これが
「絶望」
というものなんだろうか…
何もできない自分に怒り、状況に悲しみ、彼を憎み
そして、過ぎていく時間に虚無感を感じる。
ドン、トン、ドンッ…トン…
もはや痛みさえも感じず、壊れた玩具の様にひたすらにうち続けていた。
そして涙も枯れ果てた頃…
ガチャ
朔
彼の帰ってきた音にも気付かなかった…
朔
彼は私を椅子ごと抱え起こし、口元のタオルを外した。
そして見えない顔を確かめるように私の顔を覗きこむ
朔
とあの冷たい手で私の涙の跡を辿った。
彼はとても心配そうな顔をしていた。
朔
私
私はその他人事のような言葉にふと我に返る。
(あなたのせいでこんな事になってるんだよ!)
(あなたが私の可愛いあの子を殺し、私から自由も何もかも奪いとったんじゃない!!)
朔
(お母さんはどうなったの!長い時間なにをしてたの!?)
朔
(これから私はどうなっていくの!!殺すの?殺さないの!!!)
怒りと共に今までのことが一気に頭の中を巡った。
朔
私
恐怖を一掃し、私は怒りのままに言葉を放つ。
私
私
私
私
私
朔
朔
朔
彼は力のままに私を椅子ごと蹴り飛ばした。
ドンッッ!!
椅子が思い切り倒れこみ、私は壁に激しく頭を打つ。
朔
朔
朔
彼は私に覆い被さり激しく殴りつけた。
朔
朔
朔
激しく何度も何度も打ち続ける
何度も、何度も、何度も…
私
私は口の中を切り、血を流しながら
朦朧としていった。
「殺される、殺される」
死を間近でみた様な気持ちだった。
このまま死…ぬの
と思った瞬間…
私は思わず失禁してしまった…。
朔
朔
彼が我に返ったように私を殴る手を止める。
そしてスクッと立ち上がり
朔
とニヤリと笑った。
…つづく
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