TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

トコトコ

屋上につながる階段を登っていく

ほとけに放課後屋上に来て 欲しいって頼まれたんや

なんで呼ばれたんか わからんから緊張する

そもそも好きな人と毎日 話しとる時点でドキドキする

顔が赤くなってへんかいつも心配や

ふぅ…

屋上につながる扉の前についた

一息つき、屋上につながるドアを開ける

 

ガチャ

重い金属製の扉を開けると 風が俺に吹き付ける

いつもは賑やかな屋上も 静寂に包まれとる

先輩、来てくださって
ありがとうございます

別に暇やったし
大丈夫やで

既に屋上におったほとけに 真っ直ぐと見つめられる

瞳の奥には強い決意が見えた

先輩覚えてますか?

初めて会った日のこと

そりゃ勿論…

あの日この場所でほとけに告白した

今でも鮮明に覚えとる

再会できたことが嬉しくて、 勢いで告白したんや

まぁほとけは俺のこと 覚えとらんかったけど…

あれから、6人で屋上で
お弁当を食べることが
日常となっていきましたよね

そうやな

みんなで放課後遊びに行ったり、
遊園地に行ったりしましたね

せやね…

再会したばっかの頃に比べて だいぶ心を開いてくれたように思う

まるで昔に戻ったみたいや

この前クレープを食べに
行ったじゃないですか?

おん

その後プリクラ撮ったよな

はい

あの時のプリクラは大事に家で保管しとる

時々見返したりしとる

実はその帰り道に、
大切なことを思い出したんです

大切なこと?

いふ先輩…

いや、いふくんのことを

ぇ?

今、いふくんって言った…?

空いた口が塞がらん

理解が追いつかへん

小さい頃、よく二人で遊びましたよね

まるで本当の兄弟みたいに(笑)

あぁ、思い出してくれたんや…

嬉しくて涙が溢れそうや

うぅ…ポロポロ

せ、先輩!?

大丈夫ですか…⁉︎

大丈夫やっ、

思い出してくれて
嬉しいんやッ!

ガバッ

ぅわっ!?

ほとけに思いっきり抱きつく

涙で歪んだ視界の中、 ほとけの体温を感じる

よかった…ッ!

このままずっと忘れられたまま
なんかと思ったやんかッ‼︎

ごめんなさい、思い出すのが
遅くなってしまって…

ホンマやでッ!グスッ

口ではそんなことを言いながら、 思い出してくれたことが ホンマに嬉しかった

離れとった時間は戻ってこぉへん

それでも忘れられとるんは 悲しかったんや

先輩、あの時の約束覚えてますか?

勿論覚えとるよ…

今でもあの日のことは鮮明に覚えとる

俺らが離れ離れとなった日のことを───

 

幼い頃の水

きょうでお別れなんだね…

幼い頃の青

おん…

その日は、俺が海外に 引っ越す前の最後の日やった

荷物は全部向こうに送とって、 前日はホテルに泊まっとった

お別れのためにわざわざ 家まで戻ってきたぐらいやった

幼い頃の青

もう俺ら、会えへんのかな…?

幼い頃の水

きっとまた会えるよ!

幼い頃の水

それに会えなくても
こころは一緒でしょっ?

幼い頃の青

おん…!

ニパっと太陽みたいに笑うほとけ

凄くキラキラして見えた

あの頃のほとけは 無邪気で天真爛漫って感じやった

今は静かで控えめな印象が強いけどな

身長もすっかり高くなって、 声も少し低くなった

まぁ俺も随分身長は伸びたし、 声はだいぶ低くなった

お互い成長したんやな

幼い頃の水

でも、寂しくなるなぁ

幼い頃の青

俺も知らん人ばっかの
とこは不安やな、、、

幼い頃の水

大丈夫だよ!

幼い頃の水

いふくん優しいもん!

幼い頃の水

きっとすぐに
新しいおともだちができるよ!

幼い頃の青

そう…かな?

幼い頃の水

うん!!

幼い頃の青

えへへ、ほとけに言われたら
大丈夫な気がしてきた…!

幼い頃の水

ならよかった!

ほとけに言われると不思議と大丈夫な気がした

まるで魔法みたいや

あの頃から優しいところは変わってへん

周りをよく見とって、行動に移すことができる

当たり前のようにほとけはこなすけど、 凄いことや

そういうところが好きになったきっかけの一つや

いふの母

いふ〜?

いふの母

そろそろ行くわよ〜?

幼い頃の青

あ、はーい!

母さんに呼ばれ、ついに別れの時がやってきた

幼い頃の青

ごめんほとけ、
もう行かへんと…

幼い頃の水

絶対また会おうね…!

幼い頃の水

約束だよ?

幼い頃の青

おん…!

幼い頃の水

ねぇ、いふくん

幼い頃の青

どしたん?

幼い頃の水

ギュッ

幼い頃の青

ドキッ///

手を握られ、真剣な顔で見つめられる

ドキドキと胸が高鳴る

幼い頃の水

もしまた会えたら…

幼い頃の水

僕のお嫁さんになって?

幼い頃の青

お、おん…!///

幼い頃の水

んふっ、それじゃあまたね?

幼い頃の青

おん!、またな!///

約束を交わしたのち、母さんに手を引かれて 俺は地元を去っていった

幼い頃の青

クルッ

幼い頃の水

フリフリ👋

ほとけは見えなくなるまで手を振ってくれとった

俺はその姿に泣きそうやった────

あの日のことは一生忘れへんと思う

ほとけにプロポーズされた時から ずっと会える日を待っとったんや

それやのに当の本人はすっかり忘れとった

でも、かなり昔のことやし 忘れててもしゃーないと思う

いふ先輩、

どうしたん?

あの時からずっと大好きです

僕と付き合ってください!

…!

俺、今ほとけに告白された…?

両思い…ってことか?

信じられへん

夢を見とるみたいや

ほ、ホンマ…?

はい

嘘なんてつきませんよw

せやな…w

ポロポロ

せ、先輩!?

大丈夫ですか!?

急に泣き出した俺に ほとけが駆け寄ってきてくれた

止めようと思えば思うほど 涙が溢れて止まらへん

大丈夫やで…グスッ

嬉しくて涙が
止まらへんのや…ポロポロ

先輩、返事…
聞いてもいいですか?

おんっ…!

こちらこそ
よろしくお願いします!ポロポロ

あぁ、これでやっと長年の恋が実ったんや

ついにほとけと恋人になれたんや…

嬉しすぎて気が狂いそうや

いふくん、迎えにきたよ

おせぇよ、!

口では悪態をつきながら、 顔がニヤけて仕方がない

ふふっ(笑)

ははっw

二人で顔を合わせて笑い合った────

僕らの想いが共鳴するまで【水青】

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

525

コメント

7

ユーザー

ついに繋がったぁー!!! まじで毎回毎回の言葉選びが素敵すぎる😀💓 告白シーンのくらっちの 書き方まじで好きなんだが!? 神作ありがとう🤦🏻‍♀️💗

ユーザー

うわぁあっ!!!おめでと!!ඉ_ඉ えなんかもう尊過ぎて 尊死不可避みたいな(?) マジ今回のえぐちでした(?) 今回も神作 ありがとうございますっっっっ

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