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雪音の隠し事

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雪音の隠し事

5 - バリケード、現る

2025年09月24日

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ある日、斗真はいつも通り雪音と学校に向かっていた。

陣内斗真

慣れたか…?俺と一緒に住むこと…

内田雪音

うん…なんか懐かしいねぇ〜…私たち、よくお泊まりしてたよね。

陣内斗真

保育園の頃、よくお泊まりとかしてたっけか俺ら。

2人は幼稚園の頃の思い出話にふけっていた。

通学路の道中にある公園の近くの交差点、ここで斗真と雪音はある人物に出会う。

酒井九頭真

おや…陣内じゃねぇか。

陣内斗真

……!?

斗真の息が僅かに荒くなる。

内田雪音

と…斗真…くん?

陣内斗真

さ…酒…井…ハァハァハァ……

内田雪音

斗真くん…しっかりして…!

酒井九頭真

やっぱお前は落ちこぼれなんだな!ここら辺じゃ最底辺クラスの高校に通ってよぉ!ってかお前何女なんて連れてんだよ。生意気なんだよ!

酒井は雪音の手首をガシッと掴んだ。

陣内斗真

ゆ…雪音……!!

酒井九頭真

雪音だぁ?お前もしかして内田なのか!?10年ですっげぇエロい体になったなぁ……

内田雪音

や…やめ…て……!!

九頭真は雪音の胸に手を出そうとした。

陣内斗真

酒井…ぃぃぃぃぃぃぃ……!!

斗真は九頭真に右ストレートをかました。

ゴシャアッっという鈍い音が響き渡った。

酒井九頭真

お前…鼻折りやがっ……

陣内斗真

雪音は…俺の…だ……こいつに手を出そうとするやつは……誰…ひと…ウッ……

斗真は倒れた。

内田雪音

と…斗真くん……!

酒井九頭真

ちっ、つまんねぇやつだな

九頭真は1人去っていった。

陣内斗真

はぁ……はぁ……

斗真の呼吸はまだ荒い

内田雪音

ど…どうしよう…

雪音は慌てふためく。

内田雪音

ご…ごめんね…

雪音はこれしかないと思い立ち、斗真の唇に自分の唇を重ねた。

陣内斗真

ぷはっ…

内田雪音

よ…良かった…

陣内斗真

何があったんだ……

内田雪音

酒井くんの前で倒れたんだよ…

陣内斗真

そう…か…とりあえず学校行くぞ…

内田雪音

う…うん…わたし…支えるよ…

陣内斗真

あ…ありがとうな…

斗真は無理やり体を起こして学校へと急いだ。

大鷲大和

およ、珍しいな、夫婦が遅刻だなんて。

陣内斗真

だから夫婦じゃねぇって…

内田雪音

すみません…遅れてしまって…って先生まだ来てなかった…良かったぁ……

中山優奈

雪音!大丈夫!?

陣内斗真

うぐっ

中山優奈が斗真をおしのけて真っ先に雪音の心配をする。押しのけられた斗真はまだ体に力が戻りきっていない状態だったためその場に倒れた。

内田雪音

と…斗真くん…大丈夫?

中山優奈

なんでそんな男の心配してんのよ!

内田雪音

そんな事言わないであげて…!斗真くんは…

中山優奈

私からしたら雪音の周りにいる男は全員ゴミカス以下のクソ野郎なの!それはいくらうちのクラスでまともな男子の陣内もそうだよ!

真田昌幸

なんかさ、俺ら変態みたいな扱いされてね?

悪崎

なんか心外だよな…

陣内斗真

なんと理不尽な…

優奈の男卑的な発言はクラスの男子を唖然とさせた。

真田昌幸

斗真…心中お察しするぜ…遅れた理由はきっと…雪音になにか〇〇〇(自主規制)なことしてたからだろ?

中山優奈

は?それどういうこと?

陣内斗真

いや俺なんもやってねぇって。

中山優奈

陣内!お前雪音に何かエロいことしたの!?

陣内斗真

だから俺はなんもやってねぇって。登校中に俺が倒れたからそれで遅れちまっただけなんだって。

中山優奈

嘘でしょ!

陣内斗真

いやほんとだって…

陣内斗真

(まずい…めまいがする…)

斗真の声が徐々に弱っていく。

内田雪音

ね…ねぇ…優奈ちゃん。

中山優奈

何?

