血祭り血祭り楽しいな

渡された小綺麗な名刺には 整ったゴシック体で会社名と部署

電話番号と会社の郵便番号 そして

森山かずと と記されている

次に渡された名刺は所々折り目があり

ただ崎川たつきと記されている

ざわり、と空気が揺れた

この店にいる人間全てが 耳をすましている

この人は恐らく 知りすぎているのだろう

たつきがにやりと笑う

その笑みは殺人鬼にも負けない 冷たい笑みだった

部屋はシンプルであまり生活感がなく

ふかふかのソファは革でできていて やや高級感がある

特にない、とはどういうことだろう

この子は普通というものが分からないのだろうか？

普通が分からないということはなさそうだ

しかし、町の外の友達が二人ともこの町の出身というのが少しひっかかる

今回の取材では有益な情報は 得られなかったが

次の取材できっと特ダネを 掴んでみせる

そう思って立ち上がった瞬間

視界が暗転した

ぱかっとわれた

おれのあたまから

ひきずりだされて

ああ

あああ

ああああああああああああああ