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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

キャトラ

ね、ねぇねぇ、あそこ!
人が倒れてるよ!?

兵士

……だ……れか……

アイリス

あの時の……兵士さん!

アイリス

酷い怪我──!
待っていてください、すぐに手当を

アイリス

〈*×○■!&%$…………〉

兵士

……う……ううっ…………

アイリス

ダメだわ、傷が深すぎて魔法が──

兵士

なんで……こんな……こと……に……

兵士

オレ……は……ただ……この国……を

ファーベル

…………

ファーベル

……アイリスさん。ここは、私が

ファーベル

もう大丈夫です……これ以上、
この国のみんなを死なせるつもりは
ありません──

兵士

い、痛みが……引いて……

ファーベル

眼を閉じて、力を抜いて

兵士

……………

キャトラ

寝ちゃった……みたいだね

ファーベル

あとは体力さえ回復すれば、
もう大丈夫。
ゆっくり眠っていてください

アイリス

そ、その力は──

ファーベル

……本当は、隠しておかなければ
ならなかったのだけれど

ファーベル

これは〈繁栄のルーン〉
万物に活力を与える王家の秘宝です

キャトラ

カナタ。これって、
〈大いなるルーン〉じゃないの!?

カナタ

そうかもしれない……!

ファーベル

大いなる……ルーン?

カナタ

な、なんだ……?
ルーンドライバーが……

アイリス

これは……どう言ったら
いいのかしら。ほんの少し、
反応しているみたいだけれど

カナタ

つまり、これは本物の……?

キャトラ

外れじゃなかった、
ってことなのかな?

ファーベル

……まさか、あなた達も
このルーンを狙っているわけでは…?

アイリス

ち、違います!

アイリス

いえ……ルーンを探しているのは
本当のことだけれど

カナタ

うん、全て話そう

ファーベルへ正直に、 バルラ城塞王国に降り立った理由を話す

ファーベル

……そういうことだったのですね

ファーベル

申し訳ないのですが、
このルーンを差し上げることは
できません

ファーベル

〈繁栄のルーン〉は
王家復興のカギですから

ファーベル

こうして助けていただいて
おきながら……ごめんなさい

アイリス

い、いえ……私達こそ

ファーベル

……陽が落ちてきましたね。
兵士さんも休ませないといけません

ファーベル

近くの、バルラ王家の別宅跡が
あります。
今夜はそちらへ身を隠しましょう

キャトラ

あ──目、覚ましたみたいだよ!

兵士

ん……こ……ここは……?

ファーベル

──もう、大丈夫です

ファーベル

無理に体を起こさないで。
安心してください、
ここに敵はいませんから

兵士

そうか……よかっ……

兵士

……た……?

兵士

ひ──姫様!?
それに、お前達はあの時の……

カナタ

姫様……?

キャトラ

姫様って……誰が?

兵士

誰って、目の前におられるお方だよ。
ファーベル姫は、このバルラ王国の
第49代目の女王となられるお方だ

兵士

姫様、よくぞご無事で……!

ファーベル

ごめんなさい、私一人がのうのうと。
結局何一つ、
守ることができなかった……

兵士

あの男は……ダンテは、
もはや人間ではありません

兵士

かつての地位も、名誉も、
誇りも失い悪魔に全てを
売り渡したような──

???

悪魔か、悪くない。
素晴らしい称号を頂けて光栄だ

カナタ

なっ、お前は……!

ダンテ

迂闊だな、ファーベル姫。
俺の支配範囲でルーンの力を使うとは

ダンテ

おかげで探す手間が省けたというもの

ダンテ

〈繁栄のルーン〉……今度こそ、
こちらに引き渡してもらうぞ

兵士

いけない──
姫様、逃げてくれッ!!

兵士は傷ついた体を引きずり、 ダンテへ飛びかかる

ファーベル

そんな──私は、また……!

キャトラ

立ち止まってる場合じゃないよ!
アンタだって分かってるんでしょ!?

兵士

姫様、早く!

ダンテ

逝ね、クズが!

兵士

──!!

兵士

姫様……ご無事……で……!

ダンテ

……フン、消え失せたか

ダンテ

だが、どこに居ようと同じこと。
一度発露した〈繁栄のルーン〉の
波動、すぐに消えるものではない

ダンテ

ファーベル、決して逃がさんぞ。
〈繁栄のルーン〉は、この俺にこそ
相応しいのだ!

ダンテ

コロシアムに逃げ込むとは。
いよいよ戦う腹を決めたという事か?

キャトラ

ど、どうしよう。
もうこれ以上逃げられないよ!

ファーベル

ここまで……かしら……

アイリス

諦めないで!

アイリス

まだ、終わりと決まったわけでは
ありません!

カナタ

ああ、最後まで抗うんだ!

ダンテ

用があるのはファーベル姫だけだ

ダンテ

貴様ら虫けら共には、相応しい
惨めな死をくれてやろう!

ダンテ

──思い出すぞ。
戦士達の、血と汗の匂い

ダンテ

このコロシアムで、
どれだけの猛者共を
なぎ倒してきたか──

ダンテ

数え切れぬ程の激戦を重ねようと
戦いに飽くことは無い!

ダンテ

──さぁ、続けるぞ。
死にもの狂いで戦うがいい!

ダンテ

ぐっ……はっ……ッ!

ダンテ

なぜ……だ……
虫ケラ……如きに……!

キャトラ

カナタ、やったぁ!

カナタ

か、勝った、のか……

ダンテ

く……くはははははッ!

ダンテ

よかろう、これが末路というなら
それもまた一興

ダンテ

赤髪の小僧。
その太刀でこの俺を殺してみろ

ダンテ

貴様にその権利をくれてやる

ファーベル

待って──待ってください

カナタ

な、なんだ?

ファーベル

勝負は決しました。
これ以上、彼を傷つけないで

キャトラ

ファーベル……どうして?

ファーベル

ねぇ、ダンテ。
もう……もう、いいでしょう?

ファーベル

あんなにも誇り高く、高潔で……
そして優しかったあなたは
どこへ消えてしまったの?

ダンテ

………………

ダンテ

ク……クックック

アイリス

いけません、ファーベルさん!

ダンテ

馬鹿が、武人に情など無用の長物!

ファーベル

きゃあっ!?

ダンテ

ふ……フハハハハハ!

ダンテ

〈繁栄のルーン〉。
ついに、我が手に──!

キャトラ

な、なんて事するのよ!?

ファーベル

そんな……ダンテ、やめて──!

ダンテ

光栄に思うがいい。
貴様らは新たなる王の誕生を
目の当たりにできるのだからな──

ダンテ

……血が噴き上がり、
肉が震え立つ──!

ダンテ

素晴らしい……
指先から骨の髄まで、
何もかもが燃えるようだ

ダンテ

これが、〈繁栄のルーン〉!

ダンテが槍を足下に叩き付けただけで、 迸る闘気が大地を震わす

ダンテ

もはや貴様らに用はない──
俺が世界の王となる様を、
黙って見届けているがいい!

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