テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
8
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
友達
笑い声。
友達
友達
みんな笑ってる。
だから、笑わなきゃいけない気がした。
春川 結衣 ハルカワ ユイ
小さく笑って誤魔化す。
教室の昼休み。
五人組の輪の中で、
春川結衣はいつも同じ役だった。
明るい子がいて、
可愛い子がいて、
面白い子がいて。
そして結衣は、"いじられ役"。
忘れ物をすれば笑われる。
変なことを言えばネタにされる。
少し失敗しただけで、みんな盛り上がる。
最初は楽しかった。
ちゃんと輪の中に入られる気がした。
だから、合わせた。
友達
その言葉が嬉しかった。
嫌われるよりずっといいと思ってた。
でも、
少しずつ苦しくなっていった。
ある日。
体育の後、更衣室。
結衣が髪を直していると、
友達の一人が笑いながら言った。
友達
みんな笑う。
悪意なんてない。
だから余計言えなかった。
嫌だなんて。
春川 結衣 ハルカワ ユイ
笑って返す。
胸の奥が少し痛い。
その日の帰り道。
スマホを見る。
グループライン。
"今日の結衣面白かった笑"
"あの顔ヤバかった"
"動画撮っとけばよかった"
既読だけつける。
返信できない。
嫌だ。
でも、離れたくない。
このグループがなくなってしまえば、
学校で一人になるかもしれない。
昼休みどうしよう。
修学旅行どうしよう。
そんなことばかり考える。
だから、我慢する。
だって嫌われるよりマシだから。
そう思っていた。
翌日。
授業中。
先生に当てられた問題を結衣が間違えた。
後ろから小さな笑い声。
._____________________.
休み時間。
友達
いつも通り。
笑えば終わる。
そう思った。
なのに、
春川 結衣 ハルカワ ユイ
声が出た。
みんな止まる。
結衣自身も驚いた。
春川 結衣 ハルカワ ユイ
静かだった。
誰かが笑うと思った。
空気悪いって言われるかと思った。
でも、四人は少し目を見開いた。
友達
沈黙。
結衣は慌てる。
春川 結衣 ハルカワ ユイ
嫌われた。
終わった。
そう思った。
すると、一人が口を開く。
友達
結衣は顔を上げる。
春川 結衣 ハルカワ ユイ
その子は少し困った顔をした。
友達
別の子も小さく言う。
友達
胸が詰まる。
平気じゃなかった。
でも、言ってなかった。
笑ってた。
だから、伝わるわけなかった。
春川 結衣 ハルカワ ユイ
気づけば口にしていた。
四人が静かに聞いている。
結衣は少し笑う。
春川 結衣 ハルカワ ユイ
誰も笑わなかった。
一人が結衣の肩を軽く叩く。
友達
その言葉で涙が出そうになった。
全部解決したわけじゃない。
明日から急に完璧になるわけでもない。
でも、初めて少しだけ分かった気がした。
笑って隠してるだけじゃ、 気づいてもらえないことだってある。
五人で帰る帰り道。
今日は少しだけ
息がしやすかった。