内田雪音

斗真くんが言ってたことは…ホントだよ…?

中山優奈

雪音…あんたまさかこのカスに何か脅されてる?

内田雪音

いや…ほんとだよ…斗真くんは今日一日体調が悪くて…そして登校中に倒れたの…だから…斗真くんの言ってることはホントだよ…

中山優奈

雪音が言うなら…いいけど…私は許したわけじゃないからね!陣内!

陣内斗真

そうですか。

内田雪音

ごめんね斗真くん…

陣内斗真

いや…気にするな…

弱った声で斗真が会話をする。

内田雪音

ねぇ斗真くん…酒井くんのこと…まだ脳内によぎってる?

陣内斗真

……

内田雪音

と…斗真くん…?

斗真は再び気を失った。

安斎薫

おはようございま〜…す…陣内くん?どうしたの?

内田雪音

先生…斗真くん気を失ってるので…保健室に連れて行ってもいいですか?

安斎薫

何があったのかは知りませんけど…生徒の体調が最優先ですから、いいですよ。

内田雪音

ありがとうございます…!

雪音は斗真の体を支えて保健室へ向かった。

中山優奈

なんで雪音はあんな男に優しくしてんのよ…

安斎薫

中山さん?どうしました?

中山優奈

いえ…なんにもないです。

陣内斗真

んっ…んん…

気がつくと、斗真は保健室のベッドの上にいた。

内田雪音

気がついた…良かった…!

陣内斗真

なんだったんだ…あのピンク髪…今でも耳がキーンってなってんだけど…

内田雪音

優奈ちゃん…あんまり男の人が好きじゃなくて…

陣内斗真

過去になんかあったクチか…

内田雪音

分からない…私も話すようになったのは中三の頃からだから…

陣内斗真

まぁ…あいつが俺とお前が仲良くしてるのが嫌なら…距離取るか?

内田雪音

……だ

陣内斗真

え?

内田雪音

それは…嫌だ……

雪音は斗真が寝ているベッドの上に馬乗りになった。

陣内斗真

ちょ、ここ…保健室のベッド…

内田雪音

私…斗真くんといつまでも一緒にいたい…距離を空けたくない…!

雪音は無理やり斗真の手を掴み自分の胸に持っていく。

陣内斗真

お…おい…

ムニュッ

内田雪音

んっ...///

内田雪音

つ…伝わるでしょ…?私の…胸の高鳴りが…

雪音の豊満に実った胸から鼓動を早く打つ心臓の音が聞こえてくる。

陣内斗真

ちょ…そろそろ手を離せって…!

内田雪音

いや…!

雪音はそういい、斗真の手をもっと自分の胸に沈めた。

陣内斗真

やめろって…!

内田雪音

んんっ...///

陣内斗真

わかったわかった!お前と距離を取ろうって言った俺が悪かった!悪かったから手を離してくれ!

斗真がそう説得すると雪音は自分の手を離した。

内田雪音

はぁ…はぁ…

陣内斗真

とりあえず…教室戻るか。

内田雪音

う…うん…///

2人は教室に戻った。

安斎薫

えー、ではこの問題を…あ、内田さん、陣内さん、授業が始まってますので早く席に着いてくださいね。

内田雪音

は…はい…///

陣内斗真

はい…

雪音と斗真はそれぞれ席に着いた。まぁ隣同士な訳だが。

昼休み、斗真は男性陣の質問攻めにあっていた。

大鷲大和

で、なんで教室に戻るのが遅れたんだよ!

陣内斗真

答えさせんなって…どっからか雷が落ちてきそうだし。

真田昌幸

んな事言うなよォ!まさか漫画みたいにエロいことでもしたのか!?

中山優奈

は?

陣内斗真

いや俺はなんもやってない。どちらかというとやられた側だ。

内田雪音

……////

内田雪音

と…斗真くん…

陣内斗真

ん?

内田雪音

ここじゃご飯食べれないから…中庭で食べよ?

陣内斗真

あ、あぁ…

中山優奈

雪音〜!

