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その子誰の子？

第1話 - その子誰の子？第1話

228

2020年12月03日

#ミステリー

#サスペンス

#不倫

#夫婦

冷血アッシュ

亮介

誕生日おめでとう、梓

亮介は梓とグラスを合わせ乾杯する

梓

ありがとう亮介

梓

それにお酒にも付き合ってもらっちゃって

亮介

…妻の誕生日くらいはいいさ

梓

ならよかった

梓

さすがにシャンパンを

梓

1人で飲むのは寂しいもんね

亮介

ああ…そうだな…

亮介

（…酒なんていつ以来だろ）

亮介

（何か頭がぼーっとしてきた…）

陽佳

パパ、かお、まっかっか

梓

本当だ、大丈夫？

亮介

…ん、ああ平気平気

亮介

あ、そうだ、プレゼント

亮介

今年も買いそびれちまった…

梓

ううん、いいの

梓

あなた仕事忙しいし

亮介

悪いな

陽佳

パパ、だめだなあ～

陽佳

じゃあはるかがママにプレゼントあげる！

梓

あら、陽佳がくれるの？

陽佳

うん！ちょっとまってて

陽佳はリビングにあるテレビの電源を入れる

陽佳

ちゃんとみててね！

梓

（あ、さっきセットしてあげたDVDは）

梓

（確かダンスの…）

テレビの映像を真似て、陽佳はダンスを踊り始める

亮介

はあ～、よくできるなあ

梓

私たちより上手じゃない？

亮介

まったくだな

陽佳が踊り終えると、亮介たちは自然と拍手を送った

梓

陽佳、すごーい！

亮介

大したもんだ

陽佳

えへへ、ママへのプレゼント

梓

ありがとね陽佳

梓

ママとっても嬉しい

亮介

でも、ダンスなんていつの間に覚えたんだ？

梓

陽佳はね、年明けくらいから

梓

キッズダンスを習ってるの

亮介

そうなのか…初めて知ったよ

梓

ごめんなさい、相談もなしに

亮介

いや、いいさ

亮介

子育ては任せてるからな

梓

この子、自分からダンスをやりたいって言い出して

梓

近所のスクールに入れたの

陽佳

あのね、ダンスのせんせいがね

陽佳

すっごくたのしくてね

陽佳

はるかのこといつも

陽佳

じょうずってほめてくれるの

梓

おかげで最近は

梓

幼稚園の人気者みたい

亮介

…知らないことばっかだな

亮介

仕事で忙しいとはいえ

亮介

自分の娘のことなのにな…

梓

あなたは出張も多いし

梓

仕方ないよ

亮介

そう言ってもらえると助かる

亮介

今は夫も子育てしなきゃダメってところもあるし

梓

フフッ、仕事一筋のあなたに

梓

イクメンは似合わないね

亮介

そうだな…

その時、リビングに一際賑やかな曲が流れる

陽佳

あっ！このうたすき～

今度はその曲に合わせダンスを踊り始める陽佳

亮介

（ほんと、様になってるもんだ）

亮介

（陽佳、運動神経いいんだな）

亮介

（でも…俺と梓は…）

亮介

（運動神経悪いどころか）

亮介

（運動音痴ってレベルなのに）

陽佳

ママ～、みてみて！あしたね

陽佳

みんなにこれみせるの！

亮介

（それに、この活発な性格）

亮介

（どこから受け継いだんだ？）

亮介

（それに5歳になった今）

亮介

（顔立ちも俺と梓）

亮介

（どっちにも似ていない…）

陽佳

ママ、はやく～

梓

はいはい

梓

食器洗っちゃうから待って

亮介

（まあ、ここまでなら）

亮介

（よくある話かもしれない）

亮介

（でも…）

亮介

（ダメだ、よせ…考えるな…）

しかし、その思いとは裏腹に

亮介の中で、ある考えが徐々に形を成していく

亮介

（陽佳は今5歳）

亮介

（俺が24歳の時に生まれた）

亮介

（12月生まれだから、えー）

亮介

