美樹
無言で彼女が差し出したのは、丁寧に ラッピングされた小さな紙袋。
拓真
疑問形でお礼を言いながら受け取ると、彼女は不機嫌そうな顔になった。
美樹
拓真
美樹
美樹
袋を開けてみれば、出てきたのは手作りのマフィン。面倒くさがりの美樹 らしく、見た目はかなりシンプルだ。
拓真
美樹
拓真
美樹
そういえば前回のテストの美樹の 学年順位は一桁だった気がする。 真面目だな。
拓真
美樹
説明するのも面倒くさいと言わんばかりに適当に返事をしてくる。 美樹の無気力さは今に始まったことてはないが、人との会話くらいはちゃんとしたほうがいいと思う。
拓真
俺お前の彼氏なんだけど、と 付け加えると、途端に彼女の顔が 赤くなった。
美樹
明らかに動揺しているのが分かるが、 彼女の反応が面白いのでそのまま 話を続ける。
拓真
そう言って顔を近づけると勢いよく 後ろを向かれてしまう。 からかいすぎたかと思うのも束の間。 彼女はごそごそと鞄の中から何かを取りだした。
美樹
先ほど同様、無言で彼女にさしだされたものは、ペンケースくらいの大きさ の箱だった。
受け取ってすぐに開けると中に入って いたのは銀色に輝くネックレス。
拓真
美樹
顔を真っ赤にしながら彼女が答えた。
美樹
こんな顔で話す美樹は初めて見たと思う。
拓真
美樹
まだ少し赤い顔でキョトンとする彼女に、ニヤリと笑って答える。
拓真
美樹
意味を聞いた瞬間に慌て出す美樹。
美樹
拓真
そう言って優しく美樹を抱きしめる。 勿論、抵抗してきたけど、しばらくそのままでいると美樹も背中に腕を 回してくれる。
拓真
美樹
触れるだけのキスを彼女の唇に落とす
甘い雰囲気なんて得意じゃないけど、 今この瞬間だけはこのままでいいと 思った。
放課後、二人きりの教室。
優しい夕日が二人を包み込んでいた。
影猫noki
影猫noki
影猫noki
影猫noki
影猫noki
影猫noki
影猫noki
影猫noki
影猫noki
影猫noki
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