内田雪音

ゆ…優奈ちゃん…

中山優奈

そんなモテなさそうな男と食べないで私と食べよ〜よ〜

内田雪音

ちょっと…

陣内斗真

いいよ俺は。1人で食うし。

内田雪音

と…斗真…くん……

雪音は見て分かるレベルで落ち込んだ。

立花杏

中山さんわかってないよねぇ〜陣内くんのかっこよさを…

佐原莉子

ね〜

中山優奈

は?みんなあいつの味方すんの?

立花杏

陣内くん、すごい気が利くんだよ?落し物したらその人の机に小さな紙に「落としただろ?」って書いてそれを添えて落し物置いてたり

佐原莉子

日直でもない日に花瓶の水を替えてたり、教室の整理整頓とか掃除をしたりしてるね。

雪原凛

男女関係なしに体調が悪そうに見える子を助けてあげたりもしてるね。

本居杏子

私も…実は陣内くんに助けて貰ってから…ずっと陣内くん一筋なの…

切上蓮

え!?嘘だろ!?本居さん斗真に惚れてたの!?でも斗真のやつすごい気が利くし顔もいいからモテるし…なんとも言えないのが悲しいぜ……

丸山龍司

まぁその…なんだ。強く生きろよ。

今この場で片想いが終わった人が一人生まれた。

内田雪音

( ⸝⸝⸝⩌⤚⩌*)ムゥ…

中山優奈

なんなのよもう……

優奈はたじろいだ。そして机にあたり姿勢を崩したが、斗真が間一髪で助けた。

陣内斗真

…ぶねぇ…

中山優奈

な…何よ!離してよ!

陣内斗真

いやんな事言われても。それに俺はなんも雪音にやましいことはしてないし、俺と雪音は幼なじみなんだ。だから俺たちの関係についてあれこれ言われる筋合いはない。

中山優奈

…………

中山優奈

悪かったわ…雪音!

内田雪音

ん…?

中山優奈

あんたの幼なじみのこと…酷く言って悪かったわ…

内田雪音

謝らなくていいよ…。

内田雪音

でも斗真くんのことを悪く言ったことは…許せないよ…?

中山優奈

……

陣内斗真

なぁ中山。

中山優奈

何よ…私を辱めようっての?

陣内斗真

しねぇよんな事。

中山優奈

じゃあ何よ…

陣内斗真

雪音のたった一人の幼なじみとしてお前に頼みたいことがある。これからも雪音と仲良くしてやって欲しい。あいつ引っ込み思案だから友達少ないしな。

中山優奈

いいの…?私あんたのことボロカスに言ったんだよ?

陣内斗真

別に俺は自分のことをボロクソに言われてキレるような人間じゃない。

中山優奈

こんな私でも…雪音と仲良くしていいの?

陣内斗真

いいんだよ。でもさすがに俺とかの男にはあたり強いのはちょっと良くないかもな。

中山優奈

善処するわ…

内田雪音

斗真くん…

陣内斗真

さ、時間はまだあるし、さっさと飯行こうぜ。

内田雪音

う…うん…!

2人は教室を後にした。

真田昌幸

斗真のやつ…モテモテだな……

大野陽太

あいつ、去年の文化祭であった男コンで2位と30票以上の差をつけてたしなぁ…性格、ルックス、全ての部門でさ。

切上蓮

(´;ω;`)クソォォォォォォォォォォォォォォ

真田昌幸

うるさいぞ。

雪原凛

うるさいよ切上くん。

切上蓮

なんかみんな俺に冷たくない!?なんなら俺さっき片想いが終わっちまったんだよ!?

真田昌幸

いやお前の片想いなんざ知ったこっちゃねぇよ。

切上蓮

この世界は理不尽だァァァァァァァァァァァァ(இ௰இ`。)

蓮の叫び声は教室を突き抜けて廊下中に響き渡ったが誰の心にも届かなかった。

その頃、斗真は雪音を連れて屋上に来ていた。

内田雪音

ここって…

陣内斗真

穴場。静かな空間で飯食いたいって時にはうってつけの場所なんだよ。

内田雪音

そうなんだ…

陣内斗真

誰もいないし、ここなら静かに食えるぜ。ほら、こっち来いよ。

内田雪音

ね…ねぇ……

陣内斗真

ん?なんだ?

内田雪音

いや…なんでもないよ…!(今はその時じゃないよ…ね…)

陣内斗真

あ…あぁ。

2人は屋上にあるベンチに腰をかけて食事を共にしたのだった。

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