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ＳＡクラス

第32話 - 赤い月の狐

2024年08月03日

#オリジナル

#二次創作を作ってください

#ＳＡクラス

アダバナ

千夏

夜空君！！

千夏

（間に合え！！）

広叶

…

夜空

…！？

千夏

くっ…！

夜空

[目鳥に、ふれる]

目鳥

ポォォォ！？
[触れた瞬間に消える]

光太

え…？

千夏

やっぱり…君だったんだ…
[夜空にゆっくり近づく]

光太

どういう事？

広叶

光太様は、すべてを無に戻す能力者の事を、調べておりましたよね？

夜空

[目元を暗くする]

千夏

全てを無に戻す能力を保有する…、暁月夜空君？

夜空

…いつから？

千夏

最初に、出会った時から。
…君、クロの能力を見ても驚きもしなかったでしょ？

千夏

あれって、前々から知っていた。もしくは、
空から能力の事を聞かされていた…

千夏

あ、確信を持ったのは、今さっきだよ

光太

今さっき？

千夏

夜空君は、加盟国内での決まりを知っていた....。
保持者じゃないと知り得ない事だ

夜空

…お姉さんが、正体に気づいている事は、薄々感づいてたよ

千夏

なら…

夜空

でも…大人しく引き下がるわけには行かない！！！
[鈴を取り出す]

夜空

“天変地異”！！
[鈴を鳴らす]

広叶

…！？

広叶

なにを！？

千夏

やめなさい！！！
[鈴を取り上げようとする]

血原

……お前らしくねーぞ
[魔法で千夏を拘束する]

夜空

もう…戻れないんです…
[千夏を見る]

千夏

…ｯ！？
戻れないって…！？

樹

…

光太

どういう事…？

光太

うっ！？
[血原に投げられ、馬乗りにされる]

血原

安心しろ、坊っちゃん。
…君には、危害は加えない…動かなければな
[喉元にナイフをつける]

光太

…！？

千夏

やめなさい！！！！

夜空

…ごめんね、お姉さん…
[哀れみの目を向ける]

千夏

ｯ…！？
夜空君…？

パリーン（空間が割れる）

夜空

…
[かけらにふれる]

夜空

結局…僕に気づいているのは…お姉さんだけだったか…

血原

坊ちゃん。……それから、記憶を抜くと誰も坊ちゃんの事を
気づかなくなる…。いいのか？

夜空

…別に…お姉さんは…
[しゃがんで、横になっている千夏の頭を撫でる]

血原

…巻き込みたくないのは、同じ気持ちだ

夜空

珍しい…

アーシア

全く…。こんなところで昼寝とは、いい度胸ですね。
…幹部殿？

千夏

…ｳｯ…ここは？

アーシア

何寝ぼけた事言ってるんです？
依頼主との、面談時間です

千夏

だって…さっきまで…。
（あれ…？さっき…）

アーシア

…なにか？

千夏

あ、いえ…

光太

あの〜…この人は？

アーシア

特殊警察所属、アーシア・オルランドです
貴方が、楠木さんですね？

光太

日本語お上手ですね

アーシア

ふふっ。ハーフなので、ある程度は教わりました

光太

へー

千夏

それで…依頼主は？

アーシア

…はは

千夏

アーシアさん、教えてください

アーシア

[扇子を取り出し口元を隠す]

