僕
君
僕は君を愛していた。
それと同じように 君も僕を愛してくれていた。
それでも世界は残酷で
ある日を境に突然 君から、僕の 記憶が無くなってしまったんだ。
僕
君
君
僕
君
君
僕
君
君
僕
僕
「貴方の事を教えて」 と頼まれた通り
僕は君に 僕の事や僕達の関係を教えた。
僕達が付き合っていた事 君は僕に何をしてくれたかという事
沢山沢山教えた。
少しは思い出してくれるかな。
こんな僕でごめんね
どうしてなのかな
君は悪くないのにな
ごめんね 本当は知ってるよ
君
君
君
君が毎日 自分を責めて泣いてること。
ぼろぼろに泣いて 目は真っ赤になっちゃって。
何も悪い事なんかしてないのに
「なんでもないよっ」って 強がる君を見てられないよ
毎日毎日 ボロボロに崩れてく君の姿なんか 見たくないよ。
君が辛い思いをしないように 僕がちゃんと決めなくちゃ。
考えたこの結果は 間違ってなんかいないよな、
僕
君
僕の部屋に君を呼ぶ。 素直な君に口実なんか要らなかった。
僕
僕
君
言いたくないよ。
僕
君
言葉がつかえて 言いたいことが言えないよ。
僕
君
僕
君
先を越された。 君は苦しそうに笑っていた。
僕
君
君
君
君
君
君
君
僕
僕
僕
君
君
君
君
僕
君
君
僕
そうやって僕達は 幸せだった日常を手放した。
僕
君が楽しそうに 「ココア買ってきた!」 って袋から取り出したココア
冬に、一緒に飲んで 楽しく話す事はもう出来ない。
君が好きだって言ってた物 プレゼントしようと綺麗に包んだんだ
でも、あげる機会なんか無くて 今じゃ埃を被っているよ。
僕
僕
僕は君との思い出の品から 逃げていくように 外へ出た。
僕
淡い希望を抱いて ドアは少し開けたままにした
君に、過去に、縋ってばっかりだ。
君は今何をしてるのかな 泣いてるかな、笑ってるかな
笑って、幸せならそれでいいよ。
いいや、 きっと君は幸せだろうな。 きっとどこかで僕の事笑ってる。
君らしくないなって、 声を上げて笑ってるよ。
僕もそろそろ、前を向かなきゃね。
僕
ぼそっと呟いた言葉は 夏の風に掻き消されてしまう。
君に届けばいいのに。
本当に、ありがとう なんて、もう遅いよね
ごめんね 最後まで一緒に居れなくて、ごめん
また、新しい思い出でも作ってよ。 君が笑っていてくれれば それでいいから。
記憶がなくてもさ
思い出だけでも
君の事が好きだから。
ありがとう、ごめんね
次どこかですれ違う時 僕の事を忘れていても
覚えてるからさ。
僕
息を吸って零れそうな涙を堪える。
僕
僕
そんな、 何でもない夏の日だった。
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