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財布を落としただけなのに３

第2話 - ラブレター

100

2022年05月05日

#ドラマ

#ホラー

#ストーカー

#スリル

#一次創作

×××

鳥丸崇矢

・・・・・

鳥丸崇矢

（天馬には幸せに
なってもらいてぇ）

鳥丸崇矢

（いや、幸せにしてぇ）

鳥丸崇矢

（俺はずっと
天馬だけを愛していた）

鳥丸崇矢

（いつか天馬と
付き合える日を
夢みてた・・・）

鳥丸崇矢

（けど・・・）

鳥丸崇矢

（それは俺の一方的な
気持ちでしかねぇ）

鳥丸崇矢

（天馬の事を
第一に考えるなら）

鳥丸崇矢

（このまま潔く
身を引くのが
最適なのかな・・・）

鳥丸崇矢

（それにコレは
世間一般的には）

鳥丸崇矢

（普通じゃねぇんだよな）

鳥丸崇矢

（やっぱ男同士より
男女の恋愛が天馬には
望ましいのかな・・・）

鳥丸崇矢

・・・・・

鳥丸崇矢

天馬・・・

鳥丸崇矢

俺はどうしたら・・・

加賀美天馬

ただいま！

加賀美早苗

お帰り！

加賀美早苗

今日は遅刻しなかった？

加賀美天馬

もう、母さん！

加賀美天馬

今日みたいな事
やめてくれよ！

加賀美早苗

はい？

加賀美天馬

しらばっくれないでよ！

加賀美天馬

崇矢の話だよ！

加賀美早苗

鳥丸くん？

加賀美天馬

そうだよ！

加賀美天馬

もう、恥ずかしいから
今度からやめてよね！

加賀美早苗

なんの話？

加賀美天馬

いいから！やめてよね！

加賀美天馬

じゃ、部屋戻るから

加賀美天馬

絶対に入ってこないでよ

加賀美早苗

いつもそうじゃない！
何を改まって

加賀美天馬

お願いね！

天馬はそう言うと自分の部屋へと走っていった

加賀美早苗

鳥丸くんが
どうしたのかしら？

加賀美天馬

ゴクリ・・・

加賀美天馬

これってやっぱり

加賀美天馬

ラブレターだよな？

天馬は下駄箱に入っていた手紙を真剣な眼差しで見つめていた

加賀美天馬

でも、何かの
間違いかもしれない

加賀美天馬

もう一回読んでみよう

加賀美天馬

うん・・そうしよう！

加賀美天馬

・・・・・

加賀美天馬

やっぱり何度読んでも
俺宛の手紙だ・・・

加賀美天馬

それに涼風さんって
隣のクラスに居る、あの？

加賀美天馬

あんな可愛い子が？

加賀美天馬

まじで？

加賀美天馬

いやいや

加賀美天馬

何かの間違いだろ！

加賀美天馬

誰かのイタズラだよ！

加賀美天馬

うん！絶対そうだよ！

加賀美天馬

・・・・・

加賀美天馬

でも本当だったら
涼風さんを裏切る事に
なっちゃうし

加賀美天馬

・・・・・・

加賀美天馬

６時３０分に校門・・・

加賀美天馬

・・・・・

加賀美天馬

騙されたと思って
行ってみるか・・・

翌日

加賀美天馬

行ってきまーす！

加賀美早苗

は？どうしたの？天馬

加賀美早苗

こんなに朝早くに

加賀美天馬

あ、ちょ、ちょっとね

加賀美天馬

用事があるんだ

加賀美早苗

こんな時間に？

加賀美天馬

別に良いだろ？

加賀美早苗

まぁ、そりゃ
構わないけど

加賀美天馬

じゃあ、行ってきます

加賀美早苗

あれ？朝ご飯は？

加賀美天馬

い、いらないよ
そんな時間ないし

加賀美天馬

行って来ます！

加賀美早苗

わかったわ！
行ってらっしゃい！

天馬は期待に胸を躍らせ家を後にした