（…梓が妊娠したのは2月？）

亮介

（ちょうど今と同じ頃だ）

陽佳

ねえママ

陽佳

いっしょにおどってみて

梓

ええ～？ママできるかなあ

亮介

（つまり、大学を卒業して）

亮介

（翌年の2月に陽佳を妊娠した）

亮介

（その時は入社1年目…）

亮介

（今より多忙な時期だったから）

亮介

（家を空けることも多くて…）

陽佳

キャハハ！ママ、へたすぎ～

梓

やっぱり難しいよ、これ～

亮介

（…そういえばあの頃）

亮介

（梓は早く子供が欲しいと言ってた）

亮介

（俺は、もう少し仕事が落ち着いたらにしようって…）

亮介

（だからあの頃は）

亮介

（そういう行為も全然…）

亮介

（あっても避妊はしていたはず）

亮介

（だから、梓に妊娠したって言われた時は）

亮介

（正直驚いた…）

陽佳

ねえママ、パパがへんだよ

梓

あら？どうしたの怖い顔して

亮介

いや、なんでも…

梓

それならいいけど…考え事？

亮介

ああ、ちょっと仕事のね…

亮介

（…そう、梓が妊娠したのは）

亮介

（たまたま避妊しないでした日があったんだって）

亮介

（とにかく忙しかったから）

亮介

（記憶が曖昧なだけだって）

亮介

（自分にそう言い聞かせてきた）

亮介

（でも、まさか…）

亮介

（まさか…梓が浮気を？）

亮介

（そして…）

亮介

（陽佳は俺の子供じゃない？）

亮介が陽佳の方を見ると

梓と仲良くダンスしていた

陽佳

キャハハハハ！

陽佳の甲高い笑い声が響く

亮介

（…うっ、うぇ…）

亮介

（気分が悪くなってきた）

梓

ちょっと、あなた大丈夫？

亮介

あ、ああ…

亮介

だいぶ酔いが回ってきたかな

梓

私が無理言ったから…

亮介

いや、気にするな

亮介

今日はもう寝るよ

梓

…うん、おやすみ

昼下がりのオフィス

亮介は、昨日の考えが頭から離れずにいた

亮介

ふぅ…

亮介

…………

亮介

（いかん、全然集中できない）

亮介

（梓を信じたい…）

亮介

（けど陽佳は、本当に俺の娘だと）

亮介

（自信を持って言えるか？）

亮介

（陽佳の血液型はO型）

亮介

（俺はA型、梓がB型）

亮介

（確かにO型の子供が生まれる可能性もあるけど…）

亮介

（でも、顔も性格も能力も）

亮介

（似ているところが1つもない）

亮介

（…待てよ）

亮介

（まさか、新生児の取り違え？）

亮介

（…いや、確か梓の出産日に産まれた子供は）

亮介

（陽佳1人だけ）

亮介

（そう病院の先生が言っていた）

亮介

（取り違えなんてあり得ない）

亮介

（じゃあやっぱり梓は）

亮介

（本当に浮気を…）

何度考えても、結論は

梓が不貞を働いたことに行き着いてしまう

亮介

（思えば、結婚してから）

亮介

（俺はずっと仕事一辺倒だった）

亮介

（そのツケが回ったのか？）

亮介

（俺が家庭を顧みない隙に）

亮介

（誰かが梓を丸めこんで…）

だんだんと亮介に怒りの感情が湧いてくる

亮介

（ふざけるな…）

亮介

（なんなんだそいつは！）

亮介

（もしそんな奴がいるとしたら）

亮介

（梓のことも陽佳のことも）

亮介

（きっちり責任とらせてやる！）

亮介は陽佳の本当の父親を探す決意を固める

亮介

（陽佳の本当の父親…）

亮介

（そいつはいったい誰なんだ？）

その子誰の子？

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梓と亮介それぞれの両親のどちらか一方がO型でない限りA、B、O型の人と浮気したってことになるね

冷血アッシュ

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