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光は優成の手を引いてゴールへ向かう。

志保 優成

おい!

志保 優成

お題、なんなんだよ!

水木 光

後でいいだろ!

水木 光

今はゴール!

志保 優成

はぁ……?

志保 優成

『好きな人』とかだったらぶん殴るぞ!!

志保 優成

キャプテン見てるけどいいのかよ!

水木 光

す、好きな人とかじゃない!……けど

志保 優成

……けど?

2人はゴール手前に着いた。

体育委員

じゃあお題確認するので紙見せてくださーい

水木 光

は、はい……

志保 優成

体育委員

えーと、お題は__

男子生徒はお題が書かれている紙を開けた。

体育委員

水木 光

……

体育委員

『1番大切な人』……。合格です!ゴールしてください!

志保 優成

は、……?

水木 光

……えっ、言われた……

志保 優成

……くく

志保 優成

早く行くぞ、光

水木 光

はぁああ……

2人は1位でゴールをした。

志保 優成

……んで?

志保 優成

お前にとって俺は『大切な人』って認識でいいのか?

水木 光

うっ……

光はかぁっと顔を赤らめた。

水木 光

友達でしょ、私の一番の友達だもん……

志保 優成

……

優成は目を丸くさせた。

志保 優成

普通、好きな人連れてくだろ…

志保 優成

キャプテンとか

水木 光

だぁから、なんでキャプテンが出てくるんだよ!

水木 光

私にとって1番大切な人は優成だよ!

志保 優成

……

志保 優成

………………

志保 優成

ほんと、キモイわ…

水木 光

はぁああ!?!?

優成は珍しく顔を緩めて微笑んでいた。

水木 光

……!

水木 光

なんだ、そんな顔できたんだ

志保 優成

うっせ

志保 優成

はよ戻るぞ

涌井 明里

あ、2人戻ってきたよ!

倉見 修也

おかえり♡

倉見 修也

んで?どんなお題だったの!?

志保 優成

…………秘密です

涌井 明里

ええ!?

倉見 修也

やっぱ好きな人とかだったの!?

水木 光

違いますよ!

水木 光

友達……的な感じのやつです

桐山 凌

ふーん……

涌井 明里

ふふっ

涌井 明里

光ちゃんってば、

涌井 明里

一直線に志保くんのこと連れていったよね

水木 光

だ、だって

水木 光

優成しか思いつかなかったから……

志保 優成

お前よくそんな恥ずかしいことペラペラ言えるな

水木 光

恥ずかしくないわ!!

涌井 明里

まあまあ……

明里は2人の様子を見つめて笑を零した。

涌井 明里

(でもなんだか……)

涌井 明里

(志保くんの顔つきが変わったような__)

その時、校庭に放送が鳴り響く。

放送委員

『二人三脚』の競技に参加する方は集まってくださーい

涌井 明里

!!!!

倉見 修也

お、二人三脚招集してるよ!

桐山 凌

おう

桐山 凌

行くか、明里

涌井 明里

ひゃ、ひゃい!

水木 光

大丈夫ですか……ガックガクですけど

涌井 明里

だ、大丈夫っ、!

涌井 明里

(やばい、めっちゃ緊張する……)

大丈夫、大丈夫だよ涌井明里

あんなに練習したんだもん

月葉の人達にも、協力してもらって……

大丈夫、自分を信じよう…………

倉見 修也

頑張ってね、あかりん!

志保 優成

桐山さん。引きずるのは禁止っすよ

水木 光

……そういえば優成

水木 光

佐倉くんのこと中学の時、二人三脚で引きずったって聞いたけど……

志保 優成

……さあな、なんのことだろうな

涌井 明里

……ふぅ

涌井 明里

よし、行こ!

桐山 凌

……おう

二人三脚。2人1組で足を縛り、50mを競う競技だ。

涌井 明里

緊張してきた……

桐山 凌

大丈夫だ

凌は2人の足を縛りながら答える。

桐山 凌

たくさん練習しただろ

涌井 明里

う、うん……

桐山 凌

明里はもっと自分を信じろ

桐山 凌

人のことはすぐ信じるくせに……

涌井 明里

わ、わかってるよ…!

桐山 凌

……よし。結べた

涌井 明里

ありがとう

体育委員

それじゃ、位置についてくださーい

2人はトラックに入り並んだ。

体育委員

……位置について

体育委員

よーい……

パンッとピストルの音が響き渡る。

涌井 明里

(練習通りに……!)

涌井 明里

1、2、1、2!

桐山 凌

…………

涌井 明里

(うん。練習通り行ってる!)

涌井 明里

(私の掛け声にちゃんと合わせてくれてる……)

涌井 明里

……!

周りの人達を見ると、皆明里たちより少し先を走っていた。

涌井 明里

(みんな、早い……)

涌井 明里

(あんな練習したのに……っ、そんな……)

涌井 明里

1、2、1、2

涌井 明里

(もっと、ペース上げないと)

桐山 凌

涌井 明里

1212

涌井 明里

(もっと、もっと早く走らないと……)

涌井 明里

(みんな協力してくれたのに……!)

桐山 凌

…………

その時、

バンッ

涌井 明里

いたッ……

明里の背中を思い切り凌が叩いた。

涌井 明里

えっ!?

桐山 凌

……焦んな、バカ

桐山 凌

信じろって言ったろ、自分のこと

涌井 明里

でもこのままじゃ__

桐山 凌

大丈夫だっての

桐山 凌

自分信じれねーなら、俺信じとけ

桐山 凌

行くぞ

桐山 凌

1、2、1、2

涌井 明里

涌井 明里

(練習通りのペースだ……)

明里は凌の掛け声に合わせてペースを落とした。

涌井 明里

(大丈夫。凌くんを信じよう……)

すると、前を走る人達はペースが崩れ

転んだり、倒れ込んだりしてしまっていた。

涌井 明里

桐山 凌

行くぞ、このまま__

涌井 明里

う、うん!

桐山 凌

1、2、1、2……

涌井 明里

1、2、1、2……

そして、2人はペースを保ったまま

ゴールテープを切った__

放送委員

2年1組、

放送委員

1位でゴールです!!!

涌井 明里

や、っ……

涌井 明里

……

涌井 明里

やったぁああっ!!

桐山 凌

……はぁ

桐山 凌

危なかった

涌井 明里

やったね、やったよ!

桐山 凌

うぉ、暴れんな、足結んでるんだから

涌井 明里

だって、嬉しくて……っ

涌井 明里

練習いっぱいしてよかった…

桐山 凌

……頑張ってたもんな、明里

桐山 凌

よく頑張ったな

凌の優しい微笑みに明里は胸を高鳴らせた。

涌井 明里

ふふっ

涌井 明里

凌くん、ありがとうね

涌井 明里

途中私のペースが崩れているのを建て直してくれて

桐山 凌

ああ

涌井 明里

私、凌くんのこと信じるの1番得意かもしれない!

桐山 凌

……そりゃどうも

凌は少し耳を赤くさせて、後頭部をぽりぽりとかいていた。

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