7・おじ様バーテンダーと女シェフ
善之助
どうも、瑠美子シェフ
瑠美子
どうも、善之助バーテンダー。普段はガサツなおっさんなのにバーテン姿は決まってるね〜
留美子はそう言ってバーカウンターの椅子に座った。
善之助
うるさい。で、何故シェフがここに?今の時間帯忙しいのでは?
朽木善之助(50) 彼は水を1杯、留美子に差し出す。留美子は少し飲んだ
本多瑠美子(50) 彼女はボソリと呟く
瑠美子
‥船長が厨房に来た
善之助
あぁ、そういえばあいつ今日は船内で超ご丁寧な挨拶周りをするって言っていたな〜…んで、女シェフさんは逃げて来たと…
善之助はジーと留美子を見つめてニヤニヤと笑う
瑠美子
準備はほぼ終わっている!今はちょっと、休憩だ!
図星だったのか留美子は慌てて少し口調が早口になった
善之助
ところで瑠美子、何で島田を避けているんだ?あいつに何かされたのか?
瑠美子
いや、何もされてない。…寧ろ私がしてるというか…言う勇気がないだけ…
瑠美子の表情暗くなる
善之助
アイツに言う勇気?
瑠美子
今日、私達の地元さ、夏祭りじゃない?それに夜は名物の花火が打ち上がる…花火が上がったら”あの人”に言おうと思っていたことがあるんだけど…中々うーん、言えなくてね…
その意味深な留美子の話を聞いて善之助の手が止まった
善之助
あ!そういえばあいつまだ来てないな
善之助はわざとらしく声を上げる
瑠美子
さて、そろそろ戻ろうか!水ありがとう〜じゃぁ、また
留美子は水を一気に飲み、さっさと厨房に戻った
善之助
どうしたんだ?留美子のやつ…
善之助は留美子の様子が妙に気になった