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甘えたい日だって、あるの。
でもこの気持ちって、 お前にとっては苦しいものでしょ?
⋆͛*͛ ͙͛⋆͛ᐝ·̩͙
ふわふわとした顔で 嬉しそうに笑うまふまふ。
それは昔から言われ 続けている言葉。
恋愛なのか、親愛なのか、 敬愛なのか。
定かでは無かったけど、昔と 変わらないその言葉が 信じられないくらい嬉しかった。
昔よりもくっつかなくなって、 引っ付かれなくなって。
共に過ごす時間が少なくなっても。
変わらない何かがそこに在る。
それが例え、言葉だとしても。
ぎゅーって。
痛いくらいに抱き締められて。
こいつの所為ですっかり 俺は抱き締められるのが 好きになってしまった。
⋆͛*͛ ͙͛⋆͛ᐝ·̩͙
苦しい苦しい苦しい苦しい。
苦しくて苦しくて堪らない。
見なければ良かったのに。
[何でそらるがまふくんの隣なの?] [馴れ馴れしくしちゃってうざい] [フォロワーの数だって 負けてる癖に] [不釣り合いだよ]
見なければ良かった。
コメント欄なんて、 アンチのリプなんて。
人間の生皮を剥いだ、 悪魔の言葉なんて。
でも皮肉な事に全部
好きなように歌って、 好きなように投稿して、 好きなように生放送をする。
この行動はリスナー 思いでない、と。
思われても仕方がない。
人情無しだと、感情が無いのだと。
Bluetoothから流れてくるのは、 愛しいまふまふの歌声だった。
⋆͛*͛ ͙͛⋆͛ᐝ·̩͙
『僕、そらるさんの声大好きです』
『何時だって僕を 引っ張ってくれます 守ってくれます』
『だから苦しい時は何も 言わなくて良いから 僕の所に帰ってきて下さいね』
『そらるさんは、自由が 好きでしょう? なら、縛り付ける事はしませんよ』
⋆͛*͛ ͙͛⋆͛ᐝ·̩͙
好きです、って言って欲しい。
あわよくばもっと深い言葉が。
甘えたい。
震えちゃって。
馬鹿みたいだ。
頭に繰り返し縫い付けられる 「まふまふ」って文字。
早く会いたい。
彼奴しかもう―…
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おいでって。
言ってよ―…。
でもまふまふは何にもしないで、 ソファーに座って微笑んだ。
俺は立ち止まったまま。
扉の前で凍りついてる。
きっとまふまふの事だから、 俺から来るの、待ってるんだ。
風雨が屋根に響いてる。
泣いても、叫んでも、苦しくても。
何も聞こえませんから僕は。
だから、大丈夫。
ゆっくり頭を撫でてくれる。
肩に顔を埋めて、首に腕を回して。
それだけでこんなに安心する。
まふまふの腕はしっかりと 腰を抱いてくれていて、 安定してる。
自分より大きい彼に抱き着くと、 何だか泣きたくなった。
昔は逆だったのに。
まふまふが苦しかったら、 俺が傍に居てあげて、 抱きしめてあげて。
何時から逆になっちゃったの。
何時から俺、こんなに 弱くなっちゃったの。
助けて、助けて怖いよ…。
僕が全部受け止めますから。
⋆͛*͛ ͙͛⋆͛ᐝ·̩͙
マーブルみたいにあやふやな頭。
少し動かすとコツン、と当たった。
誰かに抱かれている。
布団の中で…誰かに。
…昨日、どうしたんだっけ。
泣き疲れて寝ちゃったのかな、俺。
て事はまふまふか。
悪いこと、しちゃったな…。
頬に手を当てて撫でてあげると、 呻き声が聞こえた。
テレビや、取材、歌っている時とは 信じるに難い程低い声。
俺と居る時だけその声してるね。
…そんなに俺の前では カッコつけていたいの? 虫だって嫌いな癖に、 俺が助けてって言ったら、 頑張って追っ払うし。
俺が行かないでって言ったら、 あんなに楽しみにしていた 遊びにも行かなかった。
じゃあ、
―付き合ってって言ったら、 付き合ってくれる―?
性別の壁なんてぶち壊して、 童話の中の王子様みたいに、 俺を瓦礫の中から 引っ張りあげてくれる?
きゅ、と頭に腕が回る。
胸元に顔を押し付けられる。
鼓動が早くなっていて、 お揃いだね。なんて。
だーいすき、俺も。
じゃあさ、お互い大好きなら、 付き合おうよ。
…こんな感情、なんて言うの?
恋愛として好きか分からない。
でも好き。
離したくない。
独占欲というものなのかも しれないけど、もっとそれ以上。
愛して欲しい、 俺だけを見て欲しい。
好き―好き―好き―好き―…。
苦しい時は最も傍に居て欲しい。
愛してるって言わなくても良いから 抱き締めて欲しいの。
抱き締めたら同じ分返して欲しい。
きぃ、と軋む音がした。
少し身動ぎすると、まふまふの 腕は簡単に外れた。
入口に人影が見えた。
ほんと笑えねーよ。
まふまふ。
何で俺ん家に
彼女なんて呼ぶのかな。
雨は止んでいた。
❦ℯꫛᎴ❧
コメント
1件
好きです……好きです……(言葉にすらならない悲鳴)