加賀美早苗

・・・・・

加賀美早苗

今日、槍でも降るのかしら？

天馬が外に出ると早朝という事もありあたりはまだ真っ暗だった

加賀美天馬

やっぱ６時ともなると
まだ真っ暗だな

加賀美天馬

・・・・・

加賀美天馬

本当に涼風さんが
居たらどうしよ・・・

加賀美天馬

なんて言えばいいかな？

加賀美天馬

あーもぅ、どうしよ

加賀美天馬

今になって
緊張してきた・・・

加賀美天馬

・・・・・

加賀美天馬

まぁ、なるようになれだ！

校門前

加賀美天馬

約束の時間よりも
早く着いちゃったなぁ

加賀美天馬

さすがに、まだ
来てないよな

涼風まひろ

天馬くん？

加賀美天馬

あ、涼風さん・・・

加賀美天馬

（やばい・・・
本当に居たよ・・）

涼風まひろ

よかったぁ
来てくれたんだ♫

涼風まひろ

嬉しい♫

加賀美天馬

あ、いや、その

加賀美天馬

手紙に・・
書いてあったから・・

涼風まひろ

手紙読んでくれたんだ♫

加賀美天馬

あ、う、うん・・・

涼風まひろ

ありがとう♫

加賀美天馬

あ、いや、こちらこそ
あ、ありがとう・・・

涼風まひろ

ちょっと座って
話しない？

加賀美天馬

あ、そうだね・・・

加賀美天馬

立ち話はアレだし・・・

そう言うと二人はベンチに腰を下ろした

加賀美天馬

・・・・・・

涼風まひろ

・・・・・・

加賀美天馬

・・・・・・

加賀美天馬

（や、やばいよ）

加賀美天馬

（何話せばいいんだよ）

加賀美天馬

（こんなシチュエーション
生まれて初めてだから）

加賀美天馬

（どうすれば・・・）

涼風まひろ

天馬くん？

加賀美天馬

はいっ！

涼風まひろ

ふふふ

涼風まひろ

天馬くん
ビックリし過ぎだよ

加賀美天馬

あ、ごめん
ははは・・・

涼風まひろ

でさ・・・

涼風まひろ

手紙の話なんだけど

加賀美天馬

て、手紙・・・

加賀美天馬

ゴクリ・・・

涼風まひろ

あれは私の
本当の気持ちだから

加賀美天馬

本当の・・気持ち・・

涼風まひろ

天馬くんを
好きって気持ち

涼風まひろ

嘘じゃないからね？

加賀美天馬

え・・・

涼風まひろ

私・・・

涼風まひろ

天馬くんの事が
好きなの

加賀美天馬

ど、どうして
俺みたいなヤツ・・

涼風まひろ

天馬くん
覚えてないだろうけど

涼風まひろ

私・・・天馬くんに
助けられたんだよ？

加賀美天馬

え？

１年前

入学式当日

涼風まひろ

ちょっと！
やめてください！

先輩A

いいだろ？

先輩A

お前、すげぇ
名器だって噂だぜ？

涼風まひろ

はぁ？名器？

先輩A

試させてくれよ

先輩A

なぁ？いいだろ？な？

涼風まひろ

やっ！やめて！

先輩B

そんな嫌々言いながら
実はもうグチョグチョ
だったりしてな

先輩A

想像しただけで
勃ってきたわ！

涼風まひろ

ふざけないでください！

涼風まひろ

それに私は
まだ処女です！

涼風まひろ

そんなの噂で・・

先輩A

くぅー処女だってよ！

先輩B

唆るねぇ

先輩A

俺まだ処女とは
ヤった事ねぇんだよな

涼風まひろ

ちょっ・・・

先輩A

いいじゃねぇかよ

先輩A

お前だって
ヤりてぇだろ？

涼風まひろ

誰があんたら
なんかと！！

先輩B

あ？てめぇ・・・
少し可愛いからって
あんまし図に乗んなよ？

涼風まひろ

嫌です！やめて！

先輩A

無理矢理犯す事
