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芙 梛
芙 梛
白衣を羽織った芙梛は、
ぐったりとした足取りで廊下を歩く
掃除、片付け、料理...
どこが薬の手伝いなの、これ
角を曲がった先で待っていたのは、「 胡蝶しのぶ 」
穏やかで柔らかな笑みは変わらないけど、
目だけは鋭い
胡 蝶
胡 蝶
芙 梛
芙 梛
芙 梛
芙 梛
胡 蝶
胡 蝶
芙 梛
昔、まだ人間と鬼の境目が曖昧だった頃
しのぶとは、ある薬草の毒性調査で知り合った
当時の私はまだ、
今みたいに鬼として無惨様の側にいるわけじゃなかった
人間の皮を被りながら、人間の世界に混ざっていた
しのぶは、聡く、優しくて、だけど時々底が見えない
それでも、あの頃から少しだけ...
彼女には好意を抱いていた
芙 梛
芙 梛
胡 蝶
芙 梛
芙 梛
芙梛は苦笑いをして、窓の外を見た
外では隊士たちが訓練している
その中に、あの長い髪をした少年
時透無一郎の姿を見える
芙 梛
あのとき、出会ってしまったあの瞳
強さと、まっすぐさと、どこか脆さをはらんだ色
胡 蝶
芙 梛
胡 蝶
芙 梛
苦笑いをしながら、
しのぶは芙梛の肩にそっと手を置いた
胡 蝶
胡 蝶
芙 梛
胡 蝶
因縁
それが "人間に恋した鬼" に課せられるものだとしても
芙 梛
芙 梛
その夜
芙梛は、洗濯物を畳みながら
無一郎の姿を思い出していた