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あああ、めっちゃ好みです…!!! 今までのも好きなのですが、非リアさんの話のなかでも一番好きです…! きっと、末っ子さんが訪れた男の子なんでしょうね… どうなっちゃうんだろう、どう復讐しちゃうんだろう… なんて、ずっと考えちゃいます…!!! 取り敢えずブクマ失礼しますー!
先にブクマしてて 今、後から読みました! 連載…素敵すぎです✨✨ サムネイルもミステリアスな感じで すごく続きが気になります!
藤村
彼の言葉は
灰色に染まった味気ないキャンパスに垂れた
鮮やかな紅い絵の具のようだった。
生徒
生徒
生徒
生徒
生徒
生徒
生徒
生徒
生徒
生徒
生徒
高校生活が始まって半年
突如として現れた彼は
全校生徒の話の種になった。
整った容姿を覆う包帯。 誰の干渉も許さない非友好的な態度
人々は親しみよりも畏怖の念を込めて
彼を「包帯少年」と呼んだ。
藤村
その「包帯少年」が我が美術部に来た。
絵筆を落とすほど驚いた。
辻村美花
辻村美花
辻村美花
藤村
辻村美花
辻村美花
辻村美花
藤村
藤村
辻村美花
絵筆を動かす。時々口を動かす。
絵の具と同じように、慎重に言葉を重ねる。
いつしか敬語は抜けていた。
藤村
藤村
辻村美花
辻村美花
辻村美花
藤村
それきり彼は何も言わなくなった。
だから私もその話はこれで終わりだと思っていた。
パレットに絵の具が当たる音。秒針。
しばらく部室には、その2つの音が響いた。
遠くから帰り支度を始めた運動部の声が聞こえるようになった時__…
藤村
再び彼が口を開いた。
その声は狭い部室によく響いた。
藤村
藤村
ある資産家の家に、4人の息子がいました。
仲がいい…とは言い難いかもしれません。
4人のうちの1人は連れ子で、血は繋がっていませんから。
その連れ子というのが、4人兄弟の末っ子です。
末っ子はたいへん優秀で、何をするにも4人の中で1番でした。
それを妬む長男と、長男の腰巾着の次男は
ことあるごとに末っ子を邪魔者扱いしていました。
絵を描くのが好きな三男とはよく遊んでいました。
しかしある日
お兄ちゃん大好きの次男がある事を知ってしまったのです。
新しくお母さんになった人物__末っ子の実母__が
過去に殺人を犯していると。
部屋に人を閉じ込めて、火を放って殺したのです。
その事実を知った次男は震えました。
「アイツは殺人犯の息子なんだ」
「俺達は殺人犯の息子と暮らしてるんだ」
このことを長男に話すと、長男はこう言いました。
「ちょっと懲らしめてやろうぜ」
「アイツムカつくし」
長男と次男は、使われていない古い倉庫に末っ子を呼び出し閉じ込めました。
よく末っ子と遊んでいた三男もいました。
ライターで火をつけました。 40秒経ったら消すつもりでした。
しかし古い木造の倉庫は、20秒ももたずに炎に包まれました。
慌てて鎮火しましたが
倉庫の中にいるはずの末っ子の姿はどこにも見当たりませんでした。
末っ子はどうなったのか
3人の兄弟はどうしているのか
それは誰にも分かりません。
藤村
藤村
藤村
そう言って微笑む包帯少年。
しかし目は全然笑っていない。
辻村美花
藤村
藤村
今の話はフィクションなのか
彼は「包帯少年」から「死神」になるのかを
確かめる勇気は私にはない
ただその少年の訪れは
灰色に染まった私のキャンパスを
鮮やかな色で染め上げたのは確かだ。