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雨のち晴れ

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雨のち晴れ

5 - 雨のち晴れ 5

♥

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2019年07月27日

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天月side

………言ってしまった。

まふ君の顔を見るのが、怖かった。

天月―あまつき―

で、でもね!絶対に目が覚め無いわけじゃ無いんだよ!!

僕は自分の手元を見たまま、喋った。

天月―あまつき―

そらるさんは、脳の1部にダメージを受けてるんだ。

天月―あまつき―

それで、ダメージを受けた部分が、

天月―あまつき―

まだ研究が進んでないんだって!

天月―あまつき―

だ、だから、もしかしたらっていうだけでっ…………

僕は、顔を上げた。

天月―あまつき―

っ…………まふ君?

まふ君は、全ての感情が抜け落ちたような、顔していた。

天月―あまつき―

ねぇ、ま、まふ君……?

まふ君は、虚ろな目で僕の方を見た。

天月―あまつき―

大丈夫?………なわけ、ないよね…

まふまふ

………て。

まふ君は、僕の袖を引っ張った。

天月―あまつき―

え?何……?

まふまふ

そらるさんのとこ………一緒に、来てくれる………?

まふまふ

1人じゃ………怖いから。

天月―あまつき―

……うん。一緒に、会いに行こう。

僕達は、そらるさんの病室の前に来た。

まふまふ

ふぅ………

まふまふ

ちょっと、怖い……な……

取っ手にかけたまふ君の指先は、 カタカタと細かく震えていた。

天月―あまつき―

大丈夫?行ける?

まふまふ

………うん。

まふ君は、ぎゅっと目をつむって 勢いよくドアを開けた。

ガラガラッ

まふまふ

っ……………

まふまふ

そらる………さん……………?

まふ君の声が、震えてる。辛いんだ。

でも、まふ君は多分、我慢してる。

僕が居るから。

まふ君は、弱い所は人に見せない。

まふ君は、いつもそうだから。

天月―あまつき―

まふ君……?

天月―あまつき―

僕、外に出とこうか?

まふまふ

でも、1人じゃどうなるか、分からないっ………

天月―あまつき―

大丈夫。

天月―あまつき―

そらるさんと、2人きりでお話しておいで。

まふまふ

うん……ありがとう………

天月―あまつき―

じゃあ、さっきの椅子で待ってるね。

ガラガラッ……パタンッ

ドアを閉めた途端、まふ君が泣き叫ぶ声が聞こえた。

天月―あまつき―

っ………

目が熱くなって、涙が出てきた。

天月―あまつき―

そらるさん………

天月―あまつき―

お願いだから目を覚まして………

天月―あまつき―

まふ君だって、心配してるよ……

まふ君に僕の声が聞こえないように、

僕にまふ君の声が聞こえないように、

僕は急いでドアから離れた。

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