テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ここは奇病を患った人達が暮らす奇病病棟 長い夜が明け温かい 太陽の光が窓を差し込んでいた
病室105 アクエル シトラ
アクエル
ベッドの上で、 アクエルは自分の腕を外した 外した腕を持ってふにゃふにゃと手を振る
シトラ
シトラは苦笑いしながらも、いつものように明るい声で返す
彼の体の奥では、見えない薔薇の棘がじわじわと刺さるような痛みが続いていた。それでも彼は、痛みを顔に出さない。
アクエル
シトラ
アクエルの"バラバラ病"は、 体を分解しても痛覚がない 一方シトラは、 見えない棘に常に刺され続けている
シトラ
アクエル
アクエル
アクエル
アクエルの無邪気な一言に シトラは答えられなかった
その頃 病室206 フィン ルベラ ヴァイオ
フィンは窓際で自分の手を見つめていた 光にかざすと、 指先が少しだけ透けて見える
フィン
"ゴースト病" 存在そのものが、 少しずつこの世界から薄れていく
ルベラ
穏やかな声でルベラが声をかける 不安や罪悪感を抱くたび、 彼の体温は静かに上がっていた 今も少し額に汗が滲んでいる
フィン
ヴァイオ
ベッドに座るヴァイオが 頭を押さえながら言った
ルベラ
ルベラは心の中で呟く
ヴァイオの脳内には、 世界中の知識が詰め込まれている 答えは無限にあるのに奇病に関しては 解決できない
ヴァイオ
フィン
フィンは微笑んだ
フィン
その言葉に、ルベラの体温が 少しだけ下がった
病室105 アクエル シトラ
シトラは、しばらく黙っていた アクエルの言葉が、 胸の奥でしっかりと沈んでいく
痛いのと、痛くないの どっちが幸せか
シトラ
いつもの軽い調子で返そうとして、 喉の奥で言葉が引っかかった 体の内側で、見えない薔薇の棘が、 呼吸に合わせて食い込む
シトラ
シトラは天井を見上げたまま言う
シトラ
アクエルは、外した腕を元に戻しながら 首を傾ける
アクエル
アクエル
シトラは笑った 明るく、いつも通りに
シトラ
そう答えながら、 なぜか胸の奥がひどくざわついた 痛みが消えることと、何が消えることが、同じ線の上にある気がしたからだ
シトラ
アクエル
シトラ
こうして二人は日常会話を始め楽しい1日を過ごした
病室206 フィン ルベラ ヴァイオ
しばらく沈黙する
カーテンが揺れ、 その影が壁をゆっくり歩く フィンはそれを見ながら、ぽつりと言う
フィン
フィン
ルベラは窓辺に近づき、外を覗く
ルベラ
ルベラ
フィン
ルベラ
ヴァイオはそんな二人を眺めていたが、 ふと窓の方を見る
ヴァイオ
ヴァイオ
フィンがくすっと笑う
フィン
ルベラは少し微笑み
ヴァイオは静かに言った
ヴァイオ
ヴァイオ
フィン
こうしたほのぼのとした1日を過ごした
作者
作者