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前世の恋人

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前世の恋人

15 - 未来ある子供達

♥

49

2023年07月30日

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数ヶ月後、僕達はシェアリングパーティに参加するために1度実家に帰ってから集合することになった

僕は早めに会場に着き、夏樹くんは探していた

(何処にいるんだろ…夏樹くん…)

夏樹

怜!!

!夏樹くん!!

会場のを歩いていると夏樹くんが声をかけてくれた

夏樹

久しぶりだな

うん…うん!

元気だった…?

ちょっと疲れてる…?

夏樹

ん、大丈夫だよ

少し疲れているような表情をしている夏樹くんの顔をじーっと見つめていると後ろから聞き覚えのある声が聞こえた

婚約者のお迎えぐらい来なさいよ、バカ

!澪さ…

振り向いた先にいたのは美しいドレスに身を纏った、これまた美しい女性が立っていた

ぁ……

……?

なによ

夏樹

まーた惚気かよォ…

夏樹

見とれてんじゃねぇっ!

バシッ

うおっ!!

だ…だだだって

ぼ…僕のお嫁さんが…可愛い…ですっ!!

んなっ…

夏樹

うっせーわバカ知ってるっての!

夏樹

全く…相変わらずだな

呆れたように笑う夏樹くん

夏樹

本当に…いつも通り…

……?夏樹くん…?

芽衣

ここだけ騒がしいと思ったら

芽衣

やっぱり貴方達ね

芽衣さんっ!

わぁ!凄く綺麗です!

芽衣

ありがとう

む…

芽衣

久しぶりね、夏樹

夏樹

ん、ああ

少しふっと微笑む2人に心がそわっとする

お…お2人…って…もしかして…

こいび…

柊生

夏樹

夏樹

男性に声を掛けられた夏樹くんは少し顔を強ばらせた後直ぐに笑顔になった

夏樹

はい、父さん

柊生

少し来い

夏樹

はい

夏樹

ごめん、ちょっと外す

あ、はい!

「お父さん」と一緒に奥へと消えた夏樹くん

………

怜?

なんか、変、です

え?

芽衣

………

夏樹くん…

柊生

30分後

柊生

分かったな

夏樹

……はい…

夏樹

…父さん…

胸元にある無機物をグッと抱きしめ覚悟を決めた

ソワソワとして落ち着きのない彼を見ながら少し微笑ましく思う

……

落ち着きなさいよ

!え…えへへ…

…やっぱり…

前も、今回も

慣れませんね

…ふ…そう…

やあやあ、お2人さん

うわ…

芽衣

こんにちは、西園寺CEO

こんにちは

こ…こここんにちは

やあ、久しぶりだね

隆二

!義父さん!

…珍しいわね、ここにいるなんて

ははは、たまには自分で来ないとね

厄介な男に出会って少し嫌な顔をする私と裏腹に怜は父と会えて嬉しそうに駆け寄っていた

(まぁ…仕方ないか…)

(貴方は愛情を沢山貰ってるものね…)

義父さんっ!

僕、ずっと勝っててね…

隆二

ああ、知ってる

隆二

見てるからなちゃんと

!〜〜…えへへ…

………

中々頑張るねぇ、彼も

…アンタのせいでしょ

ふはっ、確かに

でも、退屈しないだろ?

何言って…

ドンッ

!?

隆二

隆二

はっ

大きい音がなり何かが壊れる音が聞こえた

え?…え?

澪来なさい

は?!な…なに?!なんの音?!

父は私の腕を掴み奥へと歩いていった

タッ、タッ、タッ、タッ

一体何が…

会場はパニックになり、僕は人混みに流され、皆とはぐれてしまった

夏樹

怜!!

!夏樹くん!!

人混みの中から夏樹くんが手を伸ばしてくれて、僕は掴んだ

夏樹

こっち!

へっ?

タタタタタッ

はぁ…っ…はぁ…

夏樹

……

夏樹…くん…?

夏樹

夏樹

お前は本当に

夏樹

本当に大事な友達だ

夏樹

親友だ

…夏樹くん…

夏樹

…っ…

夏樹

…でも、父さんの計画に

夏樹

お前は…

夏樹くんは数歩歩いてから僕に向かって黒い無機物を向けた

夏樹

邪魔なんだ

!!

手を掴まれたまま私達は最上階まで行った

ま…まって…息が…っ…

柊生

どこに行くんだ?親子揃って

蒼井CEO…

夏樹の父が私達の目の前に現れた

この騒動

お前の仕業だな?

柊生

ご名答

カチャッと彼は胸ポケットから拳銃を出し父に向けた

っ!?

柊生

お前は力を持ち過ぎた

柊生

冷酷で、残酷に…

………

…お…と…うさん

俺に恨みがあるんだろう

ならば俺だけを撃てばいい

娘に…澪には手を出すな

柊生

ほう…

柊生

ククク…

柊生

可哀想にな、父親のせいで色んな方面から敵が増えて…

………

柊生

用心棒ならまだ時間が掛かると思うぞ?

