TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

南方 葵

こ…っ

……光じゃなかった.

振り返ると、そこに

立っていたのは

見知らぬ男性だった.

男性

君可愛いね.

男性

1人で来てんの?

男性

俺と一緒に行かない?

いわゆるナンパだ.

予想通りの展開に、思わず

苦笑いをしてしまった.

金髪に、いかにも

チャラチャラした服装.

派手な外見に圧倒されながらも

南方 葵

いえ、結構です…

と恐る恐る断った.

男性

いいじゃん!行こうよ!

すると、そう言って

強引に腕を引かれた.

恐怖で固まる身体.

まずい…と思ったその時だった.

井口 光

俺の彼女に

井口 光

何か様ですか?

聞き覚えのある声.

そこにいたのは……

光だった.

男性

チッ、男連れかよ

と舌打ちをして

去って行くナンパ男の姿なんて

目に入らなかった.

私の瞳が、光だけを捕らえる.

真剣な眼差しをした光を

真っ直ぐに見つめた__

井口 光

大丈夫か?

光の声で、わたしは

ハッと我に返った.

さっきまでの恐怖心から

解放されたように一気に

肩の力が抜けていくのが分かった.

光、助けてくれたんだ…。

それに、私のこと

"彼女"って……。

助けるために

言ったことは分かっていた.

だけど…心なしか私の胸は

ドキドキしているみたいだった.

そういえば、

お礼…言わなきゃ!

そう思った時だった.

井口 光

お前って、相変わらず

井口 光

どんくさいよな

南方 葵

…は?

井口 光

隙ありすぎなんだよ…

不機嫌そうな低い声.

心ない発言に

思わずカチンと来る.

さっきまでの

ふわふわした気持ちは

どこかへ行ってしまった.

南方 葵

何でそんなこと言うの?

南方 葵

だいたい、光が

南方 葵

遅刻しなきゃ

南方 葵

こんなことに
ならなかったじゃん!

井口 光

遅刻したのは悪かったよ

井口 光

でも、どうしても

井口 光

外せない用があって…

言い合いが勃発してしまった.

お互い、荒ぶっていく

声のトーン.

道行く人達が、不思議そうに

ちらちらとこちらを見ていた.

南方 葵

用事って、どうせ

南方 葵

女と一緒に
居たんじゃないの?

井口 光

はぁ?ちげーし!

私の言葉に、反発する光.

南方 葵

用があるなら

南方 葵

誘ってくれなくて

南方 葵

良かったのに…

言い合いの末

雰囲気は最悪だった.

気まずさに耐えかねて

居ても立っても

いられなくなった.

南方 葵

もう帰るね…

と呟き、光に背を向けた.

井口 光

待てよ…!

突然、掴まれた腕.

まだ、何か嫌味言う気?

だけど…光が発したのは

私の予想を遥かに超えた

言葉だった.

井口 光

…好きだ…………!

南方 葵

え………?

何?今の.

わたしの聞き間違い?

だって、光の口から

"好き"なんてあり得ない.

私は戸惑い

何も言えずにいた.

すると、光が再び口を開いた.

井口 光

昔からずっと好きだった

井口 光

ナンパされてるの見て

井口 光

ムカついて…

井口 光

つい言い過ぎた.

井口 光

ごめん……

うそ……。

私は、驚いたような

信じられないような

気持ちのまま、ただ

黙っていることしか

できなかった.

井口 光

今日の祭り、どうしても

井口 光

葵と一緒に
来たかったんだ.

井口 光

これが……

井口 光

最後だから.

え………?

"最後"って何?

何だか胸の奥がザワザワする.

嫌な予感がする.

南方 葵

それって

南方 葵

どういう意味……?

井口 光

いや、何でもない…

私の質問に答えることなく

そう言って、笑顔を見せた.

井口 光

今日はもう帰ろっか.

井口 光

送ってく.

南方 葵

うん……

そしてこの日は解散になった.

何だかんだ優しい光は

家まで送ってくれたけれど

結局、楽しみにしていた

花火を見ることは

できなかった.

♡きたら続き出します!! 読んでくれて📖 ありがとです!!☺︎ ぜひ他のも 見てみてください!!

loading

この作品はいかがでしたか?

302

コメント

2

ユーザー

続きがとても気になります😿💗

ユーザー

こうゆう告白が1番好き😍

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