TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

佐久間side

佐久間大介

俺が好きなのは阿部くんだよ

自分でもびっくりするくらい すんなりと言葉がでた

阿部くん本人は想像通りの反応をしていて

すごくびっくりしている

阿部亮平

痛い

佐久間大介

え?

そう言って阿部くんは胸のあたりを 押さえている

佐久間大介

阿部くん大丈夫?

俺が聞いても苦しそうにして なにも答えてくれない

じきに本当に心配になってきて

佐久間大介

阿部くん本当に大丈夫?

佐久間大介

保健室行く?

そう言って背中に手を置こうとした時

阿部亮平

大丈夫だから

手をはらわれた

まるで

“触るな”

とでも言うように

阿部亮平

ごめん

やっぱり気持ち悪いって思ったのかな

佐久間大介

いや、こっちもごめん

阿部亮平

俺、トイレ行ってくる

佐久間大介

うん

逃げられた

流石にショックで

しばらくそこから動けなかった

ごめんね

阿部くん

こんなふうに嫌がられるなら

佐久間大介

気持ちなんて伝えなきゃよかった

阿部side

阿部亮平

はぁはぁはぁ

逃げちゃった

心配してくれたのに

勇気を出して気持ちを伝えてくれたのに

手を差し伸べてくれたのに

俺は振り払った

阿部亮平

傷つけちゃった…

キーンコーン

授業の始まりのチャイムがなる

でも戻ったら

俺の席の前には佐久間くんがいる

その佐久間くんの

傷ついてる顔を

悲しんでる顔を

見るのが怖い

阿部亮平

ごめんね

阿部亮平

佐久間くん

俺は教室には戻らず

屋上にむかった

それが俺にとって

初めてのズル休みだった

佐久間side

あのあと、阿部くんは戻ってこなかった

阿部くんがいなくてもなにも言わない

そんな生活が普通になっているのに 怒りを覚えた

でも、そうさせたのは俺のせい

阿部くんは俺がいない間

1人でこの教室にいたんだよな……

誰も助けてくれなくて

どうすることも出来なくて

ただただ我慢してたんだよな

……

俺が悪い

だからこそ、これからは俺は阿部くんを守らなきゃ

先生

あれ?阿部は休みか?

佐久間大介

あ、阿部くんは……

深澤辰哉

失礼します!!!

すごい勢いで扉を開け 息を切らしながら入ってきたのは

深澤くんだった

先生

あれ?深澤、

先生

授業始まってるぞ。どーした

深澤辰哉

あべちゃんいますか?

なんで阿部くん?

先生

それを今聞いてたところだ

先生

阿部は休みか?

生徒1

知らないでーす

生徒2

今日いたっけ?

佐久間大介

何言ってん……

深澤辰哉

いたよ

生徒2

は?

深澤辰哉

ずっと居たよ

深澤辰哉

お前らに嫌なこと言われても、傷つけられても

深澤辰哉

休むことなく、毎日ちゃんと来てただろうが

深澤辰哉

それなのに、「今日いたっけ?」は?

深澤辰哉

ふざけるな

深澤辰哉

今まで黙ってたけど

深澤辰哉

さすがに無理だわ

深澤辰哉

こないだ佐久間くんに言われて反省したと思ってた。

深澤辰哉

なんも変わってねーじゃん

先生

深澤なにを言ってるんだ

深澤辰哉

先生だって気づいて無いわけ無いですよね?

先生

深澤辰哉

なんなんすかこのクラス

深澤辰哉

息がつまりそう

言いたかったことを

深澤くんが全部言ってくれた

佐久間大介

深澤くん…

深澤辰哉

佐久間くん

深澤辰哉

あべちゃん知らない?

佐久間大介

いや…わかんない

深澤辰哉

まじあいつどこ行ったんだよ

佐久間大介

なんでそんなに焦ってるの?

深澤辰哉

あいつ…泣いてたんだよ

深澤辰哉

教室から廊下にいるあべちゃんを見つけて

深澤辰哉

すぐ授業始まるのに、教室の反対の方向行くから

深澤辰哉

おかしいなって思ってて、

深澤辰哉

よく見たら泣いてたから

深澤辰哉

心配になって探しに来た

深澤辰哉

佐久間くんあべちゃん知らない?

阿部くんが泣いてた?

それってやっぱり…

深澤辰哉

佐久間くん?

佐久間大介

それ…俺のせいです

深澤辰哉

え?

深澤辰哉

どう言うこと?

深澤くんは阿部くんのことが

好きだから、言うのは気がひけるけど

佐久間大介

ちょっと廊下で話せますか?

深澤辰哉

うん。全然いいけど

佐久間大介

俺、阿部くんのこと好きなんです

深澤辰哉

佐久間大介

それを阿部くんに伝えたら、逃げられちゃって…

佐久間大介

泣くほど嫌だったんだ…

深澤辰哉

そうだったんだ…

佐久間大介

抜け駆けみたいなことして、ごめんなさい

深澤辰哉

え?

佐久間大介

深澤くんも阿部くんのこと好きですよね?

深澤辰哉

深澤辰哉

やっぱり気づくよね。普通は

深澤辰哉

うん。俺も好きだよ。

深澤辰哉

あべちゃんのこと

深澤辰哉

でも、抜け駆けとかそんなことは思ってないから

深澤辰哉

今までも、あべちゃんを好きになるひとは何人かいたし。

深澤辰哉

告白もされたこともあるんじゃ無いかな?

深澤辰哉

いじめが原因でここ最近はなかったと思うけど。

やっぱりモテるよね

わかってたつもりだけど

好きなひとのそういう話聞くのは やっぱりきついよな

深澤辰哉

俺はそれに嫉妬知ったけど、怖くて行動ができ無かった。

深澤辰哉

ただの臆病者なんだよ

深澤辰哉

あべちゃんが苦しい時、一番に頼ってくれるのが俺で

深澤辰哉

なんか優越感っていうの?

深澤辰哉

その時だけは、あべちゃんは俺のだから

深澤辰哉

それが嬉しくて

深澤辰哉

こんなことを考えてる

深澤辰哉

せこくて、悪い奴なんだよ

そう真顔で深澤くんは言った

それを聞いても 俺は別に悪いやつとは思わなかった

俺が深澤くんの立場だったら

多分同じことを思うから

深澤辰哉

話聞かせてくれてありがと

深澤辰哉

ひとまずは俺があべちゃん探しに行くね

深澤辰哉

多分今は俺は行った方が、あべちゃんのためにもなると思うから

そりゃそうだよな

おれが今行っても、気まずくなるだけだ

佐久間大介

うん。お願い

佐久間大介

深澤くんも話してくれて、ありがと

ニコッと笑って、歩いていく深澤くん

かと思えば、立ち止まって振り返った

深澤辰哉

俺、あべちゃんのこと譲る気ないから

深澤辰哉

近々、気持ち伝えようと思ってるし

深澤辰哉

だから今日から、ライバルな

どこまで真っ直ぐで

かっこいいんだろう

佐久間大介

うん。俺も引く気はない

深澤辰哉

うん

初めてのライバル

ライバルなんて、よくないことなのに

なんでだろう

ちょっと嬉しいんだよな

でも、初めてのライバルが

深澤くんでよかったな

後で、ちゃんと阿部くんと話さないとな

ちょっとにやけながら

俺は、大嫌いなクラスに戻った

強く見えて弱い彼

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

642

コメント

11

ユーザー

私がこのクラスに転校したらまずSnowManがいる事に発狂してその後いじめられてることが発覚したらうちは多分いじめてる奴ら全員張り倒すと思うって言うか張り倒して○す!

ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