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…京治。母さん仕事行ってくるからね。

赤葦

……うん…。

家でも部屋に引きこもるようになった俺に、母さんは遠慮がちに声をかけて出て行った。

これでまた夜まで1人だ。

頭までかぶった布団からそっと這い出す。

こうして親がいない間に、誰かが押しかけて来て暴力を振るっていくことも日常茶飯事だ。

今日もまた、誰か来るんだろうな。

自分の部屋で一日中ただ膝を抱えて惚けていると、放課後の時間帯になった。

赤葦

そろそろ、かな…。

そう思った途端にインターホンが鳴る。

まあ、出て行かなくても鍵は開いてるし、奴らなら勝手に入って来るだろう。

顔を膝にうずめたまま、足音が近づいてくるのを聞いていた。

赤葦

……3人…かな。

足音が部屋の前で止まる。

いつものように散々殴られ蹴られることを覚悟してギュッと目を瞑ると、聞こえて来たのは予想外の声だった。

木兎

……赤葦…?

赤葦

…っ!?

驚いて、息が止まりそうになった。

まさか、木兎さん達まで…。

…そっか、俺のこと疑ってたもんね。木兎さん仲間想いだから、裏切ったやつ許さないよね。

木兎

ねえ、赤葦。いる?入るよ?

恐怖から、悲しさから、辛さから声が出なかった。

はあはあと荒い息をしながら俺はゆっくりと開くドアをジッと見ていた。

鼓動が速くなり、視界が狭くなっていく。

ドアが開ききって、木兎さん達が入ってきた。

その姿を見た瞬間俺は感情に支配されて、思わず木兎さん達に向かって叫んだ。

俺は、俺の大事な物を壊した。

木兎

どうした!?

あの日、叫び声が聞こえて木葉達と部室に駆けつけると、めちゃくちゃに荒れた室内の床に押し付けられる赤葦の姿があった。

…なにこれ、どういうこと?

なんで赤葦が押さえつけられてんの?

猿杙

え…赤葦。その手に持ってるのって…

あれは…俺のシューズ?

嘘だろ…。

木葉

木兎の…だよな。

小見

おい、赤葦。お前まさか…

赤葦

違う!!俺はやってないです!!

赤葦は必死に押さえつけるてを振り払い、俺にすがりついてきた。

赤葦

木兎さん、信じてください!これやったのはこの…っ

佐原

俺たちが来たら、赤葦がもの壊してたんだよ!だから俺ら、必死に止めたんだ!!

赤葦

そんな…っ!

助けを求めるような眼差しで俺を見上げる赤葦に、俺は言った。

木兎

赤葦……お前がやったの?

赤葦は絶望したような顔をして、俺を押しのけて飛び出していった。

鷲尾

赤葦っ…!

俺はただ、そこに呆然と突っ立っていた。

木兎

赤葦…嘘だろ……

目の前には、ハサミが突き刺さった俺のシューズが転がっていた。

嫌われ梟と檸檬と太陽

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