!
激しく何度も何度も打ち続ける
何度も、何度も、何度も…
私
っあっ。っかは。
私は口の中を切り、血を流しながら
朦朧としていった。
「殺される、殺される」
死を間近でみた様な気持ちだった。
このまま死…ぬの
と思った瞬間…
私は思わず失禁してしまった…。
朔
……。
朔
、ふっふふ…
彼が我に返ったように私を殴る手を止める。
そしてスクッと立ち上がり
朔
…あの時の犬みたいだぁ…
とニヤリと笑った。
…つづく






