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じいちゃんのタイムマシーン

じいちゃんのタイムマシーン

「じいちゃんのタイムマシーン」のメインビジュアル

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第十八話:じいちゃんのプロポーズ

♥

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2022年05月10日

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参観日当日

明日夢

おばあちゃん!

明日夢

一緒に帰ろう!

おばあちゃん

明日夢ちゃんお疲れ様

明日夢

来てくれてありがとう!

おばあちゃん

いいのよ~

おばあちゃん

お父さんも忙しくて来れなかったんだし

おばあちゃん

それに明日夢ちゃんは孫みたいなものだもの

明日夢

おばあちゃんのこと美人だねって褒められたよ

おばあちゃん

あら~

同級生A

誰のばあちゃんだろう?

同級生B

綺麗な人~

俺の参観日のために

おばあちゃんはわざわざ着物を着て来てくれた

上品な奥様

そんなオーラを放っていて

生徒たちの目を釘付けにしていた

おばあちゃん

照れちゃうわ~

明日夢

わざわざ着物で来てくれるなんて思わなかったから

おばあちゃん

きちんとした格好でって思ったらこれしか思い付かなくて

おばあちゃん

でも……

おばあちゃん

私みたいなご近所さんが来るなんて明日夢ちゃんだけよね……

明日夢

父ちゃんは忙しいから仕方ないよ

明日夢

その代わり!

明日夢

三者面談には来てくれるって約束したから

おばあちゃん

最近、お母さんのところには行ってるの?

明日夢

まぁ、たまにね

おばあちゃん

そう……

おばあちゃんは何も知らない

じいちゃんがタイムマシーンを作っていることも

そのタイムマシーンが完成して

それを使って俺が過去に飛んでいることも

おばあちゃん

あの人は相変わらず地下に籠りっきりで……

明日夢

せめて役に立つ発明とかしてくれればいいのにね

明日夢

おばあちゃんの代わりに家事をしてくれるロボットとか!

おばあちゃん

あら、だめよ~

おばあちゃん

そんなのに頼っちゃったら私の腕が鈍ってしまうもの~

明日夢

そうなの?

おばあちゃん

あの人がまだ何かを作り続けているなら

おばあちゃん

私も主婦を続けないとね♪

明日夢

じいちゃんは幸せ者だな

おばあちゃん

そうかしら?

明日夢

おばあちゃんがいてくれるから安心して地下に籠れるんだよ

恋愛結婚だったじいちゃんとおばあちゃん

でもその頃はまだ学歴を重視する人がちらほらいる時代で

工業高校を出て就職したじいちゃんとの交際を

おばあちゃんの両親は猛反対していた

じいちゃんは何度もおばあちゃんの実家に通って

おばあちゃんの両親に頭を下げた

やっと交際を認められたのは

最初の挨拶から一年半も経った後

交際を認められたその日に

じいちゃんはおばあちゃんにプロポーズをした

じいちゃん

来てくれ

おばあちゃん

え!?

じいちゃん

じゃなきゃ生きていかれない

おばあちゃん

それって……

じいちゃん

お前が必要ってことだ

おばあちゃん

作造さん……

おばあちゃん

凄くぶっきらぼうな言い方で

おばあちゃん

笑っちゃったわ

明日夢

そうなんだ……

父ちゃんの時はどうだったんだろう

どんなプロポーズをして

母ちゃんはどんな風に答えたのかな?

このまま過去に飛び続ければ

そんな瞬間を目の当たりにする時が来るのかな?

じいちゃん

どうだった?

じいちゃん

参観日は

明日夢

バッチリだったよ!

明日夢

予習したところが当たってさ!

じいちゃん

そりゃあよかったな

明日夢

おばあちゃんのことも褒められたよ

明日夢

美人だって!

じいちゃん

そりゃあそうだろう!

じいちゃん

若い時からべっぴんだったんだ!

明日夢

じいちゃんが惚れた女だもんね!

じいちゃん

そうだそうだ

明日夢

(じいちゃん嬉しそうだな)

じいちゃん

明日もまた行くか?

明日夢

うん

明日夢

行きたい!

父ちゃんが教えてくれないこととか

まだモヤモヤすることはたくさんあるけど

俺は信じることに決めた

いつかきっと

見届けることができるかもしれないから

父ちゃんが話してくれなくても

過去の世界で

自分のこの目でちゃんと

見届けたいんだ

父ちゃんと母ちゃん

二人の幸せを

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