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もし君の嘘が、

君の身体を超えて、

高く高く飛んで行ってしまっても。

例えば君の嘘が、

君の中で膨らんで、

君の身体が張り裂けてしまうよりは 良いかと思うんだ。

君が話す物語は、

全て嘘でできている。

僕は君の嘘を、

ただ側で聞いている。

香織

学校帰りに友達と寄り道をしたの

香織

新しいカフェができて

香織

でもケーキセットが高すぎるからどうしようかと思って

香織

コーヒーだけ飲むのも寂しいし

香織

結局入らずにお喋りをして

香織

遠回りをして帰ってきた

香織

試験前に、何やってるのって

香織

お母さんが文句を言うの

香織

勉強しなさいって、そればっかり

香織

勉強よりも大切なことがたくさんあるのに

香織

何でもない日常に忙しくて気づかないのよ

学校に君の席はもうなくて、

君は学校には通っていないし、

君の友達も とっくに卒業しているのだ、

とか。

香織

昨日窓から外を見てたら友達が通って

香織

声をかけようと思ったけど

香織

男の子と一緒で

香織

彼氏ができたこときいてなくてね

香織

秘密にしたいのもわかるけど

香織

おめでとうだけ、言いたかったな

僕らが閉じ込められている この部屋からは、

表の通りは見えない。

敷地内の公園で、

ただ木の葉が揺れているだけ、

とか。

香織

ねえ

香織

あなたがいて良かった

香織

眠れない時とか

香織

話を聞いてくれるだけで

香織

そばにいてくれるだけでいいの

君の嘘を暴くのは簡単だけど、

僕はそんなことはしない。

だって、

君の1番の嘘は、

「僕」だから。

僕は存在しない。

君の頭の中以外には。

そう、僕は、

君の中にしか、

存在しない。

僕は、

君の物語の一部で、

君の描く物語の、

一番の読者。

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