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紫 side
真っ暗な意識の中で
誰かの手が…俺の手に触れるのを感じた
イルマ
少しだけ冷たくて
震えている
……泣いてる?
俺はその手を優しく握り返すと、
誰かは息を呑んだ
???
俺の名前を呼ぶ
優しい声
何度も聞いた声
そうだ…ずっとこの真っ暗な場所にいて
長いこと聞いていなかった気がする
イルマ
暗闇の中で、その手を強く握る
早く
…伝えなきゃ
俺は絶対いなくなったりしないって
重たい瞼をゆっくりと開ける
身体が痛い
重い
ラン
けど…
まだぼやける視界の中で
俺の手を握った主だけが、鮮明に見えた
イルマ
声がなかなか出ない
でも…とにかく安心させたくて
掠れた声で、その名前を呼んだ
イルマ
段々と意識がはっきりしてくる
綺麗なその顔が、涙で濡れてるのがわかった
ラン
イルマ
イルマ
涙を拭ってやるけど、
それは止まることなく…溢れ続ける
……待っていてくれたのだろう
ただそれだけが嬉しくて
力の入らない腕で
精一杯、らんを抱きしめた
イルマ
ラン
ラン
ラン
イルマ
イルマ
ラン
ありがとう
待っててくれて
そして、
イルマ
ラン
ラン
ラン
やっとお前に
ただいまって言えた
どれくらいそうしていただろう
長い時が流れて
泣き止んだらんは…俺から離れようとした
ラン
ラン
イルマ
心配してたんだからって
そう言う
中々に頑丈な俺が
2週間近くは目を覚まさなかったらしいし
イルマ
俺は…その手首を掴んで、引き留めていた
ラン
イルマ
イルマ
イルマ
ラン
ラン
イルマ
ラン
イルマ
その温もりを手放すのが惜しかった
イルマ
イルマ
らんはきょとんとした顔をするけど
わかった、と笑ってまた俺の寝ているベッドに座り直す
ラン
ラン
イルマ
ラン
揶揄われたけど…まぁ良しとしよう
俺だって人肌恋しい時くらいある
実際に久しぶりなわけだし
ラン
イルマ
らんは、特に何か話すこともなく俺のことを見守り始めた
お前は俺の母親かって、言いたくなったけど
イルマ
心から…安堵するような
何処か、幸せそうな
そんな目をしていたから、何も言えなくなる
思えば最初に出会ったときからずっと
俺はその綺麗さに惹かれ続けていた
正直…こんな痛い目に遭って
護衛の当番とか…そういう仕事もあって
以前よりも大変な目に遭ってるのは否定できない
けど、
イルマ
出会えて、良かった
彼女の瞳を見つめてから
一度息を吐いて、呟いた
イルマ
イルマ
ラン
イルマ
イルマ
ラン
イルマ
イルマ
白い手をそっと握る
心の中で、もう一度息を吐く
そして…心に決めると
目を離すことなく告げた
イルマ
少しの間が空くと
ラン
微かに溢れる声を、俺は聴いた
らんは…桃色の瞳を揺らして
嬉しむような、悲しむような
そんな何とも言えない表情を繰り返す
イルマ
俺はただ何も言わず
彼女の答えだけを、待っていた
ラン
そして時計の秒針が何度か回ると
らんは意を消したようにこちらを向く
何処か…寂しそうに笑った
ラン
その答えは、俺の求めていたものだけど
きっと…
イルマ
違う意味の好き
ラン
ラン
ラン
イルマ
ラン
ラン
ラン
ラン
ラン
それが…らんの答えだった
けど…
イルマ
その苦しそうな表情を、俺は見逃さなかった