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「 好きって、言ってしまった 」🌸&🎮🍍
ライブ数日前。
らんはリハーサルを終えて、楽屋の隅でひとり台本を見つめていた。
ライトの残り香と、心臓の音だけがやけに大きく響く。
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昨日の夜のことを思い出す。
触れた手、熱、震える声。
何も“言ってない”のに、心の中では全部伝わっていた気がして、怖かった。
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ドアが開いて、低くて落ち着いた声が響く。
らんは振り返る。
そこに立っていたのは、やっぱりなつだった。
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らんが苦笑する。
そんならんの隣に、なつは黙って腰を下ろした。
近い、手を伸ばしたら、すぐ触れられる距離。
しばらく沈黙が続いて、 やがて、らんがぽつりと呟く。
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たつの目が少しだけ驚いたように動いた。
そして、静かに頷く。
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らんは少し俯いた。
手のひらの上で、指先が小さく震えている。
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らんは深呼吸して、勇気を振り絞るように顔を上げた。
頬がほんのり赤く染まって、瞳の奥がまっすぐで。
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その一言が、静かな部屋の空気を変えた。
一瞬の静寂。
次の瞬間、なつはらんの手をそっと掴んだ。
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短い言葉なのに、すべてが詰まっていた。
らんの目が潤む。
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気づいたら、らんは抱きしめられていた。
強く、でも優しく。
心臓の音がふたり分、重なって鳴っている。
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らんは小さく笑って、彼の胸の中でもう一度つぶやいた。
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外は静かに雨の音。
その中で、らんは初めて心から笑った。
──“好き”を言えて、受け止めてもらえた。
それだけで、世界が少し暖かく見えた。
「好きって、言ってしまった」
でも、それは終わりじゃなくて、 2人の新しい始まりだった。
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