千夏

…まさかとは思いますが…

アーシア

ho i postumi di sbornia…
（二日酔いです…）

光太

？？？

千夏

やっぱり…

アーシア

今日の所は、お引き取りください。
…よる所が、他にもあるのでしょう？

千夏

えぇ

アーシア

それなら…。
彼を貸してください

千夏

へ！？

光太

え？

アーシア

この子、イタリア語も分からないのでしょう？
…私の元にいたほうが、貴方も安心でしょう

千夏

そうですけど…

アーシア

それに、魔法だって精度を上げられる。
…利益しかないでしょうに

千夏

…わかった

光太

え、拒否権は？

千夏

ないわよ

アーシア

というわけで、いってらっしゃい〜

千夏

…

光太

あの！
…なんで、僕を？

アーシア

…君は、何を知っている

光太

…？

アーシア

君しか知らないことがあるはずだよ。
…例えば…月島樹とかね

光太

樹が…何をしたっていうの…！？

アーシア

別に、特に何もしてないわよ。
ただ、君がその反応をするって事は…やましい事でもあるのかな？

光太

あるわけ無い…！！
だって、樹は！！！

アーシア

『僕の事を助けてくれた』…でしょう？

光太

……っ！？

アーシア

君の事を調べさせてもらった。
…君は、過去に……

光太

やめて…ください

アーシア

…じゃ、協力してくれる？

光太

協力？

アーシア

そ、協力。
…どう？

光太

…

少し前

広叶

え、協力を持ちかけられた時の対処法ですか？

光太

はい…

渉

…自分に利益があるかどうかで考えてみろよ

光太

利益？

渉

協力って事は、こちらも多少動かなくちゃならない

広叶

こっちは体力も使わなきゃなりませんからね〜。
利益を基準にすれば、無駄な事が省けるんですよ―

光太

なるほど…

渉

ま、お前はお人好しだからなー

広叶

うんうん

光太

…

アーシア

どう？

光太

内容は？

アーシア

…期待しても良いって事かな？
君は、何もしなくて良い。ただ…

光太

ただ？

アーシア

……いやね、思い出しちゃって…。
私ね、弟が居たの。ちょうど、君ぐらいの

光太

へ？弟さん…？

アーシア

君とよく似ていてねー。
……日本人特有の黒い目が綺麗だった

光太

それが…なにか関係が？

アーシア

いや、関係はないよ。
…でも…よく似てる…

光太

あの、内容は…

アーシア

あぁ、そうだったね…。
君がそのまま、あのクラスで過ごす。
これが、君の役割かな？

光太

なんで…？

アーシア

ふふ…ｗ言ったでしょう？弟に似ているって…
あの子、私を置いて死んじゃったからね

アーシア

12の時よ。今から、３０年も前のはなしだし…
忘れてもいいのにね、亡霊を追うだなんて馬鹿らしい…

光太

亡霊なんかじゃない…。
弟さんは、アーシアさんの近くにいつも居ますよ

アーシア

…優しいのね〜

光太

母が教えてくれました。
『死んだ人を思い出すのは、その人が近くにいる証だ』って

光太

だから…

アーシア

…ありがとう。楠木くん

千夏

....異常気象ね…

血原

そうか？

千夏

今は冬よ、バカが

血原

…こっちでも桜は咲くんだな

千夏

偉いわよねー

血原

…それで？見当はついたのかよ

千夏

もちろん。千年に一度の能力者でしょ？

血原

…わかってんのかよ…

千夏

千年に一度って事は、それほど強い能力。
総理が言うには、『思った事を実現させる能力』

千夏

つまり、心だ。
今まで、きちんとした実害がないのは…

千夏

心音の能力者である友樹さんが、常に管理しているという事。
それほど、密接な関係性な人間

血原

それだけで分かるのかよ…

千夏

…私をなめないでくれる？これでも参謀よ

血原

そういや…そうだったな…

血原

んで？なんでここに？

千夏

うふふｗ、ただの気まぐれよ。それに、色んな物の正体もしれたし

血原

正体？

千夏

うん

叶

ムー…
[薬品箱を凝視する]

渉

叶ちゃん、これとかどう？

叶

いいね。…でも偽物よ、それ

渉

へー…よくできてるねー

叶

でしょ？…最近の魔法薬って言うのは見分けづらくなっているのよ

店員

へー…よく分かりましたね

叶

魔法は詳しくないけれど…薬の知識はあるわよ

店員

こんな若いお嬢さんにも、薬学の知識があるとは…

叶

…にもって事は、前に長寿の方が来たのかしら？

店員

…えぇ。ちょうど壱時間ほど前に。
サングラスをかけた青年と…

店員

お嬢さん達と同じ制服を着た子でしたね

渉

同じ？…店員さん、それって…こいつか？
[スマホで写真をみせる]

店員

あー、そうですね。この子達です

叶

え……これって…でも、あの子ならくる動機がある…

渉

問題は樹だ。彼奴が来る理由がない

叶

だよね…、ねぇお姉さん、さっき『長寿の人が来た』って言ってたわよね？でも、お姉さんが説明したのは青年と、私達と同じ制服を着た子達だけ…。青年が長寿の人だと思った理由ってなに？

店員

私の父の祖父の代からこの店はあるのですが…幼い頃、その青年がよく来ていて…。
それで、見た目も今日まで変わっておらず、不老不死関連の人であろうと思ったまでです

叶

…ラミ側には、千年を生きたヴァンパイがいる…まさか…千夏は…

渉

裏で手を組んでる。…そう言いたいの！？

叶

でも…まだ、核心が…

店員

…もしかして…まずいこと言っちゃいました？またやっちゃった…

叶

また？

店員

あ…聞こえてた…。
私、前々から一言余計ってよく言われて…

店員

私の一言で別れたカップルが何組いることか…
[頭を抱えて涙ぐむ]

