僕は小さい時
名前も知らない女の子と
よく森に遊びに来てたんだ。
記憶は曖昧だけど
森の場所は覚えてて
いつも遊びに行くんだ
でも、本当の理由は
あの子に会うため。
僕
会えないことくらい分かってる
奇跡、なんて信じないけど
今だけ、信じたかったんだ。
いざ森に来ても
やっぱり誰も居なくて
僕
もうきっと、会えないから。
奇跡なんて起きやしない
もう、いっそ
通うのを、辞めてしまおうか。
そんなこと考えながら歩く
どこか悲しい帰り道。
いつになったら会えるんだろうか
それとも、一生
会えないのだろうか?
分からない
だから、探したくなるんだ
そんなこと考えてるうちに
こんな声が聞こえたんだ。
…?
…?
って。
あぁ、ついに幻聴が
聞こえるようになっちゃった。
でも、何だか懐かしい声。
あの子の声、なのかな
そんな事考えながら歩くと
やっと家についた。
僕
お母さん
お母さん
お母さん
僕
お母さん
お母さん
僕
僕
あの子の名前、茜って言うんだ。
どこか懐かしい響きに
思わず涙が出そうになる。
お母さん
お母さん
僕
やっと、思い出したのに。
やっと、会えると思ったのに。
お母さん
お母さん
お母さん
僕
見たらきっと悲しいのに
行く、としか言えなくて。
車の中のことはよく覚えてない。
お母さん
医者
ここら辺は覚えていなくて
ただ、怖さで
なんにも考えられなかった。
医者
お母さん
お母さん
お母さん
お母さん
母は茜を見て泣いていた。
もちろん僕も泣いた。
せっかく会えたのに
何も話せないなんて。
辛い。
僕
そして今、思い出したんだ
茜の声が聞こえた時
あれはきっと、僕を覚えてて
茜をずっと思っていた僕を
最後に、忘れていいんだよって
許してくれたんだ。
優しいところも、やっぱりすきで
涙が止まらなかったんだ。
でも、やっと会えた
また名前を呼べた
もし、僕を見守ってくれてるなら
茜も、僕の名前を
あの声で、呼んで欲しいな。
懐かしいあの子。 ~END~
コメント
4件
リリ元気かな… ポケコロ辞めなければよかったよぉぉぉ(´;ω;`)
なんか自分も書いてて悲しくなった。。。。( いえいえ!! んえええありがとうございます!!!
うぅぅぅぅ… リリの事思い出したぁ… ありがとうううゔゔ(´;ω;`) 優秀作候補で( ᐛ )و