それからすぐに赤葦は退部になって、あの日以来一度も顔を合わせていない。
俺たちレギュラーメンバーは普段から仲が良くて、昼はいつもみんなで屋上で食べるのが習慣だった。
本当なら、そこに赤葦もいるはずだった。
赤葦のことを考えると話す気にはならず、集まっても一言二言交わすだけになっていた。
しんと静まりかえる中俺は、なんであんな言い方をしてしまったのかと後悔していた。
あの時、赤葦を庇えなかった自分が憎らしく思えた。
木葉
木兎
突然木葉は床を拳で殴りつけた。
木葉
木兎
小見
小見も俯いて唇を噛みしめる。
メンバーはそれぞれが悔しそうにして、自分を責めていた。
猿杙
鷲尾
俺たちがあの日、一瞬でも赤葦を疑ったせいで、アイツは傷ついた。ついに学校に来なくなった。
……俺たちのせいだ…。
木兎
猿杙
木兎
立ち上がって叫ぶと、みんなもそれに賛同してくれた。
大勢で行くのは良くないということで、俺と木葉、小見の3人で行くことにした。
木兎
インターホンを鳴らしたが、家は静まり返っている。
鍵は開いていたので、一応声をかけて中に入った。
赤葦の部屋の前に立ち、そっと名前を呼ぶ。
木兎
何も返事はない。
木兎
わずかに、震える吐息が聞こえて来た。
ゆっくりとドアを開けると、部屋の中には床にへたり込んだ赤葦がいた。
その表情はひどく怯えていて、俺たち3人はそんな赤葦を見て息を飲んだ。
…ここまで、俺たちは傷つけていたのか……と。
木兎
赤葦
木葉
赤葦
赤葦は、俺たちに向かって叫んだ。
小見
赤葦
小見
赤葦
赤葦は顔を歪めて叫び続けた。
赤葦
木兎
赤葦
木兎
俺は遮るように叫んだ。
木兎
赤葦はハッと顔を上げた。
赤葦
俺はぎゅっと赤葦を抱きしめた。
木兎
赤葦
強張った赤葦の体から徐々に力が抜けた。肩が小刻みに震えている。
木葉
小見
赤葦
震えがだんだん大きくなる。
木兎
赤葦
赤葦は、俺の腕の中で泣きじゃくった。
俺も、木葉も、小見も…その場の全員が泣いていた。
落ち着いた頃、赤葦はポツリポツリと語り始めた。
コメント
6件
木兎さんありがとう😭😭
この話は好き
コメントありがとうございます✨この話はあと2話くらいで終わる予定ですが次の話も考えてます