叶

それは…まぁー…

渉

大変ですね…

店員

ぐすっ…

叶

…ん？椿からメールだ…

叶

なになに？『叶様へ、早く帰ってきてください？所で人の言いつけも守らないで』
……だめだ、読みたくない

渉

怒りの長文が…え、まって、これ矛先俺にも向いてない？

叶

ごめんなさい、お姉さん。帰らなきゃいけないので…
また今度お邪魔します

店員

はい、またのご来店お待ちしております

渉

お姉さん、名前は？

浅野

浅野四葉といいます、以後お見知りおきを

椿

で？

叶

…椿に何も伝えず、魔法薬を観に行きました

椿

素直でよろしい

光太

あの…僕らを集めた理由は？

アーシア

それは、私から説明しましょう

光太

アーシアさんが？

総理

『具体的には、ワシからだがな』
[アーシアのスマホから電話を]

広叶

総理、国内でなにか在ったのですか？

総理

『例の爆破事件…、こっちでも起きてな』

千夏

…被害は？

総理

『近くにいた、政府構成員とメンバーが軽症を負ったぐらいだな。
　安心しろ、民間人には被害はない』

千夏

…よかった…

総理

『じゃが、メンバーだけでは対処が難しい』

光太

僕らで対処出来ないって…

千夏

正確に言えば、前メンバーだね

樹

……え、どこが違うんだよ

千夏

現メンバーって、今で言ったら私達第3期生。
前メンバーって言うのは、第2期生とか先輩方の事よ

アーシア

というわけで、帰国するメンバーを決めます

千夏

そうねー…叶と…広叶…椿もかな？

椿

承知しました

広叶

りょうかーい

叶

私もいいよー

渉

危険すぎやしないか？特一の叶ちゃんが帰国するほどか？

千夏

国内でも起きたって事は、今後も起こるかもしれないでしょう？
叶には、道具が揃っている状態で全力で対抗してもらいたい

千夏

それに、それが戦う時の礼儀ってもんでしょう？

渉

…そうだな

光太

僕と樹は？

千夏

こっちに残ってもらうよ

光太

拒否権はないパターンだ…

千夏

逆に、拒否権あった時あった？

光太

ないですね

総理

『飛行機は手配したから、帰国するメンバーは荷物をまとめて飛行場へ』

広叶

はい

千夏

…広叶、失敗は許されないわよ

広叶

どの口が言っているのでしょうね

総理

…[タバコを咥えて遠くを見つめる]

友樹

総理…、報告に来ました

総理

ん

友樹

けが人は、１０人程度。
全て、政府構成員です

総理

民間人への被害はないね？

友樹

…一時交通機関が麻痺した程度です

総理

大分被害言ってるけど！？

友樹

あ、そうそう…広叶達が帰国しました。
現在椿と広叶は夫人と一緒に事件現場へ

総理

叶くんは？

友樹

必要なものを揃えているそうですが…

総理

そうか…君も一本どうだい？

友樹

........いえ、遠慮しておきます。友人に止められているので

総理

なんじゃ、つまらん

友樹

ハラスメント扱いになりますよ？

総理

生きづらい世の中じゃなー

友樹

…そうだ…別件ですが…

総理

なんじゃ

友樹

アーシアさんが…

総理

いやじゃ、聞きとうない

友樹

『いつまで指を咥えて見ているんだ』…だそうです

総理

『うるせぇ、だまれや』て返しといて

友樹

では『好きで見ているわけじゃない』って返しておきますね

総理

流石、友樹君。…話が通じて助かるわい

友樹

話は通じてませんよ、心を読んだだけです

総理

…能力は使っていないじゃろ？
[第1ボタンを開けペンダントを取り出す]

友樹

…六芒星…魔除けですか

総理

光太君が身につけているものと同じ物じゃ。
どの程度効果があるか自身の身を持って知ったわい

友樹

なるほど…どうりで心が読めないわけだ

総理

能力に対しても効果があるとは…驚きじゃな

友樹

うちの弟すごいでしょ？

総理

血は繋がっていないであろう？

友樹

そうですけどねー。…だからこそ、誰にもあげない。
例え達也さん、あなたでもね？

総理

独占欲が強い人間は、嫌われるぞ

友樹

独占欲…ねぇー。俺は、彼奴に幸せになってほしいだけ。
それは全人類が大切な人に抱く適した感情でしょ？

総理

そうかい、なら…空回りしない事を願うよ

広叶

…酷い火薬の匂い…
[袖で口元を押さえる]