柊生

俺の仲間が今頃会場で暴れているからな

……ふ…

そうか…

柊生

何故笑っている

いや…可哀想…だと思ってな

柊生

…は?

お父さん…?

君も

会社があり、息子がいる

恵まれた環境にいるのに何故

周りの事が見えていないんだ

柊生

……何が言いたい

俺を殺しても何も変わらない

お前自身が気づかなければ…意味が無い

大切なものを

見失ったままだ

柊生

っ…

柊生

お前に…!何が!!

銃口を彼は私に向けた

柊生

そうだ、先に娘を殺してやる

!やめろ!!!

柊生

大丈夫

柊生

直ぐに父親もあっちに送ってやる

っ!?

パンッ

ビシャっと私の顔に暖かい物が掛かり父親が私に覆いかぶさった

おと…うさん…?

お父さん……ねぇ…お父さん…?

っ……

お腹に当てた手を見たらドロっと赤い液体が付いていた

っ…いやぁぁぁぁ!!!!

夏樹

……

夏樹くん

夏樹

…なんだ

本物は、重いですよね

夏樹

……?

銃口が震えていますよ

狙うなら、しっかり狙わないと

夏樹

っ……

夏樹

……そんなの…

…夏樹くん

辛いなら、やめていいんですよ

夏樹

……怜……

ぷるぷると震える拳銃を夏樹くんは下ろしてボロボロと涙を零した

夏樹

……頼む

夏樹

父さんを止めてくれ…頼む…

…はい!

夏樹くんをぎゅっと抱きしめた

行きましょう

一緒に

夏樹

…っ…ああ…っ…!

夏樹

…ありがとう…っ…

お父さん………お父さん…ねぇ…お父さん…

…っ…く…

撃たれたお腹を手で抑えている父の手を上から添える

っ……死んだら許さない…!!

柊生

ははは…っ…

柊生

親子愛、素晴らしい

柊生

でも、君の婚約者はどうなるかな

…は……?

柊生

俺の息子が君の婚約者を片付けてくれる

柊生

友情というのは儚いものだ

怜…?怜が…?

ニヤニヤと口角を上げる目の前の悪魔は高笑いをした

柊生

さあ、次こそは君を…

隆二

動くな

声に振り向けば、怜の父が拳銃を悪魔に向けていた

柊生

……他の奴らはどうした

隆二

制圧済みですよ

隆二

俺の息子は優秀なんでね

柊生

……は?

夏樹くんのお父さん

柊生

!何故貴様が…

夏樹

父さん…もう辞めよう…?

夏樹

お願いだから…

柊生

…この裏切り者が…!!

カチャッと私に銃を向けた瞬間

パンッ

柊生

悪魔の手から武器が弾かれた

銃声の元を辿ると怜が拳銃を悪魔に向けていた

怜……?

柊生

貴様…っ…

柊生

お前が来てから全てが狂った…

柊生

お前さえ来なければ…!!

……それは、ごめんなさい

でも、こんな事、しても

意味無いです

無駄です

柊生

貴様…

火薬の臭いが鼻をかすめる

銃を持つのは初めてじゃない

過酷な環境で生きてきた証か、僕はとても冷静に引き金に指を添えていた

柊生

…くそ…

夏樹

父さん……

夏樹くんは彼に駆け寄った

彼はポケットからバタフライナイフを取り出し夏樹くんを掴んで首に当てた

!!!

夏樹

とうさ…っ!?

柊生

よくも裏切ったな…

隆二

もう罪を重ねるのはやめろ

柊生

黙れ…

………

怜……?

助けなきゃ

友達を、親友を

皆を

ゆっくり銃口を向ける怜

!!

…助けなきゃ…助けなきゃ…

僕が…皆…を

澪さんを…夏樹くんを…

義父さんも…

ぶつぶつと呟きながら引き金に指を掛けた怜を見て抱きしめていた温もりに力を込めた

やめなさい!!!怜!!!

!はっ…

パンッ

ハッとした怜は指を外した

撃ったのは

隆二

……

柊生

ぐ……っ…

肩を撃たれた柊生は膝を着いた

夏樹

父さん…

隆二

ここからは大人に任せなさい

隆二

未来ある子供達の手を汚させはしない

と…とう…さん…

隆二

…怜

隆二

よく頑張った

!!…

…うん…っ…

…っ…

ほっとした。 また、怜が人殺しをしたかと思った

もう怜は人を殺す必要は無い。 ここは前世のような世界では無いんだ

……はぁ…

く……っ…

隆二

代表…!!

…大丈夫…だ…

…お父さん…っ…

…ふ…

…怜くん

?は…はい!

……頼むよ、澪の事

……はい

任せてください

柊生の身柄は確保された 夏樹は会社を引き継ぐ為に学園と会社を掛け持ちする事になった

お父さんは幸いにも内蔵には至っていなくて命には別状はなかったが、回復には時間が掛かるらしく、会社は私が引き継ぐ事になった

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