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ヴィッテとスライが 我が家に来た翌日。
私の仕事はお休み。
…ってなわけで早速、 “スライム同士の通信”を 試してみることにした!
マキリ
マキリ
マキリ
ヴィッテ
スライ
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マキリ
マキリ
ヴィッテ
マキリ
マキリ
マキリ
ヴィッテ
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ヴィッテ&スライは 2階の寝室に向かった。
そして、私と 2号(スライ分裂体)は、 1階キッチンで待機中。
マキリ
スライ2号
マキリ
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マキリ
マキリ
マキリ
マキリ
マキリ
“チャット”時の喋り方は、 無線インカムのルールを 参考にした。
学生の時、バイト先で 使ったことがあったんだよね。
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まずは2号の体に “私が喋った内容” が 表示される。
スライ&2号に伝えた通り、 喋り始めの『トーク開始』と 終わりの『どうぞ』は 省略されてるし、
肝心の内容も ちゃんと合ってるね!
マキリ
固唾を飲むこと 数秒。
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マキリ
思わず立ち上がる私。
ヴィッテ
パタパタ急いで 階段を駆け降りてきたのは、 瞳をきらきらさせたヴィッテ。
スライ
その後ろからスライが ぴょこぴょこ降りてくる。
マキリ
マキリ
ヴィッテ
手を取り合って 大喜びする 私とヴィッテ。
初めてのチャットは、 たった1文ずつのやり取り だった。
完成形には、ほど遠い。
でも間違いなく、私が知ってる “インターネットの断片” そのもの。
それが…とても、 うれしかったんだ!
マキリ
マキリ
ヴィッテ
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マキリ
マキリ
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マキリ
マキリ
マキリ
スライ
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マキリ
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マキリ
マキリ
理由はわかんないけど、 スライなりに 考えがあるっぽい。
指示に従ってみるか。
30分後。
出かける準備をした私が 玄関のドアを開けようと したところ――
マキリ
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――滑り駆け寄ってきたスライが 体に “大きな文字” を 表示した。
マキリ
マキリ
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マキリ
脈略が全く 理解できないんだけど…
…もしかしてスライ、 意外と“不思議ちゃん”系 だったりする?
マキリ
ヴィッテ
スライ
ヴィッテ達に見送られ、 私と2号は家を出た。
マキリ
マキリ
マキリ
スライ2号
マキリ
マキリ
マキリ
マキリ
――ドドドッ ドドドォッ!
――ドカドカ ドタドタッ!
道の向こうから 凄い勢いで、5人の男達が 猛ダッシュしてきた!?
マキリ
マキリ
私は、慌てて 道の端へと逃げた。
マキリ
マキリ
何気なく振り返って スライ2号に話しかけるが――
マキリ
マキリ
マキリ
きょろきょろ辺りを 見回すと――
――2号ってば、 道の真ん中で 止まってるんだけど!?
走る人々が 止まることなく 2号へ近づく。
マキリ
とっさに、私は 2号に声をかけよう としたが――
傷だらけの大男
走る集団から 1人の男が飛び出して、 特大の剣を振るった。
――ズザァッ!
マキリ
男の剣が、2号の体を 真っ二つに切り裂く。
左右に分割された ゼリー状のスライムは 粒子に姿を変え、消滅。
全ては、一瞬の、 出来事だった。
傷だらけの大男
私のほうへ 野太い声で呼びかけたのは、 筋肉ムキムキで傷だらけの大男。
彼の手に 握られているのは――
――さっき 2号を殺した “大剣” 。
マキリ
瞬間、“何か”を 叫びそうになった。
同時に私の頭をよぎったのは――
・・・・・・・・・・ >『 沈黙 は 金 』 ・・・・・・・・・・
――さっきスライが 表示した“格言”。
声にならない声と ともに、
私の顔から 血の気が引いていった のだった。
マキリ
マキリ
マキリ
青かったはずの空が、 いつの間にか、 オレンジ色に染まっていた。
マキリ
マキリ
混乱する頭を落ち着かせつつ、 状況を思い返してみる。
マキリ
マキリ
マキリ
マキリ
マキリ
2号が殺され動揺した私は、 その場から思わず 全力で走り去ってしまった。
ふらふら放心状態で歩くうち、 いつの間にか夕方に なっていたのだろう。
マキリ
マキリ
“脳裏に焼き付く光景”が フラッシュバックすると ともに、
“最悪な想像”が 頭をよぎる。
それまで元気だった2号が 真っ二つになった瞬間。
スライムを瞬殺した 大剣男の、 鬼気迫る表情。
マキリ
思い出すだけで、ガタガタと 体の震えが止まらない。
マキリ
マキリ
現在、 私が立っているのは 我が家の玄関前。
…そう。
今朝、ヴィッテとスライが 送り出してくれた場所。
マキリ
マキリ
マキリ
マキリ
私は、意を決して 玄関のドアを開けた。
ヴィッテ
ヴィッテ
マキリ
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マキリ
マキリ
いつも通りの元気なスライに、 私の中で張り詰めていたものが 一気にゆるんだ。