だって出来んだよ？

涼風まひろ

おか・・・

先輩A

お前だって
そりゃ嫌だろ？

涼風まひろ

・・・・・

先輩A

優しくしてやっからさ
な？いいだろ？

涼風まひろ

やめてください！

加賀美天馬

や、やめろよ・・・

涼風まひろ

え・・・

先輩A

あ？なんだ？てめぇ

先輩B

今いいトコなんだ！
邪魔すっと殺すぞ？

加賀美天馬

嫌がってるだろ？

加賀美天馬

い、嫌がってる女の子を
男が寄ってたかって

加賀美天馬

は、恥ずかしくないのか？

先輩A

カッチーン

先輩A

はい！ムカついたから
ボコ決定〜〜！

先輩B

あ〜あ、大人しく
帰ってりゃ良かったのにな

涼風まひろ

あ、あの・・・

涼風まひろ

私のことは・・・

先輩A

てめぇは黙ってろ

パチィン

涼風まひろ

きゃっ！

加賀美天馬

お、お前ら！

先輩A

おぉ？やる気か？

先輩B

喧嘩はきちんと
相手見て売れよ？

先輩A

俺たちはこの高校の
番格なんだぜ？

加賀美天馬

ば、番長なんて
ま、漫画の読み過ぎか
ゲームのやり過ぎだよ！

先輩A

くくく・・・
声震えてんじゃねぇか

先輩A

今日のところは
見逃してやっからさ

先輩A

さっさと消えろよ！な？

先輩A

俺たちはこれから
お楽しみなんだからよ

加賀美天馬

お、女の子が
危険な目に遭ってるのに

加賀美天馬

じ、自分だけ
逃げるなんてできない

先輩B

あっそ

先輩B

じゃあ死ねよ

ボコッ

加賀美天馬

うぐ・・・

先輩A

なんだよ、コイツ
クソ弱いじゃねぇかよ

先輩B

口だけのゴミか

先輩A

もっと痛めつけてやるよ

涼風まひろ

や、やめて！

涼風まひろ

その人は関係ないから！

先輩A

うるせぇよ！

先輩A

コイツは俺らの
機嫌を損ねたっつー
大罪を犯したんだ

先輩B

最低でも病院送り
ぐれぇしねぇと
採算合わねーんだよ

涼風まひろ

わ、私は好きにして良いから

涼風まひろ

やめてあげて

加賀美天馬

ダメだ！

天馬は先輩の足にしがみつく

先輩A

かぁ〜鬱陶しい

先輩A

このまま踏み潰すぞ！

涼風まひろ

やめて！

教師

お前ら！

教師

何をやっとるんだ！

先輩A

やべっ・・・

教師

またお前らか！

先輩B

まずい！逃げろ！

教師

待たんか！！

駆けつけた教師は逃げていく先輩を追いかけその場から立ち去った

涼風まひろ

だ、大丈夫ですか？

加賀美天馬

お、俺は大丈夫だよ

加賀美天馬

それより君は？

加賀美天馬

け、怪我とか
してないかな？

涼風まひろ

わ、私は大丈夫・・・

涼風まひろ

でもあなたは・・・

加賀美天馬

大丈夫だよ

加賀美天馬

少し腹を
殴られただけだから

涼風まひろ

なんで私のために
あんな事・・・

加賀美天馬

ほ、放って
おけなかったんだ

加賀美天馬

女の子が
いじめられてるのを

涼風まひろ

・・・・・

加賀美天馬

じゃ、じゃあ
俺は行くね

涼風まひろ

あっ・・・

その場から立ち去ろうとする天馬しかし、その場でうずくまってしまう

加賀美天馬

うぐ・・・

涼風まひろ

大丈夫？

涼風まひろ

やっぱり怪我を・・・

加賀美天馬

ははは

加賀美天馬

大丈夫じゃ
なかったかも・・・

涼風まひろ

保健室行きましょ！
連れて行きますから

加賀美天馬

あ、ありがとう・・・

加賀美天馬

あ！思い出したよ！

加賀美天馬

あれって
涼風さんだったんだ！

