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2nd stage 永遠に続く迷宮 人の一生は短く儚い。多くの人間を見てきた彼女らにとって、人間とは一体どのような存在だったのだろうか。

霊夢

あら、ここどこかで見たことある気がするわ

霊夢

なんだか懐かしいわ…何年前の何処だったかしら?

飛んでいるうちに霊夢は木が生い茂る森林に入った

幾千幾万の葉で地上は覆い尽くされ、日光は一筋も入らない

そのせいか独特の匂いが辺りを漂っているようだ

霊夢

何なのかしら、つっかえて記憶が出てこない

霊夢

3年前?いや、もっと前かしら…?

そうね…大体20年前かしら

霊夢が記憶を辿っていると、どこからか聞き馴染みのある声がした

霊夢

その声は─────

八意永琳

久しぶりね、言われなくとも分かると思うけど

八意永琳

八意永琳、元月の民…といったところかしら

軽く自己紹介を済ませると永琳は続けて話した

八意永琳

懐かしいわね、“永夜異変”

八意永琳

勘違いに勘違いが重なってできた、ある意味奇跡的な異変だったかしら

霊夢

そうね、あんたが首謀者だったわね
今回も首謀者だったり?

八意永琳

首謀者なわけないでしょう?私は今回はこの辺の警備を任されているだけよ

霊夢

また警備?あの異変の時も結局警備役だったじゃない

八意永琳

あの時と今は違うのよ
まずそもそもあれは追ってきた月の民を入れないためにトラップを作っただけよ

霊夢

結局大結界があるから意味無かったけどね

鼻で笑う霊夢に愛想を尽かしたのか、思わず溜息が出る

八意永琳

…まあいいわ、今回は月の民を入れないためではないの

霊夢

じゃあ誰なのよ、何で私が足止め食らっているのよ

不服そうに眉をひそめる霊夢を見て永琳は笑いそうになるのをなんとか堪えた

八意永琳

気付かなかったかしら?

八意永琳

人間を入れないため、よ

霊夢

……は?

戸惑う霊夢には目もくれず、永琳は不気味な笑顔を浮かべながら話した

八意永琳

さて、またあの頃みたいに決着つけましょ?

八意永琳

“弾幕ごっこ”で、ね

霊夢

あっはは…そっちがその気なら容赦せずにいかせてもらうわ

そうして2人の幻想少女は堂々とした態度で真正面から弾幕ごっこを始めた

八意永琳

天丸 壺中の天地

霊夢を若干狙っているような赤と青の粒状の弾幕が出てきた

それだけではなく、使い魔まで出てきてしまっている

本来なら先程の数倍以上避けにくい弾幕だが、霊夢は全てを見通しているかのように軽い身のこなしで避けてみせた

八意永琳

あら、上手くなっているじゃない

霊夢

あの時とは違うのよ、もう随分経っているから流石に成長するわよ

八意永琳

さすが人間ね…そういうの、本当に厄介だわ
ちょこまかと動いて…潰したくなるわ

霊夢

やっぱり相手には避けられてさらに負荷を与えつづけられていると、ご老体に応える感じ?

いたずらっぽい表情で見てみると、どうやら永琳を怒らせてしまったようで、少し震えていた

八意永琳

ごごごご老体!?失礼ね…

霊夢

いや、事実でしょ

八意永琳

あああもう!!聞かれてたらどうするのよ

霊夢

私達以外に誰かいるの?

八意永琳

うるさいうるさい!黙らっしゃい!

八意永琳

天呪 アポロ13

そう言った瞬間、霊夢は永琳を睨み付けた

霊夢

はぁ…本気なのね

八意永琳

そうよ、絶対に絶対に絶対に人間なんて入れられないから

八意永琳

例え異変解決に来た巫女だとしても、正義の味方だとしても

八意永琳

絶対に入れさせないから

2つの固定交差弾がランダムな角度で交わっている

弾密度が高く、軌道もかなり読みにくい

いくら歴戦の巫女とは言えども、本気で妨害しにくる相手の迫力に押され、少し動きが鈍くなっている

霊夢

はぁ…はぁ…厄介なスペルカードを使ってきたわね

八意永琳

お褒めいただき光栄です〜

霊夢

褒めてないわよ

その後も決着はなかなかつかず、両者とも疲れが表情にも動きにも本格的に見えてくるようになってしまった

八意永琳

粘るわね…

霊夢

こっちは町の何千人もの命を守るために戦っているのよ、当然よ

八意永琳

あらそうなの、ふふっ…

突然笑いだす永琳に霊夢は警戒した

霊夢

何よ…突然笑って

八意永琳

霊夢は「アポロ13号」の存在を知っているかしら?

霊夢

ええ、勿論
月面着陸を目指していたときに宇宙船機械船の酸素タンクが爆発して宇宙船の酸素とかの供給が損なわれたあれでしょ?

八意永琳

あら、意外と知っているのね
その事故のせいで月面着陸は中止になって計画失敗に終わったわよね

霊夢

それがどうしたのよ
ここはアメリカじゃないわよ

じりじりと弾幕が体力を削っていく

本当なら今すぐにでも抜け出したいのだがただのお遊びでもないため、徐々に鈍く重くなる身体に鞭を打って避け続けるしかない

それすらも限界に近づいていたとき、ようやく永琳が口を開いた

八意永琳

あなたの計画も「失敗」に終わるわよ

先程までの疲労はどこに行ったのやら、弾幕はさらに加速し密度を上げ軌道もよく分からなくなっていった

元から限界に近かった霊夢は倒れそうになっている

八意永琳

さあ、さっさと降参しなさい

八意永琳

大人しく幻想郷に帰りなさい

ようやく倒れる─────そう永琳が思ったその時

霊夢は何度も何度もボムを使い始めた

八意永琳

あっはは、何バカなことをしているのよ
このスペルカードの弾、ボムじゃ消えないわよ

霊夢

永琳、何か忘れていないかしら?

八意永琳

え?

焦って思考を巡らす永琳を見て、霊夢は優越感を感じながら言い放った

霊夢

制限時間【タイムリミット】

八意永琳

はぁ…私としたことが…

膝から崩れ、霊夢を見上げる形になった

霊夢

永琳、アポロ13号の話には続きがあってね

霊夢

確かに計画は中止を余儀なくされたし、その後も深刻な危機的状況に見舞われたわ

霊夢

でも、乗組員は全員無事に地球に帰還できたのよ

霊夢

そして、翌年に打ち上げられたアポロ14号は

霊夢

計画も成功して無事に任務を遂行することが出来たのよ

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