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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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───ある雨の日───    

蒼井百合子は、殺人事件のあった寂れた公園に来ていた。

時刻は午後五時頃。

少し薄暗くなってきたせいか、辺りは不気味な雰囲気に包まれている。

蒼井百合子

(日が落ちるまで、あと少し──)

  夕日を目で追いながら、百合子はカーディガンのポケットからスマートフォンを取り出した。

それを胸の高さで握り締め、その時が来るのを待つ。

そうしている内に時は過ぎ──

唐突にその時はやって来た。

突然、百合子のスマートフォンが鳴ったのだ。

蒼井百合子

!!

百合子はすぐにロック画面を解除し、チャットを開く。

一件のメッセージが送られてきていた。

???

初めまして

蒼井百合子

初めまして

蒼井百合子

蒼井百合子

突然ですが

蒼井百合子

……あなたが殺人鬼ですか?

???

──おやおや

???

初対面の人に殺人鬼、なんて──

???

普通そんな事を聞くかい?

蒼井百合子

ごめんなさい

蒼井百合子

蒼井百合子

(普通じゃない、ね──)

蒼井百合子

その通りですよ

???

フフフ

???

面白い事を言うね

蒼井百合子

……………

蒼井百合子

それより、私はあなたにお願いがあって来たんです

蒼井百合子

あなたが殺人鬼、ならね

???

???

ハッハッハッ

???

君に名乗る義理はないよ

???

どうせ知っているんだろう?

蒼井百合子

蒼井百合子

確信はない

蒼井百合子

けれども──

蒼井百合子

蒼井百合子

………!

何者かの視線を感じ、百合子は顔を上げる。

蒼井百合子

(気の……せい?)

蒼井百合子

(いいや、そんな筈は)

蒼井百合子

百合子には分かっていた。

ここに、今チャットをしていた人物がいる事を。

そしてとうとうしびれを切らし、叫ぶ。

蒼井百合子

ねえ!

蒼井百合子

居るんでしょう!!

蒼井百合子

分かってるから

蒼井百合子

姿を現して!

反応はない。

だが、しばらくすると──

???

クフフフ

どこからともなく聞こえてくる声。その声に百合子は耳を澄ます。

???

よーく、分かったね

蒼井百合子

!!?

百合子が後ろに振り向くと

そこには仮面を被った背の高い男が立っていた。

蒼井百合子

ぁあ……、

震えが止まらない。百合子は胸のペンダントを握り締めながら男を見る。

人を嘲笑うかの様な不気味な仮面。 何しろ、気配を感じられない。

全てが異様だった。

???

頼み事があると言っていたが

???

言ってごらん?

???

アオイユリコ

蒼井百合子

!?

蒼井百合子

何で私の名前を──

蒼井百合子

(チャットも偽名を使っていたのに……)

???

クフフ……

???

用がないのなら

???

通報されても困るし

???

この場で死んでもらう

蒼井百合子

蒼井百合子

!………

蒼井百合子

本当に、殺してくれるの?

???

私は殺人鬼だからね

蒼井百合子

蒼井百合子

なら──

蒼井百合子

私を、殺してくれますか?

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