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︎ ☑︎ 名前 芙梛( ふな )

・蓮華の人間時の姿

朝の光が蝶屋敷に差し込む頃、

蓮華は屋敷の前の日陰に立っていた

白を基調とした金青色の着物

髪をまとめ、人間のふりを完璧に整えて

芙 梛

今日から、しばらく胡蝶さんのお手伝いに来ました

芙 梛

芙梛です

にこりと微笑むその顔は、鬼のものではない

完全に "人間の少女" として仕上げた姿

だが、その内側では鬼の目がゆっくりと開いている

...師範から聞いています

案内しますね

出迎えたのは、「 栗花落カナヲ 」

感情を読み取りにくい瞳が、蓮華を一瞬だけ見つめる

芙 梛

ありがとーう

芙 梛

んふふ、やっぱ女の子だけだと落ち着くね

無邪気な笑顔で返しながら、

蓮華は静かに屋敷の中へと足を踏み入れた

さて、どこにいるかな、 "あの子"

屋敷に来た目的は一つ

「 鬼として敵を調べる 」なんて建前

本当の目的は、もっとずっと個人的で、曖昧

しばらくして、昼下がりの庭

芙梛は縁側に腰をかけ、干された布団の山を見つめる

しのぶに頼まれた雑務の最中、少しだけひと休み

芙 梛

疲れた...

ぽつりとこぼしたその瞬間

...君が芙梛?

声がして顔をあげる

そこに居たのは長い黒髪とまっすぐな瞳を持つ少年

時 透

...わ。ほんとにいた

「 時透無一郎 」

蓮華が探していた人物

芙 梛

こんにちは

芙 梛

時透くんだっけ?

芙 梛

しのぶさんから聞いてるよ。柱なんでしょ?

時 透

君...鬼じゃないよね?

芙梛の心臓が少しだけ跳ねる

芙 梛

なにそれ、いきなり怖いこと言うね?

時 透

ごめん。君の顔、前にどこかで見た気がしただけ

時 透

夢かもしれないけど

芙 梛

そっか。夢かぁ...

芙 梛

じゃあ会ったことないね。きっと

笑顔を保ったまま蓮華は少しだけ視線を逸らした

やっぱりこの子、鋭い

時 透

でも君と話してると変な感じがする

時 透

なんというか、安心する

芙 梛

それって...恋かもよ?

時 透

恋...?

無一郎の目が瞬きもせずに揺れる

それが少しだけ、ちょっぴり面白かった

芙 梛

冗談、冗談っ

芙 梛

じゃあ私そろそろ洗い物手伝わなきゃ〜

ふわりと立ち上がり蓮華は振り向かずに手を振る

その背中に、無一郎の声が小さく届いた

時 透

また話そう。芙梛

芙 梛

...うん。またね

振り返らなかったのは

笑って誤魔化せない顔を、見られたくなかったから

鬼 と 人 間 は 結 ば れ な い 。

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コメント

2

ユーザー

夢主ちゃん可愛いですね!

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