私たちは幸せを願います

窓側にいる人はただ静かに外をみていた

私には気づいてないようだ

薄っすらと"妖力"が感じられる…

だから多分妖怪の類いだ

でもその妖力は

どこか"懐かしくも"感じれた

だがその妖力は霊力が混じった

少し歪んだような妖力だった

その誰かはボソボソと何か言っている

上手く聞き取れないが

思い出を思い浮かべてるような感じがする

そんなこと考えてるとその黒い着物の人が

こちらを振り返った

目は合わなかった

なぜならフードを深く被っていて目が見えなかったから

でも髪色は多分だけど黒だと思う

暗くてよく見えないけど

表情は多分無表情に近いかもしれない

振り向いて私のことを気づいたみたいで

正面に向き直していた

正面から見た服装は

黒いけど色鮮やかな色の模様の着物や飾りを身にまとっていた

不思議な点は着物にフードという点だ

そんなことを考えてると目の前の人が

口を開いた

その瞬間空気が重くなった

「悪魔の問いかけ」

その名前が私の脳裏をよぎった

親……必要だと言えば嘘になる

だから答えは…

「悪魔の問いかけに答えた者はﾀﾋぬ」

その言葉を思い出した

そう考えてると

ガチャ

噂が本当なら私は確実にﾀﾋぬ…

簡単すぎる

そう感じてしまった

お菓子作りも難しい

でも

何かを困らせるとか無理難題を押し付けるとか

そういうのではなかった

そう言うと"悪都"さんは窓側に腰を掛けた

そして昔ながらの和紙でできた手帳を取り出した

やり方…

"昔"と変わらないけど…

そう言い､悪都さんは背中から倒れるように

窓から落ちていった

急いで窓に寄り下を見たが

そこには誰も…いや歩いた後さえもなかった

兄は何かを呟いたが私にはなんて言ったか聞こえなかった

ただ…

これはある人が得意としてた移動方法

それだけはわかった

いつも通りの会話をし

その日は幕を閉じた

翌日

3-a

昨日のことと言い"夢"のことといい

ここ最近は不思議なことしか起きていない

悪魔の問いかけは一応安全っぽそうではあった

でも全てがあってるとは考えにくい…

おはようございまーす

………季節外れすぎない？

今は夏。

憂鬱の梅雨が明けた辺りだ

ｶﾞﾗﾗ

音を立て入ってくる人物は………

完全に昨日の子と一緒だった

※小声です

1〜6時間とばす

ガラッ

[兄妹組] 天羽だよ/私です

キーンコーンカーンコーン

……

なんで…

"名前"言わなかったん？