涼風まひろ

あの時の天馬くん

涼風まひろ

すっごく
カッコよかった♫

加賀美天馬

はははは

加賀美天馬

カッコイイなんて
大袈裟だよ

加賀美天馬

結局俺なんて何も
出来なかったからさ

涼風まひろ

ううん
そんな事ない

涼風まひろ

私には天馬くんが
ヒーローに見えたよ♫

加賀美天馬

て、照れちゃうな

加賀美天馬

やめてよ・・・

涼風まひろ

あの時からずっと
天馬くんの事が好きだった

加賀美天馬

涼風さん・・・

涼風まひろ

あと、手紙の
返事なんだけど

加賀美天馬

あ、いや、それは、その

涼風まひろ

今すぐ答えを
言ってなんて言う
つもりはないから！

涼風まひろ

じっくり考えて
天馬くんの答えを
聞かせてほしい

加賀美天馬

あ、う、うん・・・

涼風まひろ

私、それまで
待ってるから

加賀美天馬

わ、わかった・・・

涼風まひろ

それをどうしても
伝えたかったんだ

涼風まひろ

ごめんね？
こんな朝早くに呼び出して

加賀美天馬

いや、そんな事は・・

涼風まひろ

放課後だと
誰かに見られたりして

涼風まひろ

天馬くんに迷惑が
かかるかもって思ったから

加賀美天馬

迷惑なんて
そんな事思わないよ

加賀美天馬

すごく嬉しいよ

涼風まひろ

ありがとう天馬くん

涼風まひろ

だんだん
明るくなってきたね

加賀美天馬

そ、そうだね

涼風まひろ

じゃあ私はそろそろ
教室行くね

涼風まひろ

もうすぐみんなが
登校してくるだろうし

加賀美天馬

あ、う、うん
そうだね・・

加賀美天馬

俺もそろそろ
行こうかな・・

涼風まひろ

今日は話が出来て
嬉しかった

涼風まひろ

来てくれてありがとう

加賀美天馬

ううん

加賀美天馬

こっちこそ
ありがとう

涼風まひろ

じゃ！またね！

加賀美天馬

うん♫

天馬自宅前

鳥丸崇矢

どうせまだ
寝てんだろうな

鳥丸崇矢

天馬のヤツ・・・

ピンポーン

鳥丸崇矢

・・・・・

鳥丸崇矢

安定の反応無しか

鳥丸崇矢

仕方ねぇ・・・

鳥丸崇矢

えっと、確かここに

崇矢はドア近くの植木鉢を漁る

鳥丸崇矢

あった！鍵！

鳥丸崇矢

ったく天馬のオバサンも
不用心だよな

鳥丸崇矢

天馬に鍵渡すと
絶対無くすからって

鳥丸崇矢

植木鉢の下に
鍵を隠すなんて

鳥丸崇矢

俺じゃなきゃ
悪用されてるぜ

鳥丸崇矢

・・・・・

鳥丸崇矢

まぁ、俺も悪用
してるようなもんか

ガチャ

涼風まひろ

・・・・・

鳥丸崇矢

天馬の部屋・・天馬部屋・・

鳥丸崇矢

おーい、天馬

鳥丸崇矢

ってアレ？

そこには天馬の姿はなかった

鳥丸崇矢

あれ？天馬？

鳥丸崇矢

まだ７時だってのに

鳥丸崇矢

あいつもう
出ていったのか？

鳥丸崇矢

制服だってねぇし

鳥丸崇矢

マジで行ったんだな

鳥丸崇矢

こんな日もあるんだな

鳥丸崇矢

・・・・・

鳥丸崇矢

つーか、俺・・・

鳥丸崇矢

何やってんだよ・・・

鳥丸崇矢

幼馴染だからって
勝手に上がり込んで

鳥丸崇矢

天馬のプライベートに
土足で踏み行って

鳥丸崇矢

こんなのまるで
ストーカーじゃねぇか

鳥丸崇矢

・・・・・

鳥丸崇矢

やっぱ辞めよう・・・

鳥丸崇矢

こんな事すんのは

鳥丸崇矢

・・・・・

鳥丸崇矢

さ、学校行くか！

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