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水野 まり
話したいことって、何？
青井 星
……あのね、ぼくは自分から望んでここに来たんだ
水野 まり
えっ？
青井 星
別に親がいないとか、生活に困ってるとかじゃなくて
青井 星
ただ...お母さんが怖かったんだ
水野 まり
星くんのお母さんはどんな人だったの？
青井 星
ぼくのお母さんは...すごい頭がいい人で、
なんかの賞？をたくさんもらってた
なんかの賞？をたくさんもらってた
水野 まり
賞!?すごいね！
青井 星
うん。ぼくも、お母さんみたいになりたかったんだ
青井 星
でも、ぼくが成長していくにつれてお母さんは厳しくなった
青井 星
学校のテストで1位を取れなかったらご飯抜きだったし、
家を追い出されたりもした...
家を追い出されたりもした...
水野 まり
……そう、だったんだ
青井 星
それが、嫌だったから
青井 星
ぼくはここの孤児院に来たんだ。
青井 星
───お父さんはいなかった。
水野 まり
っ！
青井 星
いたのかもしれないけど...覚えてない
青井 星
だから...あの先生がお父さんでもおかしくはなかったんだ_______
水野 まり
...じゃあ、もしかしたら...
青井 星
うん...。本物のお父さんかもしれないんだ
青井 星
……ぼく、どうしたらいいんだろう
水野 まり
星くん...
どうしたらいいかなんて分からないよ。
私だって...今何も分からないんだから_______________
水野 まり
……
東方シオン
星...
青井 星
シオンくん?
青井 星
今の...聞いてた？
東方シオン
ああ...
青井 星
……ごめんね、シオンくん
青井 星
ぼくのこと、ここの孤児院で1番わかってるのはシオンくんなのに
青井 星
あんなこと、言っちゃって
ぼくのことなんか何も分からないくせに！
東方シオン
...そんなこと、ないよ
青井 星
ううん、そうだよ...シオンくんが、いちばんわかってるよ
青井 星
シオンくん、行こう
東方シオン
ああ、わかった
青井 星
ごめん、まりちゃん！行くね
水野 まり
ううん、大丈夫
青井 星
またね〜！
水野 まり
……うん、
ただその姿を見ていただけだった
その頃、職員室───
孤児院の先生
薔薇流先生、青井星って子にお手紙来てますけど...
薔薇流雹
星に？
薔薇流雹
ちょっと見せてください
孤児院の先生
はい
薔薇流雹
……！？
薔薇流雹
………そうか
青井 星
……お父さん、か
東方シオン
星にお父さんはいないんでしょ？
青井 星
うん、そうなんだけど
青井 星
……ぼくが、覚えてないだけなのかなって
東方シオン
……ないと思うけど
青井 星
そう？
青井 星
でもね───
薔薇流雹
星!!!!
青井 星
ｯ!?せ、先生...？
薔薇流雹
落ち着いて聞いて、星
薔薇流雹
お母さんが───
君を迎えに来るよ
青井 星
……え？
東方シオン
...！？
青井 星
どういう、こと？
薔薇流雹
さっき、手紙がきてね
薔薇流雹
近いうちに迎えに来ます、だって
青井 星
……なんで？
青井 星
なんで、ぼくの居場所が───
東方シオン
───薔薇流先生か？
薔薇流雹
はは、鋭いね。流石あの人の最高傑作
薔薇流雹
でも教えたのは僕じゃない
薔薇流雹
すぐ隣にいるだろう、星
青井 星
……え？
青井 星
隣...って、シオンくんのこと？
薔薇流雹
そうだよ
青井 星
じゃあ、ぼくの居場所を教えたのは...
シオンくん……？
東方シオン
なっ！
東方シオン
違う!!俺は教えてなんかいない！
東方シオン
そもそも星のお母さんのことだって知らな───
薔薇流雹
とぼけるなよ。
その声は、強く、冷たく、そしてどこか震えていた。
薔薇流雹
君は人間なんかじゃない
東方シオン
何を───
薔薇流雹
君はあの人...星の母親の最高傑作
薔薇流雹
まあ簡単に言えばロボットってやつさ
青井 星
……シオンくん
東方シオン
違う、俺は...
青井 星
信じてたのに……
青井 星
酷いや...君が教えたなんて...
東方シオン
───そうだよ、確かに俺はロボット
東方シオン
でも、教えてなんか───
薔薇流雹
君の体に付いている発信機で分かるんだ
東方シオン
な...そんなもの...
青井 星
ぼくは絶対に、あの人の所へは帰らない！！
ぼくは走って部屋を出た。
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