椿

爆弾は…この場所で起爆したと

秋江

えぇ…周辺住民に被害がなくて良かったわ

広叶

不幸中の幸いですか…

秋江

政府の人間が、市民から通報を受けて駆けつけたのよ。
爆弾が入った箱は…そこの植木の…ここ、ちょっと見づらい所に合ったわ
[植木を指差す]

椿

…なぜこんな所に…
もとより民間人を狙ったものではなかった？

広叶

だとすると…何が目的で…

秋江

もしかしたら、こうして私達が来ることが目的なのかしら

広叶

と、言いますと？

秋江

SAクラスのメンバーは、表向きには公表されていない。
もし、犯人が政府や総理を殺したり、損害を出させる事が目的なら…
一番邪魔になるのは、国家を守る事が義務の貴方達…SAクラスのメンバー…

椿

なるほど…

広叶

だとするなら…この場にいるのは相当危険ですねー。
誰か顔を見に来ているかも

秋江

…とにかく…叶ちゃんの所へ行きましょう？防犯カメラの解析をしているはずよ

広叶

『と、言うわけです』

千夏

なるほどねー

広叶

『なにか気になることは？』

千夏

…私達メンバーの顔を見るのが目的なら…こっちで事件を起こさない？

広叶

『総理曰く、戦力を削ぐのが目的だそうです。
…千夏様は今どこに？』

千夏

私？…私はー…蝶野さんの妹さんに会いに来てるわよ

広叶

『妹居たんですね、あの人』

千夏

妹というか…それぐらいかわいがってた…っていうか…

広叶

『複雑そうですね』

依梨

うぅー…日光嫌い…

千夏

あ、ごめん。切るわ

広叶

『はい、何かわかり次第連絡します』

千夏

はーい。
…すみません、わざわざ

依梨

いえ…日光が少ない時間に来てくれて嬉しいです…

光太

あの…この人は？

千夏

えりさん。
欧州特殊警察サイバー対策課のリーダーよ

アーシア

あと、私の後輩ー

依梨

なんで…オルランド先輩まで…

アーシア

一ヶ月も欠勤されたら来るに決まってるでしょう？
あと、私一人で来ると追い返されるし

千夏

依梨さん、解析してほしい物があるんです

依梨

…何でしょう…

千夏

これ…なにかわかります？
[USBメモリーを取り出す]

依梨

メモリーですね

千夏

爆破事件の現場で発見されたものです。
…もしかしたら、なにか重要なものが入っているかも

依梨

…お代は？

千夏

京都の老舗和菓子店のお団子と抹茶でどう？

依梨

…では、そこに最中もよろしくお願いします

千夏

オッケー、任せて！

光太

意外と甘党…？

依梨

んー…タイプは少し前のやつだねー

千夏

どれくらいあれば終わりそう？

依梨

…そうねー…多くて１時間かな

アーシア

まぁ、リーダーだもんねー？スノードロップちゃん？

依梨

その異名はよしてください、先輩。
…泣きますよ

アーシア

え、メンドイ

千夏

んじゃ、その間に…。依梨さん、蝶野さんが裏切った理由、ご存知ですか？

依梨

…なんで、あの人の名前が？

千夏

妹に当たるあなたなら、分かることがあるのかなって

依梨

義理ですよ、姉の婚約者の姉に当たるだけです。
それに…姉と婚約者は死別していますし、私の義姉にももう当たらないでしょう

アーシア

厳しいこと言うのね

依梨

事実でしょう。
…解析が終わり次第連絡します

アーシア

あらあら....まさか、それだけで仕事が終わるとでも？

依梨

…まさか…

アーシア

USBメモリーは、あくまでSAクラスからの依頼。
あなたが休んでいたあいだの仕事は溜まりに溜まっているのよ？

依梨

それが終わるまで居座るのですか？

アーシア

もちろん

光太

アーシアさんって、もっと冷静で冷酷な方だと…

千夏

部下とかに対してはあんな感じよ。
…特に総理相手だと子供みたいよ

ＳＡクラス

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アダバナ

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